トレード用のPCについて(2018年:デスクトップPC その1)

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 トレード用のPCについて、デスクトップPCなら編です。性能面でいうとCPUはIntel Coire i3/i5/i7であれば不足になるということはほとんどありません。ただ今はちょっとだけ時期がよくありません。

 というのもIntelは昨秋に第8世代Core i シリーズ(Coffee-S Lake)の出荷を始めています。しかし市場のメーカー製PCは未だ第7世代Core i シリーズ(Kaby Lake)が多いです。おそらく春先に切り替わっていくのでしょう。この2者で何が違うかというと第8世代でCPUのコア数が増量され、5割増しとなりました。体感できる性能向上という面ではビデオエンコード等でない限り少ないと思われますが、USB 3.0のディスプレイアダプタを活用したい等となるとCPU性能に余裕が生まれたほうがよいです。それぞれのシリーズでどうなったかというと、

グレード第7世代Kaby Lake第8世代Coffee-S Lake
Core i7 4コア/8スレッド 6コア/12スレッド
Core i5 4コア/4スレッド 6コア/6スレッド
Core i3 2コア/4スレッド 4コア/4スレッド

といった感じで、これはAMDが昨年RyzenというCPUを発表し上位グレードは8コア/16スレッドとなったものだから、Intelは対抗上増量したわけです。もう少し経つと性能向上が目に見えているのに前世代しか製品がないというのは、冒頭のちょっとだけ時期がよくないと言わざるおえません。自分で組み立てるという方であれば悩むことなくCoffee-S LakeあるいはRyzenを購入するだろうし、こんな記事を参考にすることも無いですね。もちろん第8世代Core i で出荷している機種もあるのですが、それらはどちらかというと性能を重視するものが多いようです(デルでいえばXPSなど)。

 

ということで、本稿ではメーカー製PCのCPUが第7世代 Core i シリーズを前提にします。だからタイトルに2018年と書いてあっても実質は2017年時点の内容となります。

 

