スポーツ選手も糖質制限
<フィギュアスケート:全日本選手権>◇21日◇東京・国立代々木競技場◇女子フリー
SP4位樋口新葉が、会心の演技で2位になった。高いジャンプを次々と決めて、ミスが出てもリカバー。
演技後は両拳をぐっと握って喜んだ。
宮原、坂本を抜いて世界選手権代表に近づいた。
約3カ月かけて食事制限、筋肉量を増やすなど、軽くて動ける体作りを敢行。
持ち前のジャンプが復活した。
「白いご飯が大好きなんですが、それを食べないで、夜の練習をやるのがつらかった。
タンパク質と野菜をとっていた。実験的な特訓だったけど、結果が出て自信につながる」とにっこり。
18年世界選手権銀メダリストが復活した。
記事によると、夜だけ米飯を抜いているようなので「緩やかな糖質制限」ということになりますね。
とにかく、糖質オフな食生活が樋口選手復活の要因の1つになっているのは確かなのですが・・
ところで、フィギュアの羽生選手などアスリートに栄養面のサポートを提供している「味の素」ですが、スーパー等で配布している「勝ち飯(がんばる人のチカラになるごはん)」のリーフレットを見ると、タンパク質の重要性は説きつつも、「補食」として大切なのは"糖質"とアミノ酸。
「エネルギー源となる"糖質"」なんて書いてあったり、「補食」として出汁入りの、小ぶりなおにぎりを推奨していたりしますね。
果たしてサポートを受けている選手がどこまで栄養のことをわかっているのでしょうか?
羽生選手の食べていた食事 『肉巻はるさめの絶品汁』とは
羽生選手のソチ五輪金メダルへの道を支えた料理の一例を紹介します。
それが「肉巻はるさめの絶品汁」です。材料は豚こま切れ肉、ほうれん草、にんじん、春雨など。
作り方はまず、豚肉に片栗粉をまぶし、端からくるくる巻きながら丸めてひと口大にします。
ほうれん草は3cmくらいに切り、にんじんはせん切りに、春雨は食べやすい長さにします。
次に鍋にごま油を熱し、豚肉の巻き終わりを下にして焼き固め、全体に焼き色がついたら野菜を加えてさらに炒めます。
野菜がしんなりしたら、出汁と水を加え、煮立ったら、春雨を加えて、2~3分煮ます。
春雨がやわらかくなったらみそを溶き入れて出来上がりです。
豚肉でたんぱく質を摂取し、ほうれん草、にんじんで野菜を確保、超低カロリーな春雨を使うことで満腹感を出して糖質の量を他の食事と調整します。
実は春雨は非常に糖質の含有量の高い食べ物です。
緑豆春雨...84kcal、糖質19.1g
普通春雨...80kcal、糖質19.1g
しらたき...6kcal、糖質0.1g
マロニー...90kcal、糖質14.5g
(※すべて100gあたり)
春雨は基本「緑豆」と呼ばれる豆から作られています。
他にもじゃがいもやさつまいもなどのいも類の「デンプン」が原料です。
糖質を気にする際に見落としがちなのが実はこのデンプンです。
デンプンは非常に糖質が高く、糖質制限しようとするときに思わぬ落とし穴となります。
ですから春雨の代わりに、「しらたき」を使えば圧倒的に糖質量は少なくなります。
しらたきの材料は、こんにゃくですから、糖質はほとんど含まれていません。
このケースでは「超低カロリーな春雨」とありますが、カロリーより糖質の量が大事です。
プロロード選手がなぜ食べていない?
