ノーベル賞とオプジーボ
本庶佑特別教授がノーベル賞を受賞され、この発見をもとにして使われているがん治療薬がニボルマブ(Nivolumab):商品名はオプジーボ。
患者の免疫を強めるためのタンパク質PD-1を発見しがん治療の新たな可能性を切り開いたとして、受賞されたのですが・・
一般的な抗がん剤と違い、副作用への対処が全く異なります。作用機序は一種の自己免疫誘導!それゆえ疲労感、食欲不振、大腸炎、皮膚炎、間質性肺炎、激症型糖尿病、重症筋無力症などの膠原病に似た自己免疫疾患の副作用が報告されています。それこそ膠原病専門医、消化器専門医、皮膚科専門医、呼吸器専門医、神経専門医、内分泌専門医のチーム診療が必要になり、選ばれた病院でしか治療できない状態です。
ニボルマブ(Nivolumab):商品名オプジーボは、米国に本社のあるブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)の薬ですが、日本・韓国・台湾では小野薬品工業が権利を保有しています。
結局亡くなってしまった小林麻央さんも頼ったオプジーボ。
話題、再燃の医薬品である。この薬の奏効率は20~30%らしい。この程度の奏効率。例えば鎮痛剤で考えるとどうだろう。100人に投与して30人しか痛みがとれない。こんな薬が認可されるだろうか?『癌』という領域だから認可されるのだろうか。
現在進行形で様々な癌に対して臨床試験が実施されている模様だがこの奏効率でOKならたぶんすべての実施中の臨床試験はクリアすると思われる。その先に来るのは国民皆保険という日本の医療制度の崩壊かも・・
奏効率が20~30%」という数字は「投与したがん患者の2~3割にしか効果がなく,7~8割のがん患者では全く効果がない」ということでしょうか? 「成功率2~3割の手術」だと手術を受ける患者はいません。「服用した患者の2~3割しか効果が出ない抗生物質です」と説明されたら処方を希望する患者はゼロでしょう。
「あらゆる熱傷で湿潤治療が有効な患者は全体の2~3割のみ」だったらそもそも治療法としては失格レベル。「糖質制限で2~3割の人が痩せられました」だったらそもそも話題にもならなかったでしょう。「読者の2~3割が感動しました」という本があったら「感動した人の感性が微妙かも」と思います。
「ハズキルーペに菊川怜が座っても壊れない確率は2~3割」というコマーシャルがあったら,壊れにくいのか壊れやすいのかよくわかりません。「客がリピーターになる確率が2~3割のラーメン店」は早晩潰れそう。「ユーザーの2~3割が再購入しています」という化粧品もいずれ姿を消しそう。
本日のオプジーボの記事ですが、ちょっと違和感を覚えました。そもそもオプジーボは再発、進行、手術困難な症例に適応が限られています。今は一介の開業医ですがかつて癌化学療法専門にしていた者にとってそのような患者さんはいかに治療が困難であるかということは身にしみているつもりです。そうした対象例に奏効率20~30%なんて、個人的にはびっくりするくらいの数値です。
問題は、その薬価ですよね。(11月から大幅に下がっても)100mgで17万円台。これを一回240mgで2週に一度4回くらい行います。一杯10万円のラーメンともいえます。お薬代だけでこれだけかかり高額医療の控除対象にはなりますが負担も馬鹿にならず、さらに国の負担も莫大なものとなってきます。さりとてやたらと薬価を下げれば開発メーカは開発費を回収できなくなり「やる気」をなくすでしょう。痛し痒しといったところです。
さらにはこんな記事もあります。
現代の医療制度で医療費を減らすには、何でもかんでも検査検査の(特に高齢認知症患者に対する片っぱしからMRI,PET検査など)体制でしょうか? もっとも医療機関も検査を行い、数をこなさないとペイしないという一面もあるかと思いますが,湿潤療法のように「儲からない医療」が特に大病院で広まらないのもこうした事があるのかもしれませんね。
オプジーボについてですが、奏効率20~30%というのは、抗がん剤で考えたら高いのか低いのかわかりませんが、重要なのは生存期間ではないでしょうか?例えば一時的に腫瘍が小さくなって、奏効率80%とか言っても、2か月後には死んでしまうのであれば意味がありません。
アウトカムをどこにするのかが問題でしょう。
