あいうべ

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「自律神経免疫療法」の理論に基づく「あいうべ」という口の体操は、栄養失調が諸悪の根源?!で一度ご紹介しています。

いわゆる「クチ先」だけの医療方法を考案した先生がいらっしゃいます。

   

世界には実に多種多様な治療法があります。

西洋医学、東洋医学をはじめ、代替医療としての針灸、アーユルヴェーダ(インドの伝統医)、ホメオパシー(植物や鉱物を使ったヨーロッパの自然療法)、カイロプラクティック(脊椎の調整を目的とする手技療法)、ハープ(薬用植物)療法、催眠療法。

 

そして、それらはエビデンス(科学的根拠)の有無に関係なく、なんらかの成果をあげているという事実があります。

  

考案者の今井―彰(いまい・かずあき)先生は、一般内科とリウマチ科、アレルギー科が専門のクリニックを経営されています。

加えて、漢方治療、関節の痛みを取る手技療法であるAKA治療(関節運動学的アプローチ)、色彩布を体にはることで症状を緩和する色彩診断治療(カラー治療)、リンパ液の流れを整えて身体機能を高めるリンパドレナージュ、血流を適度に制限することで効率よい運動効果を得る加圧トレーニング、さらには日本で初めてとなる靴下外来など、新しい視点からの代替医療(西洋医学以外の治療法)も積極的にとり入れたクリニックで、基本的に治療には薬の投与を行わないそうです。

   

自然治癒力を引き出す方法で大事な点は、ものの見方や考え方に制限や制約を設けず、ちっぽけな常識にしばられないことが大切だといいます。

 

まさか、こんなことで・・!

そんなことはあり得ない!

 

というわけで今日はこのような、驚くべき効果を発揮する「あいうべ」という口の体操を改めてご紹介します。

文末の参考文献から一部引用させていただき、構成しています。   

  

 

「あいうべ」で効果が期待できる疾患とは?

 

関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病、気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などのアレルギー疾患、炎症性腸疾患、高血圧症、うつ病などがあります。

しかも、「あいうべ」を続けていると、口角(日のわき)がキュッと上がって若々しくなり、美肌や小顔など美容面でも効果も得られるのです。

  

  

ステロイド薬は医師の思考を停止させる

 

アトピー性皮膚炎やぜんそくにはステロイド薬を使うのが一般的です。

ステロイド薬が持つ炎症を抑える力は絶大で、重度のャヶドや虫刺されによるアナフィラキシーショツク(急性・全身性のアレルギー症状)というときには、 一発で危機を脱することができる魔法のような薬です。

  

炎症はあるし、どの治療法がベストかすぐに判断がつかないから、とりあえずステロイドを出しておこう、というように処方されるケースがよくあります。

出してしまえば、あとは量のコントロールだけです。

 

その一方で、長く使い続けると、体内に蓄積されて酸化コレステロールに変化し、ある時期から細胞組織を破壊する悪玉に変わってゆきます。

短期間に限定して使うのならまだしも、長期にわたる使用には、副作用が非常に強いため、細心の注意を要するリスクの高い薬なのです。

    

     

病気をかぎ分ける嗅覚

  

CS60の施術時に、錆のような臭いが出る場合があることは、施術をされている方なら一度くらいは体験されているかもしれません。

今井先生は外来の患者さんを毎日診察することで、同じ疾患の患者さんと向き合うようになり、初めて病気に「固有の匂い」があることに気づかれました。

  

最初は、ただ「独特の匂いのする人がいるのだな」と思う程度だったが、そのうち、ドアの向うの待合室に症状のひどい人が入って来られただけで、「あ、あの患者さんが来られた」と、察知できるようになったのです。

とりわけ関節リウマチの患者さんは口臭が強く、しかも症状が重いときほど、全身から漂う体臭も口臭も強くなるのですが、炎症が回復するにつれ、体臭も日臭も減少して行きます。

    

ガンにはガン特有の匂いがあり、アトピー性皮膚炎と化学物質過敏症の患者さんは、ちょっと籠もったような、よく似た匂いがするそうです。

また、同じ膠原病でも、関節リウマチと全身性エリテマトーデスの匂いは、微妙に異なり、たとえ匂いは違っていても、症状が重いときほど強くにおうという点では、不思議なほど共通しているといいます。

   

ただ、患者さんには、こうしたことは、一切話さなかったそうです。

においというのは、デリケートな問題ですからね。

  

