エグノリジンと発作止め

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エグノリジンを飲み始めてから、2ヶ月以上が経過。

エグノリジンS を 自閉症の息子は朝2錠・夜2錠。

   

そして発作止めは、3錠を1錠にまで減らすことができたのだが・・

実は予期せぬ方向へ進展することになってしまった。

というわけで今回はそのレポートであります。

  

基本的に、エグノリジンと発作止めは、わかりやすく言えば、真逆の働きをするわけだ。

エグノリジンを飲ませ、発作止めを減らし、発作が起きなければ、まさに願ったり叶ったりということになる。

というわけで、様子を見ながら、発作止めをやっと一日1錠まで減らすことができたのだった。

 

だが、機嫌が良くなるというメリットが顕著になるのと同時に、自閉症特有の多動性が夜間頻発することになってしまったのだ。

     

実は少し前、カミサンが、ザンタックという胃の働きを調整する薬と間違え、発作止めを飲んでしまったことがあった。

頭の右半分が、ぼーっとして、凄く調子が悪くなったという。

幸いなことに2日ほどでその症状は治まったのだが・・

 

つまり発作止めというのは、頭のどこかの部分の働きを抑えることで、発作の症状を押さえ込んでいるのだ。

    

息子の場合、多動性の症状としては、正座をしている場合、膝を床にぶつけて音を出したがるのだ。

または、手で床を叩いて音を出すのだ。

そしてそれが一度始まると、止まらなくなってしまう。

 

別のケースでは、椅子やソファに座っていると、足の裏を床にぶつけ、ドンドンという音を出すのだ。

そしてそれが止まらなくなってしまう。

   

そうなると、いくらその都度止めても無駄。

それでも止めようとすると、止める側がノイローゼになってしまうのだ。

本人が一度そういう思考回路に嵌まり込んでしまうと、本人もコントロール出来なくなってしまう。

       

本人はそれで気分がいいのかもしれないが、夜間これから寝ようという正常な我々にとっては、たまったものではない。

煩くて、寝るどころではなくなってしまう。

幸いなことに、下の階の音が響く範囲には入居者がいないのが、まだしもの救いと言えばいいだろうか。

        

元々が、頭の病気なので、エグノリジンの効果が及ぶ範囲というのはある程度限定されるわけだ。

飲ませてみた結果、正常な方向へ回復するなどということは、夢のまた夢というのが現時点での現実。

     

というわけで、カミサンと相談のうえ、エグノリジンを飲ませるのは止めることにした。

良い方向への効果があるのならまだしも、費用もバカにならないわけだしね。

そして、発作止めは今まで通り一日3錠へと戻すことにした。

     

このようにして、やっとストレスなく、安心して眠ることができるようになったというわけだ。 

 

本人がコントロールすることができない言動を止めるためには、残念ながら薬で症状を抑えるしかないのが現実だ。

アメリカでは集団生活に参加する場合、唾を吐いたり、煩く同じ事を叫んだり、音を出す事につながる多動症は、親の責任で抑えた状態にしておかないと、受け入れて貰えない。

   

わかりやすいルールだ。

介護をする側や、本人を取り巻く正常な人達の生活の大きな妨げになるような症状は、薬で抑えるというのが、基本的な考え方なのだ。

        

ただ日本のデイケアセンターでは、アメリカに比べると、そこまで徹底しているわけではない。

親の考え方次第なのだ。

   

たとえば、デイケアセンターで発作を起こしたりすると、ケアしている人達が驚くだけではなく、事故が起こる可能性さえあるわけだ。

慣れないスタッフは怖がるようになるのは当然のこと。

      

というような事情で、我々の目からは、薬で止められるのに、何故放っておくのだろう・・という症状の障害者が、デイケアセンターでも、かなりの割合を占めている。

だからといって、直接余計な口出しなどできない。

おまけにこうした問題に対してのカウンセリングの制度もないため、薬で症状を抑えるという選択肢を、親が持ち合わせていない場合、かなり悲惨な状態になるのは、推して知るべし。

     

こうした部分が放置され、日々そうした状態が続くとどうなるか?

ケアする側のスタッフによる、いじめや暴力、ハラスメントを誘発する要因になっているのではないだろうか。

いくら仕事とはいえ、余りにも目の余る言動の障害者を敬遠したくなるのは、ケアする側も生身の人間である以上仕方のないことだ。

だからといって、いじめや暴力、ハラスメントは仕方ないと容認しているわけではないのだが・・

    

政府による、障害者や要介護予算が、削減される方向へ向かっている昨今、介護という分野は、すでに見合った報酬が得られない仕事となってしまっている。

   

   

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