完全寛解が30%であればものすごい効果があるとは思いますが、実際はどんなのもなのでしょうか?NNT(治療必要数)で考えたら、オプジーボはNNT=3前後です。スタチンはNNT=100前後とも言われています。スタチンの効果を得られる人が1%程度ですが、ものすごい数の人に当たり前のように使われています。2~3割の効果で先生の言う失格レベルだとすると、スタチンは何でしょうか?スタチンのようなひどい薬に比べれば、オプジーボはマシだと思います。しかし高すぎです。
がんの薬効の判定には、「完全奏功」「部分奏功」「安定」「進行」の4つの区分けがあります。
「完全奏功」は、画像診断上がんが全て消滅し、それが4週間以上継続した場合。
「部分奏功」は、がんの面積が1/2以上縮小し、それが4週間以上継続した場合。
「進行」は、がんの長さが20%以上増大した場合。
「安定」は、「奏功」でも「進行」でもない場合。
をそれぞれ意味し、「がんの奏効率」と言った場合、「完全奏功」と「部分奏功」の合計を指します。
従って、奏効率30%の場合、残りの70%には、「安定」を得られた患者も含まれます。「安定」に対し、効果ありと考えるかどうかは、個人差があるかも知れませんが、私は、大きな効果だと考えます。
多くの固形がんの場合、「完全奏功」や「部分奏功」が得られても、やがて、がんが耐性を得て、薬が効かなくなり、増大を見ることが殆どです。今までの抗がん剤では、一時的に奏功しても、長期の延命は叶いませんでした。その点が、オプジーブなどの免疫治療薬との差です。
免疫治療では、他の治療法と異なり、患者自身の免疫力を治療に用いるので、治療を中止した後でも、長くその効果が持続します。これが、医師がこぞって画期的と評価する点です。
進行性の固形がんでは、治癒することは殆どありません。たとえ、がん病巣があってもそれが増大せず、日常生活が保たれていれば、十分に治療効果があったと考えるべきだと思います。
ノーベル賞受賞で再注目「免疫療法」は「まゆつばもの」だらけだった | 文春オンライン
夢のがん治療薬「オプジーボ」 飲んでいいのか? 飲まないほうがいいのか?
オプジーボは免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれる薬。通常、がん細胞が体の中にできるとキラーT細胞という免疫細胞が、がんを攻撃する。しかし、がん細胞は攻撃されないように、免疫細胞にブレーキをかけるPD-L1という物質を作り出すことができる。オプジーボはその免疫機能のブレーキを外して、人間の身体が本来持っている、がん細胞を叩く力を発揮させる薬なのだ。
厚生労働省は7月22日、オプジーボを使った後に別の肺がん治療薬で治療したところ、重い副作用が8例出て、そのうち3人が死亡したとして、注意喚起と情報提供を呼びかける文書を出した。いずれもイレッサなどの上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤を投与後に、間質性肺疾患を引き起こした。
また、メラノーマの治療で使用された患者が劇症1型糖尿病になった例も確認されている。
さらに小野薬品工業は、自由診療でオプジーボを使用したケースで重い副作用が6例あり、1人が死亡したと発表。医療機関に、国に承認された使用法を守るよう要請している。
「うちの病院では副作用には最大限のケアをしていますが、投薬の回数を重ねると甲状腺を悪くする人が頻出します。オプジーボの使用を望む患者さんには、容態が急変しても入院できるよう、バックアップの病院を確保するようにお願いしている」(星野氏)
「100mg瓶で約73万円、20mg瓶が約15万円、体重60kgの人なら1回180mgなので、約133万円。2週間に1回の投与で1年間使い続けると年間3500万円弱。
しかも、現時点では患者に薬が確実に効くかどうかは見分けられない。そうなると仮に5人に1人しか効果がない場合、1人の肺がん患者の延命のために1億6000万円ものコストがかかることになる。人の命に値段はつけられないとはいえ、これではあまりに高すぎるし、国民全体の医療費を急増させ、最終的にその負担は我々一人一人にかかってくる。
「そもそもオプジーボは、患者数の少ないメラノーマに使用される薬として薬価がつけられました(年間最大470人に投与されると推定)。もし、先に肺がんで承認されていたら、薬価は10分の1以下だった可能性があるのです」
