ミトコンドリア防衛システム
CS60と関わると、どうしてもミトコンドリアに辿り着く。
それだけ大きな影響を果たしているわけだが、ではミトコンドリアとはどういう働きをしているのか?
ミトコンドリアにはひだ状になっている内膜があり、そこで生産された莫大なエネルギーは、送電線のように細胞内に張りめぐらされているネツトワークを通じて、細胞全体にくまなく運搬される仕組みになっている。
CS60でスリスリすると、ミトコンドリアが活性化され、元気になったミトコンドリアは、援軍が必要な箇所へ移動し、修復に励むことができるというわけだ。
さらに、こうしたネットワークは静的ではなく、時間を追うごとに刻々と姿を変え、融合したり分裂したりしながら絶え間なく細胞内を移動している。
特殊な顕微鏡を使い、15秒ごとに撮影すると、ミトコンドリアのネットワークが絶えず形を変え、近くにある別のミトコンドリアと融合している様子を見ることができる。
ミトコンドリアの模式図を見ただけだと、ミトコンドリアはそれぞれが独立した俵形の構造で、細胞質の中に散在しているものだとイメージしてしまうかも知れない。
動物細胞で独自のDNAを持っているのは核とミトコンドリアだけだ。
植物細胞だとこれに葉緑体が加わる。
ミトコンドリア内に含まれるDNAは、核に含まれるDNAとはまったく別物だ。
なぜ、ミトコンドリアだけが、独自のDNAを持っているのか?
また核にあるDNAとMTDNA(ミトコンドリアのDNA)はどのような関係にあるのか?
その鍵は、どうやら10億年以上前の、私たちの祖先となった生物とミトコンドリアの祖先との運命的な出会いに遇る必要があるのだ。
そもそも私たち人間は、なぜミトコンドリアのような細胞小器官を持つようになったのだろう?
40億年という生物の歴史の中で、生物がどのように進化し、どのような経緯でミトコンドリアという細胞小器官を作ったのかを、完全な形で解明することは、おそらく永久に不可能なことだろう。
だが現在の形や生活の様子、遺伝情報などを比較したり、過去の生物の化石などを調べたりすることで、その過程をある程度推測することができる。
様々な研究の末、ミトコンドリアの祖先となった原核生物は、エネルギー生産する能力を獲得した代償として、酸素呼吸の結果、大量に発生する危険な活性酸素と向き合わなければならなくなったのだ。
ミトコンドリアの祖先はこの活性酸素によるダメージを避けるため、原始真核生物の中にパラサイト(寄生体)として潜り込み、自らの遺伝情報の大部分を、活性酸素の害が及ばないより安全な、寄生した真核生物の核の中に避難させる戦略をとったのだと推測されている。
ミトコンドリアの祖先が遺伝情報を核に亡命させたため、ミトコンドリアは思う存分、酸素呼吸によって莫大な生命エネルギーを供給でき
るように進化できたと解釈されている。
ミトコンドリアのDNAを世界で初めて発見したのは、スウェーデン、ストックホルム大学の生物学者マーギット・ナスだった。
核にしかないと思われてきたDNAが、ちっぽけな細胞小器官にも含まれていたのだ。
以後ミトコンドリア研究者の関心はこのMTDNAに向かい、分子生物学的なアプローチによる研究が急ピッチに進められ、いろいろなことがわかってきている。
生物の設計図としてDNAに刻まれているすべての遺伝情報はゲノムと呼ばれている。
ミトコンドリアのDNAは、無駄な遺伝情報を徹底的に排除し、ゲノム全体の95%を遺伝子として利用しているのだ。
生命エネルギーを生産するミトコンドリアの役割は、我々の社会生活における「発電所」のようなもので、ミトコンドリアで製造された生命エネルギーは合成されてから短時間で消滅する。
1980年代になると、活性酸素によつて、MTDNAが回復不可能な深刻なダメージ(突然変異)を受けるということがわかってきたのだ。
年をとるにつれてミトコンドリアの呼吸酵素活性が徐々に低下することも判明。
いってみればミトコンドリアのDNAは、原子力発電所の炉心近くで防護服もつけずに働く作業員のようなもので、極めて危険かつ過酷な状況で、生命エネルギー生産という重労働を強いられているのだ。
このような問題があったからこそ、ミトコンドリアの祖先はパラサイトとして原始真核生物に飛び込み自らの設計図のほとんどを原始真核生物の核に避難させたと推測されている。
ミトコンドリアを元気にすることが大事
ミトコンドリアの機能低下が健康にさまざまな悪影響をもたらすという疑惑は、かなり早い段階からささやかれてきている。
とりわけ、ガンとミトコンドリアの関連については多くの科学者が注目し、さまざまな研究が行われている。
筆者の施術サロンでは、酸素カプセル+温熱療法のコースを設けている。
ガンの転移の疑いがある場合には、最も効果のある方法ではないかと考えているからだ。
その理由は、ガン細胞であっても十分に酸素が供給されていれば、呼吸酵素活性が正常な状態に回復することが判明しているためだ。
ミトコンドリアのエネルギー生産が通常より劣っていると、筋力低下、疲労、難聴、低身長、高乳酸血症、腎不全、心筋症、糖尿病など多岐にわたる症状が現れてくる。
いわゆるミトコンドリア病だ。
そのためにCS60でミトコンドリアを元気にすることだ。
ミトコンドリア病に対しての有効な防御と攻めの手段としては最強のツールではないかと睨んでいる。
その後の研究で癌ミトコンドリア原因説や老化ミトコンドリア説なども浮上したが、現在ではいずれも否定されている。
さらに現在ではミトコンドリアは「相互作用」という、ユニークな防衛システムを使い、突然変異の蓄積によるダメージを最小限に食い止めていることがわかっている。
バラバラの細胞小器官に見えるミトコンドリアは、あたかも一つの生命体のように互いに連携し、突然変異によって生じた致命的影響を打ち消しあっているのだ。
ユニークな防衛システムである。
つまり、CS60でミトコンドリアを元気にすれば、この防衛システムを強化することができるのだ。
参考文献
林純一 著 ミトコンドリアミステリー から一部引用しています。
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