主要経済指標の解説

国内総生産(GDP)

全米購買部協会指数(NAPM)

雇用統計

労働生産性

輸出入価格

卸売物価指数(PPI)

消費者物価指数(CPI)

消費者信頼感指数 Consumer Confidence

耐久財受注額 Durable Goods Orders

新築住宅販売戸数&中古住宅販売戸数 New Home Sales

失業保険申請件数 Initrial Claims

自動車販売台数 Auto and Truck Sales

国内総生産(GDP) Gross Domestic Product

商務省経済分析局(BCA)が年4回、1月・4月・7月・10月下旬のNY時間朝8時半に、直前四半期の実質GDPの前四半期比年率を発表。

発表。経済全体の成長率を推し量るための重要な指数。

GDPは、消費、投資、総輸出、政府による購入、在庫などの幅広い経済分野の動向が反映されるため、非常に重要な数字だ。

GDPには、ほかに、GDP deflators という指標があり、消費者価格指数(CPI)と同じように、インフレーションを推し量るための指数として利用されている。

米国GDPは2月下旬に改定値が発表され、日本のGDP一次速報が発表される3月下旬には、確定値が発表されるが、この速報性は世界の最高水準だといえるだろう。

確定値が発表されても、その後さらに改定は続き、このように、米国では経済統計値をできるだけ早く掴むために、季節調整法(X-12-ARIMA)によって季節調整が実施される。

96年1月19日発表のGDP では、価格基準を87年固定から前年へと算出手法を変更したため、速報値と最終確定値は乖離しているが、その時点での、最も早い速報を出そうという姿勢は、今のスピードが要求される時代のニーズに適合しているため、多くの投資家から信頼される指標となっている。

債券市場はGDPに影響を受けることが多く、GDPの最終の数字は年度の最終期日の7月まで修正されることはなく、この数字は少なくとも5年間にわたるGDPに影響を与える。

商務省経済分析局(BCA)のホームーページ http://www.bea.doc.gov/

全米購買部協会指数(NAPM)

全米購買部協会が毎月1日NY時間午前10時に前月分を発表。

公表スピードが比較的早いためマーケットでも重要視されている経済指数。

全米購買部協会指数(NAPM)とは製造業約350社の購買部を対象に、新規受注・受注残・輸入・清算・在庫・雇用 価格等が前月に比べ良くなったか否かのアンケート調査をしたもので、GDPの製造業部門の供給側を示す。

NAPMの新規受注指数は耐久財受注、入荷遅延指数はPPI中間財コア指数、価格指数はPPI原材料指数、雇用指数は雇用統計の製造業雇用者数、生産指数は鉱工業生産指数の先行指標になる。

この指数は50%が中立で、通常50%を超えてい ると景気拡大、50%を割り込んでいると景気後退と解釈されている。

シカゴ地区購買部協会景気指数(シカゴPMI)は毎月月末に当月のものが発表される。

フィラデルフィア連銀景況指数は毎月半ばに当月のものが発表される。

これらの指数はNAPM指数の先行指標として使用する。

全米購買部協会のホームーページ http://www.napm.org/

雇用統計 The Employment Report

米労働省が毎月第1金曜日NY 時間朝8 時半に前月分を発表。

6万戸の家庭と37万5千事業所を対象に、毎月12日目を含む期間で調査することで、雇用のレベルを2つの違った角度から検討できるようになっている。

前月の12日を含む週が調査期間で、失業率、非農業部門新規雇用者数、時間当たり平均賃金、週平均労働時間など、米景気やインフレ動向を知る上で、最も注目されている指標の一つ。

数値は、賃金台帳から製造、採鉱、建設、サービスと政府関係というセクターに分けられて集計される。

データには、就業時間・超過勤務時間・平均時間給などが含まれ、非農業部門新規雇用者数と1時間当たり平均賃金、週平均労働時間は、失業率とは違い事業所から給与支払い帳簿をもとに算出され ている。