かといって、同僚や先輩に訊ねてまわってもわからず、しつこく食い下がると、笑い話になるのがオチでした。

ところが、間もなく先生は「自律神経免疫療法」という新しい医療と出合い、長年の疑間が一瞬にして氷解したのです。

  

  

病気になる仕組み

 

自律神経免疫療法とは、自律神経(意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配している神経)を調整することにより、免疫力を高めて、さまざまな病気を治してゆく画期的な治療法です。

このベースとなっているのが、ガンから関節リウマチ、肩こり、不眠症に至るまで、その根っこに潜む原因は同じであるとする理論です。

  

アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそく、血管炎、白血病、乾鮮、膠原病と、病名が違うのに、処方する薬といえば、決まってステロイド薬。

病名は違うのに処方薬が同じなら、ひょっとすると原因は同じではないか?

 

東洋医学の考え方にも、似たようなものがあります。

  

抜け毛、疲れ日、こむら返り、肌の乾燥、集中力の低下などの症状は一見、なんの関係もないように思えるかもしれません。

ですが漢方では、これらの症状を抱えた人を「血虚」の状態にあると診断しています。

そのため一種類の漢方薬で、これらの症状が一度に治ることも、決してまれではないのです。

 

自律神経には、ヤジロベエのように微妙なバランスをとり合って働く交感神経と副交感神経があり、体に現れるあらゆる現象が、こうした自律神経の作用を受けて調節されています。

交感神経は、主に昼間などの活動時や、緊張、興奮しているときに働く神経です。

  

交感神経が優位になると、アドレナリンという神経伝達物質が分泌され、これが血管を収縮して血圧を押し上げ、消化管の働きを抑制することで、体は活動的になります。私たちが仕事や勉強をバリバリこなしていけるのも、日中は交感神経が優位に働いているからです。

反対に、副交感神経は、主に夜間などの休息時や、リラックスしているときに働く神経です。

  

副交感神経が優位になると、アセチルコリンという神経伝達物質を分泌して、心臓の拍動をゆるやかにし、血管を拡張させて血流を促し、消化・排便を促進します。

いわば、アクセル全開の交感神経と、ゆったリリラックスの副交感神経とが互いに拮抗し合い、ヤジロベエのようにバランスを保つことで、体調は整えられているわけです。

 

  

〈交感神経が優位な状態で引き起こされる病気〉

歯周病、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、クローン病、潰瘍性大腸炎、腎臓病、狭心症、脳出血、動脈硬化、リウマチ性疾患、糖尿病、白内障(日のレンズの役割を果たす水晶体がにごって視力が落ちてくる病気)、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、ガン。

  

〈交感神経が優位な状態で引き起こされる症状〉

食欲不振、頻脈、一肩こり、不安、不眠、分泌の低下(ドライマウス、ドライアイ)

  

現代人は、ストレスが多い生活を送っているせいか、交感神経が刺激されるタイプがほとんどです。

患者さんの自血球データを調べると、ほとんどが顆粒球過多である交感神経優位の状態を示しているのです。

  

私たちが健康であろうとするなら、心身をリラックスさせる副交感神経を優位な状態にして、交感神経を過度に緊張させないことが大切です。

ただし、何事もほどほどが大事で、これにもやはり限度があります。

  

リラックスのしすぎは過食になりやすく、結果的に肥満を招きます。

肥満が進み、何をするにもおっくうな状態になると、体は代謝(体内での物質の変化や入れ替わり)機能を上げるために、そのうち交感神経を緊張させるようになります。

 

この状態が続くと、今度は反対に交感神経が慢性的に優位となり、最終的には交感神経緊張状態で引き起こされる病気が発生することになります。

 

〈副交感神経が優位になりすぎて引き起こされる病気〉

花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、うつ病、アナフィラキシー(食物やハチ刺されにより全身に起こるアレルギー反応)

 

〈副交感神経が優位になりすぎて引き起こされる症状〉

無気力、下痢、水様性鼻汁、知覚過敏

 

  

免疫力を高めれば病気は自分で治せる

 

ガン、胃潰瘍などのやっかいな病気は、交感神経が緊張し、リンパ球が減って免疫力が低下することで起こるわけですから、根本治療を施すなら、そうした病気の引き金になつたストレスを取り除き、おおもとの原因である自律神経のバランスを整えればよいのです。

このように全身で病態をとらえれば、熱が出れば解熱薬、血圧が上がったら降圧薬、原因がわからない病気にはステロイド薬といった対症療法頼みの薬としての使い方だけに陥ることがなくなるのです。

  

こうした理論に照らしてみれば、その患者さんは、顆粒球から放出された活性酸素で組織破壊が進み、関節のほかに口腔内(日の中)にも、のどの炎症や歯周病などを引き起こしていたと考えられます。

それが強い口臭のもとになっていたのでしょう。

 

つまり、関節リウマチと診断された関節の炎症と、歯周病と診断された口腔内の炎症も、症状がどこの部位に出ているかだけの違いであって、全身的にみれば同じ炎症だと見ることができます。

であるならば、日腔内の炎症を治せば、関節の炎症もおさまってゆくことになるのではないか?