私の話ではない、日本人で初めてツールドフランスを完走した、トレックファクトリーチーム の別府選手である。
先般のバイクジャーナルの記事で気になる文面があった。
あまり食べないです。
肉などのタンパク質が中心でサラダなど。炭水化物は少し採るだ けですね。
もちろん、長く乗った日はパンやパスタもちゃんと食べますけど。
必要ない ときは食べません。
別府選手:バイクジャーナルより 別府史之に聞く39-3の質問
我々と桁違いの運動量と日々のトレーニングをしているのに、炭水化物を取らないということ はどういうことなのだろうか。
ちょうど読んでいた書籍「炭水化物が人類を滅ぼす」を読み、 糖質制限からみた生命の科学で知見を得ることにした。
まずは自分で実験
まずは、実際に自分自身で体験すべく、徐々に米を抜いて行った。
炭水化物は食べずに野菜、 タンパク質中心の食生活にするということだ。
米を補う為に一品増やす、そのへんは割とルー ズにやる。
なお、オプションで炭酸水を1日三リットル飲んでいることも付け加えておこう。
これは変えない。
本記事と関係ないが、炭酸は間違いなく痩せる。
練習仲間のワットモンスターも減量し たいということで沖縄前に、炭酸水をお勧めした。
私は炭酸水が大好物で特に減量のために飲んでいないことを付け加えておく。
話は戻り、私が 炭水化物を抜くとによって体験できた結果を先に述べておこう。
昼飯後眠くならなくなった
午後に眠気が来なくなった
食後に甘い物を欲しがらなくなった
という結果だ。
なぜなのかは本書を読み進め勉強して行くうちに、知ることになる。
ご飯は胃の中の消化が肉や魚よりも早いと思っていたが、どうやら間違いである。
胃酸で消化 され速やかに小腸に送られるのは、たんぱく質の方が早い。
本書では消化器内科向け医師への 文言もあるが、我々一般人向けに「たんぱく質は消化が早い」をこう説明している。
嘔吐物を観察すると、米粒、麺類、野菜だけであると。
炭水化物を減らすと食べる量も減った。
なぜか炭水化物をとらないとすぐに満腹感が得られる。
私はストレスで食い過ぎる。
昨年の冬 は65kgまでいった。
姉が医療機関に勤めているので聞いてみたが、本書と同じ答えが帰ってき た。「血糖値じゃない?」と。
本書の中でも紹介されているが、血糖値があがり、下がるときに、またあげようと脳が試みる。
その際に糖を欲するらしい。
その影響で体は満腹だが、脳が満腹ではないという指令を出すそうだ。
この結果より食べ過ぎてしまう原因にもなるし、食後の甘いモノは別腹の原理が働く。
これは なにかに似ていないか、と本書の中にある。それはニコチンだ。
ニコチンも"切れる"と欲しく なる。
原理は血糖値が上がる一下がる一また上げようと糖を欲する=切れるという図式らしい。
満腹感が得られないのには、血糖値を急激に上げる食品が影響しているかもしれないので疑っ てみるべきだ。
外食チェーン店でも糖質をとらない工夫
米を制限すると困ることがある。
外食で食べるものが少なくなることだ。
そこで本書で紹介さ れていた、すき家の『牛丼Light』がある。
このメニューは牛肉、野菜、豆腐で構成される高タ ンパク質、食物繊維メニューだ。
極めつけはその低カロリーにある。
310kcal。ちなみにいつも頼む『並』は673Kcalだ。
という ことで本日の晩御飯は、このブログを書いている間に決定したすきやの「牛丼Light」である。
牛丼Lightの構造を確認する。
まず表面に見えるのは「牛丼並相当」の牛肉、次にサラダである。
そして最下層に豆腐という構造である。サラダは推測するにサイドメニューのサラダである。
なぜサイドメニューなのかというと、「コーン」が入っていたからだ。
スピードを追求する"フ ァストフード"店がわざわざコーンなど入れるはずもない。
したがってサイドメニューのサラダ がそのまま投入されていると推測する。
驚くのはその重量だ。
牛肉、サラダ、豆腐の3層から構成される牛丼Lightは持つと『コメでも 詰まっているのでは?』という印象を持つ。
私はタンパク質ジャンキーなので「卵」をさらに 追加したが追加せずともタンパク質は相当摂取できるだろう。
味の方はというと、これはなかなかあう。
糖質制限食というよりも、これはこれでイケる味だ。
糖質をどうしても減らしたいから食べる、というよりはこのヘルシーかつ絶妙なバランス の『牛井Light』を是非食べてみてほしい。
炭水化物は16.9g入っているが、豆腐と牛肉、タレ由来のものといえる。
エンデュランスアスリートの糖質制限は可能か
別角度で糖質制限を見ると、アスリート(主にエンデュランス系)にとって糖質制限は悪影響 を及ぼすのではないか、というのが私の見解(であった)だ。
しかし本書内ではウルトラマラ ソン(100kmの変態マラソン)の話も書いてあるので読んで欲しい。
まだまだ自分自身で行う人体実験は始まったばかりだ。
まずは自分で試してみて良い悪いを判 断したい。
糖質制限をするとすぐに体感できる効果(眠くならない、お腹が空かない、甘いモ ノ食べたくならない)がわかるので一度体験してみてはどうだろうか。
糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)
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