主食としてのコメを考える
・6歳未満の子どもにはライスクッキーを食べさせないこと。
・6歳以上の子どもを含む全ての子どもは、コメやコメからできた食品(牛乳粥、ビーフン・春雨、朝食シリアルなど)を食べる回数を一週間にせいぜい4回までに留めること。
・大人でも、これらの食品を毎日食べている人は、摂取量を減らし、週にせいぜい6回までにするよう努めること。
・コメを食べる場合は、玄米ばかりを食べないようにすること。
これらの勧告の理由は、コメには他の食品よりもはるかに高い濃度の無機ヒ素が含まれているからだという。
スウェーデン人は平均、週に3回ほどコメやコメ製品を食べているという。スウェーデン以上にコメを食べている日本人は、この勧告に対してどう反応すればよいのだろうか?
健康リスクの観点からすると、無機ヒ素の摂取量は可能な限りなるべく減らしたほうがよい、というALARA(As low as reasonably archivable)の考え方をEUは採用しており、生産者に課す上限値は今後、定期的に更新され、厳しくなっていくものと考えられる。
果たして、コメの無機ヒ素含有量が高いという問題は、スウェーデンをはじめヨーロッパが輸入しているコメに限った話なのだろうか?
日本の精米に含まれる無機ヒ素は、最小値が20 µg/kg、最大値が260 µg/kg、平均値・中央値が120 µg/kgなので、スウェーデンの食品庁が今回調査したサンプルよりも全体的にずっと高い値であることが分かる。
どう考えてもスウェーデン人よりも日本人のほうがコメの摂取量ははるかに多い。だから、無機ヒ素による健康リスクはスウェーデンよりも日本のほうがずっと高いことが想像できる。
畝山智香子 著『「安全な食べもの」ってなんだろう?』という本には「毎日ヒジキ(無機ヒ素を含む)を1g食べる発がんリスクは27mSvの被曝と同じ。
3食ご飯だと+20mSv」と書かれているというから、日本人が日常的に晒されているヒ素の健康リスクは、1kgあたり100ベクレル程度のレベルで騒がれていた食品中の放射性物質の健康リスクよりもはるかに高いことが分かる。
離乳食にコメのおかゆを作った、という話をスウェーデンの栄養士や友人にすると、コメはヒ素の含有量が多いから気をつけるようアドバイスをもらいました。
確かに、コメは小麦やオーツ麦など他の穀物に比べるとヒ素の含有量が高いことはよく知られています。
ヒ素は自然界の土壌などに存在する物質で、より細かく分けると有機ヒ素と無機ヒ素というのがあり、健康に影響があるとして問題となるのは無機ヒ素の方です。
この調査から、コメやコメ由来製品の摂取を子供は週4回・大人は週6回程度に抑えれば、健康リスクが高まることはないと結論付けています。
日本の農林水産省のページ「食品中のヒ素に関するQ&A」では特に離乳食や乳幼児のコメの摂取については触れられていませんが、「コメに含まれる無機ヒ素は、玄米の外側についている糠(ぬか)の部分に多く含まれています」「白米をよく研いで食べることで、コメを通じて摂取するヒ素の量を減らせる可能性があります」とあるので、調理する前によく研げば多少は摂取量を少なくできるのかもしれませんが、実際にどのくらい減るかについては特に調べていないらしく言及がありません。
調べることはできるのだから、こういう情報を載せるなら「可能性がある」とかいうふわっとした情報ではなく根拠となる調査をしたらいいのにと思います。
日本人はお米やひじきなどからのヒ素の摂取量が多いだろうし、離乳食もおかゆ中心に進めるのが基本になっていて、おそらくほぼ毎日お米を食べている赤ちゃんも多いのではないかと思いますが、日本でそれが問題になっているという話はあまり耳にしたことがありません。
日本の離乳食の本を電子書籍で買って参考にしているのですが、初期は主食のほとんどが白米のおかゆになっており、食材一覧のコメのところにも海藻のところにも無機ヒ素の話は出てきません。
多分、主食としてあまりにも食生活に浸透しすぎて今更どうこうできないので、ある程度のリスクはしょうがないと考えられているのが現状なのでしょうか(もしくはリスクがあること自体がよく知られていない?)。
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EU(欧州連合)は今年1月1日からコメに含まれる「無機ヒ素」の最大基準値を設定した。
すしなどコメを使った日本食は海外でも人気だが、含まれる無機ヒ素の多さから海外でコメはリスクが高いとされる食品の一つ。
日本で無機ヒ素を「日常的に健康を脅かすもの」と考える人は少ないのではないだろうか。
国立医薬品食品衛生研究所安全情報部第三室長の畝山智香子さんの著書「『安全な食べもの』ってなんだろう?」では、1日3食、毎日コメを食べた場合のがんリスクを、放射能による影響と比較して「20ミリシーベルトの被曝と同じぐらい」としている。
日本で食品中の放射性物質は年間1ミリシーベルト以下にすることを目指して基準が決められている。
つまり、日本人が日常的にさらされている無機ヒ素の健康リスクは、食品中の放射性物質の健康リスクよりはるかに高いといえる。
それぞれの記事を書いているのは、米を常食にしている日本人。
なので、理論的にリスクが高いことがわかったとしても、いまさら食べるのをやめることはしないという、微妙なニュアンスが見て取れるように思うのは筆者だけだろうか?