小野薬品工業が10日発表した2018年3月期決算(国際会計基準)は、純利益が前年比9・9%減の502億円だった。主力製品のがん治療薬「オプジーボ」の薬価が大幅に引き下げられたが、販売数量の増加などで補い、過去最高だった前年並みの高い利益水準を維持した。
非小細胞肺がんの診療ガイドラインでは、オプジーボを試す前に1次治療として白金併用療法を行うことが定められています。そこで用いられる殺細胞系の抗がん剤は、副作用として免疫抑制を起こします。簡単に言うと、リンパ球を含む血液系の細胞が大量に死んでしまうのです。
そのように免疫細胞を殺してから、オプジーボによって免疫のブレーキを外すというのは、何かおかしくないでしょうか? 腫瘍がブレーキ系の免疫細胞を周囲に呼び集めているので、いったんリセットした方が免疫は働きやすいのだという説もありますが、白金併用療法がそのような免疫のサポートを目的に行われるのでないことだけは確かです。免疫が健全な薬物治療の最初からオプジーボを使えば、もっと効くかもしれないし、薬の量が少なくて済む可能性もあります。効くか効かないかの判定が速やかにできるようになるかもしれません。
これは、ちょっと理論をかじった人なら誰もが抱く疑問だと思いますが、現在の医療では「じゃあ最初から使ってみようか」とは、なりません。
というのも、治療の方針を、人間の浅知恵に過ぎない理論で決めてはならず、厳然たる事実のヒト対象臨床試験の結果(エビデンス)に従う他ないというのが、世界の医学界のコンセンサスになっているからです。薬物治療の最初からというのが認められるためには、現在の標準治療と比較する臨床試験を行って、少なくとも劣らないという結果が出なければなりません。
対象となる患者が全員、少しずつしか変化できない医療界の論理に納得すればよいのですが、実際にはそうでありません。近藤誠医師の理論などを支柱に、殺細胞系の抗がん剤治療は絶対やりたくないという人が一定数存在します。このため、この問題は極めて深刻な影響を生みます。
現段階で患者は、オプジーボを使いたければ白金併用療法を受ける必要があり、それを拒否するとオプジーボを使えないのです。
先ほども説明したように、免疫抑制を起こす殺細胞系の薬物療法を行った後にオプジーボで免疫のプレーキを外すというのは、免疫のことだけ考えれば明らかに変です。
それに加えて、白金併用療法自体、半分以上の患者にとっては効果がないという問題もあります。その人たちは白金併用療法で体力を奪われ、また効果と関係なく免疫細胞は確実に死にますので、次の治療が可能になるまでの時間も奪われます。ガイドライン通りに、白金併用療法をやってからオプジーボでいいじゃないと言えるのは、必ずオプジーボを投与できるという保証がある場合だけで、そんな保証はどこにもありません。オプジーボを投与させないため時間稼ぎしている、と邪推されても反論できないのです。
しかも「オプジーボ難民」は、抗がん剤拒否の人たちだけから生まれるわけではありません。ガイドライン通りに治療を受けてきたのだけれど、オプジーボの投与を病院に断られる、という人たちも発生すると見込まれます。
これは治験が、主にPS0・1の全身状態の良い患者を対象に行われており、病状が進んだ状態の悪い患者に使うとどうなるか現時点ではデータがないため、学会は「推奨しない」との立場をとっているからです。最終的には現場の医師の判断に任されていますが、業界には「イレッサのトラウマ」が強く残っており、とにかく慎重を期して無理しないという方針が徹底されています。
がんに対する免疫の基礎的な研究を日本の研究者たちはコツコツ積み重ねてきており、(3)として有望そうなタネも数多くあるからです。例えば、がんワクチンであり、樹状細胞ワクチンであり、T細胞療法やNK細胞療法、NKT細胞療法、です。
それぞれの治療法については別の機会に説明しますが、比較的安いものも多く、純粋に競争したら米国などの試験で試されている様々なタネに負けるとは限らない潜在力を秘めているのに、残念ながら臨床試験の土俵にほとんど乗れていません。理由を端的に言うと、費用を賄えないからです。そして、日本勢が大きく出遅れていることは、その研究をしてきた人たちにとって痛手であるだけでなく、国民皆保険制度にとっても痛手です。安くできるはずのタネであっても、出遅れると、高くなるか、一番手としては保険で使えなくなるか、のどちらかだからです。