 

このことをきっかけに、先生は口呼吸に注目するようになったそうです。

  

働きすぎや心の悩みといった過度のストレスは、全身の活動力を高める交感神経を優位にする原因です。

しかし、その直接的な行為は何かといえば、思わず「はーっ!」とついてしまう「ため息」、疲れによる「イビキ」、そして、日がポカンと開いたままの状態を含む「口呼吸」です。

 

人間は緊張すると、のどが渇きます

同時に、のどが渇けば、人間は緊張します。

 

人間の心と体は、双方向に影響を与え合っているのです。

 

暑くなってきた、今の時期、常にリラックスした状態を保つため、口に入れる飲み水は特性のアルカリ化ドリンクだけ。

補給基地1101にサーモスの1.5リッターボトルで常備。 

施術サロンには550ml、移動用の鞄には500mlのボトルを使い、補給基地から適時補給。

 

のどが渇けば、人間は緊張します。

だとすれば、アルカリ化ドリンクで常に潤しておけば、常にリラックスした状態を、長期案保つことができるわけです。

 

市販のアルカリ化ドリンクをりようすると、とても美味しくなります。

ヴァームウォーターはグレープフルーツ味でしたが、クリアアップル味もあり、どちらもウマイ。

 

これをベースに、さらにアルカリ化を独自に高くするため、クエン酸と重曹を加え、氷を数片いれて冷やしておきます。

 

生活や環境の変化、家庭や仕事上の責任、人間関係のトラブル、事故や被災など、過度のストレスがあると、まずは始終、ため息をつくようになります。

ため息をつこうとすると、自ずと舌の位置が下がるため、国が自然と開いた状態になり、日呼吸のクセがつきやすくなります。

 

すると、日腔内の乾燥が自律神経のバランスを乱し、さまざまな病気を招くという悪循環に陥ります。

   

よく「ため息をつくと幸せが逃げる」といいますが、この言葉を考えた人は、このサイクルに気づいていたのでしょうか?

また、症状が悪化する前にイビキをかくようになったというエピソードも、多くの人に見られます。

  

ため息もイビキも、のどの渇きに直結します。

したがって、仮に働きすぎや心配事といった過度のストレスがあったとしても、しつかり口さえ閉じていれば、日腔内の乾きによって自律神経が乱れることはないのです。

  

  

睡眠時の口呼吸は惨事を招く!

 

本来、睡眠中は副交感神経が優位になり、リラックス状態に入るはずです。

ですが口呼吸をしていると交感神経が緊張した状態が続くため、ゆっくり休息を取ることができなくなり、さまざまな病気を誘発するのです。

 

イビキは、中高年の突然死の原因と指摘される「睡眠時無呼吸症候群」と関連しています。

アメリカで起こったスペースシャトル「チャレンジャー」の爆発事故、旧ソビエト連邦で起こった「チェルノブイリ原子力発電所事故」も、何を隠そう、睡眠時無呼吸症候群などを含む睡眠の問題が絡んでいるのです。

ぐっすり眠れないための、眠けによる作業効率の低下により、重大事故につながってゆくのです。

 

睡眠時無呼吸症候群の人は体が酸素不足になるため、循環機能に負担がかかります。

そのため、不整脈や狭心症、心筋梗塞(心臓の血管がつまって起こる病気)、脳梗塞、心不全などを起こしたり、悪化させたりすることが明らかになっているのです。

 

嗅覚は、人間が持つ視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚の五感のなかでも、生理反応に直接結びつく、きわめて重要な感覚です。

メディカルアロマセラピー(芳香療法)が存在するのは、嗅覚の持つ力を利用するためなのです。

 

人は、空気中のにおい成分が呼吸とともに鼻に入つてきたとき、そのにおいを感じます。

におい成分は、鼻の粘膜にある嗅細胞の嗅毛とよばれる毛を刺激し、嗅神経の細胞の刺激となって、神経線維から大脳へ伝わっていくのが、においを感知するメカニズムです。

 

