立て続けに、「PCを買い換えたいのだけど教えていただけませんか?」という質問がありました。
必要条件が明確なら絞れるのですが、DELLの製品群からとりあえず絞ってみたいと思います。
まず最低限デュアルモニター(ディスプレイ2台)がいけるか。もしモニターは買い換えずにPCだけ買い換えるなら、接続コネクターが何になっているかを確認します。
数年前ですとHDMIやDP(Display Port)は一般的でなかったので、DVI(白コネクタ)またはVGA(青コネクタ)のはずです。VGAは推奨できないのでDVIが2系統接続可能なグラフィックスカードをオプションで選択できる製品となるとかなり絞り込まれてしまいます。
候補に挙がるのは、個人向けの Studio XPS 7100 / 8100 / 9100 、Alienware Aurora(その上位は好みで)、法人向けの OptiPlex 980(等)、Precision T1500 / T3500 などですが、OptiPlexで選択できるグラフィックスカードは古い、Precision T1500をあえて選ぶ理由もなさそう。
すると、Studio XPS 7100 / 8100 / 9100 、Alienware Aurora、Precision T3500になります。
(追記:これを書いた時点ではVostro 430でNVIDIA GeForce GTS240がDVIx2に対応できることを見落としていました。)
このなかでモニターを4台接続するとなると、Precision T3500がグラフィックスカードの2枚挿しを選択できます。Alienware AuroraもCrossFireXでRadeon HD5770を2枚あるいはHD5870を2枚にしCrossFireXを解除すればDVIが4本接続できます。
Studio XPS 7100 / 8100 / 9100 で、Radeon HD5770あるいはRadeon HD5870だとEyefinityという機能でモニターを3台接続可能ですが、1台は必ずDP(Display Port)でなければなりません。もし手持ちあるいは購入するモニターにDPが無ければDVIに変換して接続という話になるのですが、実は一筋縄ではいきません。ショップで売っている2千円くらいのDP-DVI変換アダプタはグラフィックスカードからはDVIで見えてしまうからです。正しいDP-DVI変換アダプタは1万から2万円くらいなのでグラフィックスカードをもう1枚買えてしまいます。
しかし、グラフィックスカードを2枚挿し(PCIe x16)できる製品は、上述の中ではAlienware Aurora、Precision T3500のみで、2枚挿しのオプションが存在します。
実はオプションスロットのPCIe x1を活用できるグラフィックスカードもあるのですが、種類が少なく、メインのグラフィックスカードと整合するものにすべきです。(それに自分で増設する話はここでは無しということで)
結論ですが、DVIを2系統接続するなら、Studio XPS 7100 / 8100 / 9100 、4系統ならAlienware Aurora、Precision T3500 となります。
DVIじゃなくてHDMIでよいなら他にも製品がありますしHDMI-DVI変換というのあります。Eyefinityで3系統についてはDELLでサポートしないので、よくお調べくださいとしか言えません。またUSB接続のディスプレイアダプタはここでは取り上げません。
次にOSですが、いずれもWindows 7 Professional 64bit版をサポートしているので、32bit版を必要としない限りは64bit版でよいと思います。64bit版の場合メモリは4GBから8GB(これ以上を推奨)実装したほうがよいです。Home PremiumやUltimateを選択しない理由はOSサポート期限が2015年1月までと短いことです。Windows 8が出たら切り替えるよという方は除外しておきます。
なおキャプチャソフトでCapture It Proを使用している方もいるかと思いますが、これがWindows 7 64bitをサポートしていません。動くこともあるのでグラフィックスカードによって状況が異なるのかもしれません。
HDDですが、ディスク容量の心配はもはや存在しないといってもよいと思います。ただOSパーティションを40GBとか60GBに設定するというオプションは少し小さいのではないかと思うのですけどね。しかし選択しないと1パーティションのままなので、60GBを選んでWindows7の機能で拡大したほうがよいかもしれません。というのは個人向け製品ではOSメディアが付属しないので、パーティションサイズを選択してOSをクリーンインストールすることが出来なくなっているからです(OSメディア自体は有償で入手可能らしいですが)。
HDDを2台以上欲しい場合は、上述の製品では選択は可能です。
個人向け製品を購入する上で気になるサポートです。法人向けはすでに国内サポートが始まって長いのですが、個人向けの電話サポートなどは中国で行われています。つい最近XPSとAlienwareシリーズは国内サポートが始まりましたので、電話サポートが・・・という心配は少なくなりました。あとはオンサイトサポートと保守期間をしっかりしておけば大丈夫かと思います。
CPUを端折ってしまいました。これから購入するなら4コアを選びたいと思います。Studio XPS 7100以外のCPUはIntelなので、Core i5-750あるいはCore i7を選択します。Studio XPS 7100のCPUはAMDですがPhenomII X4/X6なので4コア以上です。
さて、私ならどれを買うか?ですが条件に合う構成のパーツを購入してきて組み立てるですかね。話をひっくり返してしまいましたが...... グラフィックスカード2枚挿しも簡単だし、オンボードグラフィックスとの共存も選択できるので。
ただ同程度の構成だとメーカー製のほうが安いです。組み立て検査もされています。
どちらにしても5万円のPCという話はここでは除外です。オプションを積み上げると10万から15万円くらいになると思います。パーツを購入する場合でも条件を付けて積み上げると15万円くらいにはなります。ご自分の譲れない条件を設定して構成を選ぶのが良いかと思います。
モニターが抜けていますか?それは後日に。
高森 優樹
本当に参考になります。
ありがとうございます。