平均所得額は、インフレーションの指標として重用される。

調査のサンプルは月ごとに違ったサイズとなるため、毎月の変動が大きくなるケースがあるが、毎月の経済活動を的確に捉えるためのタイムリーでかつ総括的な指標として利用されている。

経済指標としての高い速報性から、労働時間は鉱工業生産指数の40%が決定されている。

失業率は働く意図も能力もある人(労働力人口)のうち、仕事のない人(失業者)の比率 。

雇用は遅行指標だが、消費を知るためには先行指標となり、労働投入量(=労働時間×雇用者数)はGDPの推計にも使用できる。

この労働コストが急激に上昇している場合、商品のコストがかかりすぎているか、または従業員の賃金が高すぎるかのいずれかのケースだと、推測することができる。

労働省のホームーページ http://stats.bls.gov/

労働生産性  Productivity

四半期に一度発表。

労働生産性については予備報告が発表されるが、そのデータの改訂版が、それぞれの四半期の第三番目の月にリリースされる。

単純には能率のことを指す。

インフレ懸念のあるケースでは、労働コスト指数がマーケットへ影響を与えることがある。

この労働生産性が落ちている場合、労働コストは時間当たりの生産性や他の労働コスト指数より、早く上昇しているといえるだろう。

インフレ率を調整した付加価値(実質GDP)を投入された非農業部門における総労働時間で割ったもので、時間当たりの付加価値がどれだけ増えたかを示している。

労働省のホームーページ
http://stats.bls.gov/news.release/prod2.toc.htm Productivity and Costs

輸出入価格 Export and Import Prices

毎月20日のNY 時間朝8時半に発表。

輸出入商品の値段の動きを把握することにより、貿易バランスの動向を知ることができる

輸出価格は主に米国の海外における経済成長を示す。

輸入価格は主に米国内における需要を示す。

商務省国政調査局のホームページ http://www.census.gov/foreign-trade/www/press.html

卸売物価指数(PPI) Producer Price Index

米労働省が毎月中旬のNY 時間朝8時半に、前月分のPPI(生産者価格指数)を、月に一度発表。

卸売り段階での物価の動きを示し、生産者側から見た、商品やサービスの価格変動を示し、金利上昇に繋がるインフレ兆候を示す重要指数だ。

PPI は最終財のコア指数(食料とエネルギーの価格を除いたもの)と中間財のコア指数の前月比が重要。

FRB(連邦準備制度理事会)は、中間財のコア指数をインフレの先行指標として注目している。

労働省のホームーページ http://stats.bls.gov/

消費者 価格指数(CPI) Consumer Price Index

米労働省が毎月中旬のNY 時間朝8時半に、前月分のCPI(消費者価格指数)を、月に一度発表。

消費者によって購入された商品やサービス価格の変化を示すもので、物価の動向を示し、また金利上昇に繋がるインフレ兆候を示す重要指数 だ。

CPI のコア指数(食料とエネルギーの価格を除いたもの)は前月比と前年同月比をチェックしたい。

FRB(連邦準備制度理事会)は、FFレートの誘導目標(例・5%)からCPIコア指数の前年同月比(例・+2.2%)を引いた実質FF レート(例・2.3%)の大きさについて、過去のデータと参照して検討している。