ところが、五感のうち、実は嗅覚だけが、大脳への情報の伝達経路が違っているのです。

大脳には、人間の知的活動や理性をつかさどる「大脳皮質」と、人間の感情や本能的な活動を支配する「大脳辺縁系」があります。

 

嗅覚以外の四感は、「理性」の大脳皮質を経由して、「本能」の大脳辺縁系べと情報が伝わりますが、嗅覚だけは脳内部の嗅球・嗅索をへて、「本能」の大脳辺縁系と「理性」の大脳皮質にそれぞれ伝わつてゆくことになります。

大脳辺縁系に伝わつたにおいの刺激は、過去の古い記憶や動物的な本能と結びつき、「おいしい」「なつかしい」「好き」「怖い」といつた、さまざまな感情を強くゆさぶりながら、自律神経系や内分泌系、免疫系を調整する視床下部へと伝えられます。

 

一方、大脳皮質に到達したにおいの刺激は、脳にストツクされるさまざまなデータによつて、これがなんのにおいであるかの判断を下され、においに対する「意識」がつくり出されます

このように、においの刺激に関してだけは、二つの伝達経路がほぼ同時に起こっていると推察されるのです。

  

大脳皮質による「知的な解釈」を通さず、大脳辺縁系にダイレクトに伝わる点です。

鼻から入ったにおいの信号を脳が認識するまで、その時間は、わずか0.15秒。

 

だからこそ、理性ではコントロールできないような感情も、生理に直接働きかける匂いなら、落ち着かせたり、リラックスさせたりといった効果が得られるわけです。

 

嗅覚が機能しない口呼吸だと、あらかじめ五感のうちの一つを失い、四感で生きることになります。

ましてや、それが人間の思考や創造をつかさどる、脳の中枢部分と直結する感覚器官となれば、全身への影響は計り知れません。

 

嗅覚が衰えると、脳にストツクされている膨大な情報が瞬時に引き出されず、想像力に欠けた生活を送ることになります。

その想像力が「病気が治る」方向に働くとしたら、においは自然治癒力(人間の体に本来備わっている病気を治す力)を高めるものとしても活用できるわけで、そうした観点からも、日呼吸が体に与える影響は大きいと考えられるのです。

 

病気を治す根本治療は、日呼吸を本来の鼻呼吸に直すことだ確信した先生は、従来から口呼吸を直す方法として提唱されている、次の方法を試すことから始められたのです。

  

 
就寝時にサージカルテープ(紙バンソウコウ)で口をふさぐ。

片噛み(片側のあごだけで咀鳴すること)をやめて両側のあごで咀曖する。

ガムやグミを利用して咀嘘筋(物を噛むのに必要な筋肉)の筋力をつける。

 

案の定、症状が劇的に改善するケースが出てきました。

 

ただ口にテープをはることを習慣にすると、咀鳴筋の筋力は向上しなくなります。

口にテープをはったり、マスクをしたりしている動物はいないのです。

   

というわけで「自然の摂理」からすると、やはり応急処置にとどめるべきでしょう。

  

  

舌の位置で病気になるかならないかが決まる

  

この項目はあまりにも長くなるので、引用は控えますが・・

  

最後に辿り着いたのが「あいうべ」の基本的なやり方

 

四つの動作を順番にくり返してください。

「あいうべ」はこの四つの動作が一セツト。

一日に30セットを目安に続けるのが、基本的なやり方。

 

時間にして1セツトが5秒くらいなので、30セットやると、だいたい3-4分になります。

口腔内が乾燥しやすくなるので、声は出さないほうがよいでしょう。

あくまでも体操なので、ふだんしやべるときより、日を大きく動かすことがポイントです。

   

   

参考文献

    

免疫を高めて病気を治す口の体操「あいうべ」

平成20年2月の日第1制発行

今井―彰(いまい・かずあき)

山口大学医学部卒業。山口大学医学部救急医学講座に入局後、
医学部在学中より興味を持っていた東洋医学も併せて習得する。

さまざまな医療を駆使しながら、一貫して薬を使わずに体を治していく、
体の使い方を変えて薬をへらしていくといった独自の観点から治療を
行っている。2006年にみらいクリニックを開業後、日本初の靴下外来を
開設するなどユニークな取り組みを続けている。

共著書に「加圧トレーニングの理論と実践」(講談社)、「プライマリケアの
ための整形外科疼痛マニュアル」(金原出版)など。加圧トレーニング
統括指導者、日本東洋医学会専門医、関節運動学的アプローチ
(AKA博田法)医学会専門医、日本自律神経免疫治療研究会会員。

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