たとえば「たばこの害」などは、肺が真っ黒になっている写真を見せられれば、視覚的にカラダに悪そうというイメージを強く感じるはずだ。
そのため、比較的やめやすくなるわけだが、それでも体がニコチン中毒になっていると、やめるのは非常に難しいのが現実だ。
では米を食べると、どう悪いのか?
に関してだと、具体的な症例や臓器などへのダメージを知る機会がなければ、このような記事を読んだからと言って今日から「ご飯」を半減させようと考え、実行に移す人は少ないだろう。
加工された食品は、薬物乱用にも似た薬物動態的特性(高濃度の服用、高い吸収率など)を持っている。
その原因は、脂肪や精製炭水化物の添加や、精製炭水化物の人体への急速な吸収率によるものだ。
ネガティブな結果が出ているにもかかわらず、継続的に食べ続け、減らしたいと思っているにもかかわらず、減らすことができない、というのが、中毒症状の典型的なパターンなのだ。
食品中の炭水化物の量 × それが糖に変換される速度の高い食品は、中毒症状を起こしやすくなるのだ。
筆者は米にこれほどヒ素が多いということは知らなかったのだが、現在米をほとんど食べないのは、糖質が多いという理由から避けているだけで、それ以外に理由はない。
とは言っても2週間に一度くらいは、おいしい寿司を食べに行くことはある。
それでもシャリの量は半分以下にしてもらっている。
なので家では基本的に、寿司ではなく、刺身でネタを楽しむことが多い。
エネルギーとなる成分は大きく分けて、たんぱく質、脂質、炭水化物の3つに分けられる。
私たちにとって最も身近な炭水化物は、白米や小麦粉だ。
こうした、いわゆる精白されている「白い炭水化物」は、血糖値を上げ、脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化による病気が起こるリスクを高める可能性があることが、数多くの研究から報告されている。
習慣は変えることができる
とはいえ米の摂取量などは、食事調査を行って追跡するため、記憶違いや過少申告、食生活の変化なども考えられる。
だから「1日2杯の白米」といっても、きっちり1日2杯分の量を食べていたのかどうかまでは、実は正確にはわからないのではないだろうか。
そのため食事と健康の話をすると、よく聞かれる意見が「米は食べすぎなければ大丈夫ですよね?」といったものだ。
日本人は何事も「食べすぎなければ大丈夫」という、あいまいな落としどころを好む傾向にあると思う。
あちら立てればこちら立たず、とい状況を避けるには、こうしたあいまいな態度は、実に都合がよいためだ。
だが残念ながら、現実には日本人が大好きな白米は「少量でも体に悪い」のだ。
白米の摂取量が少なければ少ないほど、糖尿病のリスクが低いことが、エビデンスによって実証報告されている。
なぜ、ご飯がやめられないのか?
その理由の一つとして、「主食は白米だと思いこんでいる」ため量を食べてしまうのではないだろうか。
だが白米が主食でなければいけない、というルールはないのだ。
そのため、単にコメの食事量を減らすだけでも不可能に近い状態になってしまう。
なぜなら、お腹が空いているのに我慢するのは拷問のようなもので、理性によってコントロールすることが難しいからだ。
こうした理由から筆者は、食事の種類を「置き換える」という工夫をしている。
筆者は、プロテインを主食と考えた食事をしているので、おなかがすいたら、とにかく食事の前にプロテインを飲んでしまうことにしている。
習慣にしてしまえば何も問題はなくなるうえ、米を食べたいと思わなくなるから不思議だ。
人間は習慣化してしまえば、その習性に従うのは意外に簡単なのだ。
食事で「米を食べる」という習慣は、長年親から受けついだ、単なる習慣なのだから、大人になれば自分で変えることができるはずなのだ。
だから、しかるべき理由さえあれば、その習慣を変えてしまうのは、本来それほど難しいものではないのだと思う。
何といっても問題なのは、米に含まれている糖質には、中毒性があり、脳がおかされてしまい、やめることができなくなってしまうという点だ。
このことを心に刻んでおいて損はないはず。
自分のそういった習慣は必ず子供にも受け継がれてゆくという事実を過小評価してはならない。
だが、これだけの理由があっても、どうしても白米を食べたい人は、毎日1時間以上の激しい運動をすることをお勧めする。
そうすれば、糖尿病のリスクを上昇させずに済むかもしれない。
保証はないけどね。(笑)
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