現代の医療は、ひょっとすると他にも良い方法はあるかもしれないという留保は付けながら、有効性を示す臨床試験データのあるものから順番に治療法を選ぶことになっています。新参の治療法は、先にデータを出したものとの比較試験で勝たない限り、二番手以下として扱われます。要するに、ベストの治療法が自動的に一番手に選ばれるのではなく、早く結果を出した治療法が一番手になる、のです。現時点では、どの併用法も同等に一番手になれる可能性を持っていますけれど、ひとたび標準治療と位置づけられる併用法が出現した後は、それとの比較試験を越えなければ一番手になれなくなります。
一番手のメーカーが、挑んでくるものとの比較試験に協力する義理はないので、その薬剤費は挑戦者の試験費用に上乗せされることになります。つまり一番手の値段が高額だったら(この分野は、投資総額から見て間違いなく高額になります)、後から出てくるものの開発費も莫大になり、結局は高く値付けせざるを得ないという構造があります。
だからこそ「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、先に当てた者勝ちだ」という開発競争になっているのです。そして、そのデータに関しては、社会がきちんと監視していないと製薬会社は都合の良いものだけを出してきかねない、というのが先ほど説明した過去の教訓です。投資額が巨大なだけに油断はできません。
日本はオプジーボに関する臨床試験件数が少なく、ドラッグ・ラグを招きかねないと指摘しました。少ない原因はいくつも挙げられるのですが、世界を唖然とさせるような日本の医療界の不祥事と、それがきちんと医療界内で自律的に処分されないことも、日本での試験実施を敬遠させることにつながってはいないでしょうか?
前回、「クリニカルトライアルズ・ガブ」で検索すると、オプジーボ(ニボルマブ)の臨床試験が全世界で200件ヒットする(5月25日現在)ことを、ご紹介しました。ちょうど1カ月後の6月25日に再検索したら207件ヒットしました。1カ月で7件増えたことになります。1件実施するのに何十億円単位で費用が必要なことを考えると、開発競争の激しさが、改めてよく分かると思います。
なお、地域別に見ると(重複あり)米国と欧州で5件、カナダ、中米、中東、ロシア東欧で1件増えている一方、日本では増えていません。世界との差は開く一方のわけです。
とにかく普段から癌にならないように生活をする。
これに尽きるのではないでしょうか。
転ばぬ先の杖が肝心です。
まず食べ物に注意する。
なぜなら、年間1000回も口に入れる食べものの影響は、我々が想像するよりも遥かに大きいからです。
糖質の米・パン・蕎麦うどんパスタ類を主食から外す。
これらは癌の絶好の食べものでもあり、癌が増殖しやすくなります、
28年間完全シュガーフリーの女性
孫と70歳の女性 28年間砂糖を摂らない70歳お婆ちゃんが美しすぎる!見た目年齢20歳、生活スタイルは?
そして砂糖をやめる。
砂糖を食べると、血糖値が上がり、免疫力が落ちます。
体内のカルシウム、ビタミン、ミネラルが奪われます。
肝臓を悪くするうえ、動脈硬化になりやすく、心筋梗塞になりやすい体質になります。
なのに何故食べるのをやめないのか?
なぜなら砂糖はコカインの8倍以上の中毒性があるからです。
【驚愕】28年間砂糖を摂らない70歳お婆ちゃんが美しすぎる!見た目年齢20歳、生活スタイルは? - TOCANA
砂糖を摂取すると、人体に備わっている食事をコントロールする能力が損なわれ、過食をするようになります。
1975年に栄養学者で作家のウィリアム・ダフティが世界に衝撃を与えたベストセラー「シュガー・ブルース(砂糖病)」が出版されてから40年以上が経過しています。
この本は砂糖を摂り過ぎると依存症を引き起こすと警告していますが、砂糖を食べる人の数は増えるばかり。
さらに砂糖依存症になると、性格が凶暴になることが分かっています。
「砂糖絶ち」のコツは一気にやめてしまうこと。
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あとはアルカリ化ドリンクで、体液をアルカリ化しておくこと。
クエン酸や重曹はコストが安いので、続けるのが容易なうえ、対費用効果は抜群です。
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