労働省のホームーページ http://stats.bls.gov/

消費者信頼感指数 Consumer Confidence

協議委員会(コンファレンスボード)が毎月 最終火曜のNY 時間朝10時に発表。

当月分の消費者信頼度指数の速報が、ミシガン大学から発表される(確定した報告は月末に発表)。

指数の内訳は、期待値が60%、現状が40%の割合。

コンファレンスボードの調査は、5,000人を対象として行われ雇用重視で、ミシガン大学の調査は500人を対象として家計重視という違いがある。

コンファレンスボードの消費者信頼感指数は、雇用重視の指数なので「就職先が豊富」なのか「就職が困難」なのかを見極めることが重要。

この指数は、グリーンスパンFRB 議長も見ているとされている。

また「車購買計画」・「住宅購買計画」・「主要家財購買計画」などもある。

http://biz.yahoo.com/c/terms/conf.html

コンファレンスボードのホームーページ http://www.conference-board.org/

Business Cycle Indecators  http://www.tcb-indicators.org/

耐久財受注額 Durable Goods Orders

毎月下旬NY時間朝8時半に前月分が商務省センサス局から発表される。

製品の生産活動を図るための、先行指標の役割を果たす。

毎月初めに発表される、前々月の製造業受注構成項目の速報。

数字が強いと債券価格が下落する傾向があるため、債券マーケットにとっては、悪いニュースとなる傾向にある。

投資家は、この数字が弱いとポジティブな反応を示す。

トータルの受注額は、航空機や防衛関連品目の増加に影響されるため、指標としての正確な数字ではないケースがある。

コア資本財受注(航空機を除く非国防資本財受注)は、GDPの設備投資に使われる、コア資本財出荷の先行指標として注目 されている。

http://biz.yahoo.com/c/terms/durord.html

商務省センサス局のホームページ  http://www.census.gov/cgi-bin/briefroom/BriefRm/

新築住宅販売件数&中古住宅販売件数 New Home Sales

毎月月末か月初のNY 時間午前10時に、1 ヶ月前の新築住宅販売件数が発表される。

また毎月下旬に前月の中古住宅販売件数が発表される。

住宅指標は米FRB (連邦準備制度理事会)が最も重視する指標の一つ。

新築住宅販売とは土地付きの新築住宅販売で、保有の土地へ新築の住宅を建築したものは含まない。

在庫が減少すると、住宅建築着工件数が増加する傾向にある。

数値は大きく修正されることがあるため、一ヶ月単位の短期間の数字は指標としてあまりあてにならない。

この数字で、マーケットが大きく反応することはほとんどない。

新築住宅件数ではなく、既存住宅の販売件数の方が、マーケットにとっては重要な指標となるようだ。

毎月住宅着工統計の発表前日の昼頃にNAHB (住宅建設業者協会)のHMI (住宅市場指数)が発表される。

毎週水曜日NY時間朝6時に発表される住宅関連指標にMBA (住宅銀行協会)の住宅ローン申請件数も重要。

http://biz.yahoo.com/c/terms/newhom.html

新築住宅販売件数
NAHB (住宅建設業者協会)のHMI (住宅市場指数)
住宅着工件数など各種住宅価格 http://www.nahb.com/facts/default.htm

中古住宅販売件数 http://www.nahb.com/facts/economics/sneh.html

MBA (住宅銀行協会)の住宅ローン申請件数 http://www.mbaa.org/

失業保険申請件数 Initial Claims

毎週木曜日のNY 時間午前8時30分に、失業保険申請の件数が発表される。

申請件数が増加すると、雇用状態が低下するという経済指数として使用される。

発表はタイムリーだが、時として紛らわしい指標となるケースがある。

毎週の数値を追跡すると変動率が高くな利過ぎるため、アナリストは4週間の平均値を使用する。

また、アナリストによっては、雇用の成長を知るために、月ベースで保険の受取数を追跡するケースもある。

週ごとの変化が少ないため、この指数そのものはマーケットに影響を与える大きな要因とはならない傾向がある。

http://biz.yahoo.com/c/terms/claims.html

米労働省

自動車販売台数 Auto and Truck Sales

数字は、毎月、月初めの3ビジネスデイ内に発表される。

自動車とトラック販売の数字が、米国内で生産された車の毎月の売上高とされている。

それぞれの自動車メーカー個々によって、その販売数が報告される。

小売品目としては比較的高価な自動車やトラックの需要は、自動車部門を景気循環の敏感な先行指標として、利用される傾向にある。

この数字は、合衆国全体の小売り売上高のおよそ25%を占め、消費者需要の重要な指標となっている。

それぞれの数値には、商務省による季節要因が加味され、全体の年間売上ペースとして計算され、マーケットでは、この年間売上ペースが重要視される。

http://biz.yahoo.com/c/terms/auto.html

米商務省