 まずはメーカー各社のスモールフォームファクター(SFF)の状況を確認してみましょう。ここで個人向けのものだけです。法人向けだとまた事情が変わります。

  • NEC
    公式サイトによるとデスクトップタイプは、オールインワンとデスクトップ(コンパクトタワー)の2種類があり、店頭にはオールインワンのみで、デスクトップはWeb直販のみです。
    グラフィックスはCPU内蔵(iGPU)とオプションでNVIDIA Gefore GT730を選択でき、共にDisplayPortで2台接続できます。DisplayPortはMst/Slvの機能で増設できるのでおそらく3台は接続できると思います(Mst/Slvを持つディスプレイを使用するか、DP用のハブで分岐したとき)。
    ちなみにCPUにCore i5を選択してクーポン適用すると(価格は2月3日時点)、
    Core i5-7500、メモリ8GB、HDD 500GB、内蔵GPUに34%割引クーポン適用で、税込10万ほど
    Core i5-7500、メモリ8GB、SSD 256GB/HDD 1TB、内蔵GPUに34%割引クーポン適用で、税込11.5万ほど
    選択できるグラフィックスのオプションはエントリークラスのものなのでCPU内蔵よりは速いが、1920x1200ドットを2枚であればCPU内蔵で十分のように思います。WQHD(2560x1440ドット)を2枚だとオプションのGefore GT730のほうがよいかもしれません。
  • 富士通
    公式サイトによると、NECと同様いわゆるデスクトップ(分離型デスクトップと呼称)は、Web直販のみです。筐体の大きさによりWD1/B2とWD2/B2があります。
    グラフィックスはWD1/B2だと内蔵GPUのみというより拡張スロットがありません。端子はWD1/WD2ともにDisplayPort 1台とDVI 1台(シングルリンク) 、WD2/B2だと拡張スロットがありNVIDIA QuadroあるいはGeforce GTX1050を選択できます。
    CPUはWD1/B2でCore i5を選択できません。
    WD2/B2はUSB3.1 Gen2 Type-Cを選択できるのでディスプレイを拡張するにはよい選択になるかもしれません。
    試しにそれぞれで選択してみると(価格は2月3日時点)、
    WD1/B2 Core i7-7700T、メモリ8GB、HDD 500GB、内蔵GPUに15%割引クーポン適用で、税込10.5万ほど
    WD2/B2 Core i7-7700、メモリ8GB、HDD 500GB、内蔵GPU、USB 3.1 Gen2に18%割引クーポン適用で、税込11.7万ほど
    SSDはNECがPCIe接続であるのとは違いSATA接続のようです。
  • Lenovo
    公式サイトによると、IBM時代のブランドを繋いだTHINKCENTREとLenovo以後のIDEACENTREがあります。
    NEC/富士通と同程度の構成を前提にしてみます。
    THINKCENTRE M710S : 内蔵GPUの場合、VGAとDisplayPortが2系統、とNECと同じ。そういえばNEC/Lenovoは筐体デザインだけ異なるPCを販売しているようですね。各部画像を比べるとPS/2コネクタの位置だけ異なるという器用な違いがあります。
    Core i5-7500、メモリ8GB、HDD 500GB、内蔵GPUに特別割引で、税込8.9万ほど。こちらのほうが1万安いような。ちなみにグラフィックスをNVIDIA Geforce GT730にカスタマイズ出来ますが、DisplayPort 2系統なので性能差だけですね。
    Ideacentre 510S : 仕様はTHINKCENTRE M710Sの下位バージョンという感じで、ディスプレイの端子がVGAとHDMI 各1となっています。ディスプレイ複数台の為には、USB 3.0 ディスプレイアダプタか、拡張スロットでなんとかするしかなさそうです。それと構成変更が出来ないので用意されているモデルから選ぶしかありません。
    Core i5-7400、メモリ8GB、HDD 1TB、内蔵GPUにeクーポン適用で、税込5.7万ほど。CPUは1ランク落ちるのでCore i7-7700に変えると8.1万ほどと安い。THINKCENTREが出張修理に対して、Ideacentreはセンドバック修理なので割り切った上で選ぶべきでしょうね。グラフィックスの面倒の無さを考えるならTHINKCENTREを選ぶかな。
  • Dell
    最後になってしまいました。他と構成を並べるとするとNew InspironスモールデスクトップであるInspiron 3268が対抗になると思います。
    その構成ですが、Ideacentre 510Sとさほど変わりません。つまりディスプレイの端子構成がVGAとHDMI 各1です。構成変更の幅も小さいです。
    即納モデル Core i5-7400、メモリ8GB、HDD 1TB、内蔵GPUに15%割引適用で、税込6.1万ほど。これは修理がセンドバックですが出張修理にカスタマイズすることが出来ます。
    筐体をミニタワーにすればもう少しまともな構成を選べたのでしょうけど、他と揃えないと意味が薄れますから。

 さてこれだけ並べて、自分ならどれを選ぶとなると、結構難しいですね。構成変更の自由さと出張修理を選べるTHINKCENTRE M710Sが第1候補ですかね(<デルじゃないじゃん!)。
もう一度カスタマイズし直して、SSDを追加すると、

THINKCENTRE M710S : CPU Core i5-7500、メモリ8GB、SSD 256GB、HDD 1TB、内蔵GPUにeクーポン適用で、11.1万ほど。NECとほとんど変わらないです。中身がほとんど同じですからね。

デルを選ぶなら、ロープロファイルなグラフィックスカードを自前で調達し組み込むことを前提でしょうか。ただそういった作業はとてもという方にはお勧めできなさそうです。もちろんUSB 3.0 ディスプレイアダプタで拡張するというのもありですけどね。

これだけじゃなんなのでミニタワー編も書く予定です。