二つの始値

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受講者掲示板で日足の始値が突然変化するという投稿がきっかけで、CQGの日足の始値とnasdaq.comが公表するHistoricalな始値が違うということに気が付き、CQGカスタマーサポートへなぜ違うのか質問してみた。

その結論は、驚くことにNASDAQの始値には二つの値が存在しているということだった。そんなことは知っているという方もいらっしゃるだろう。

"NASDAQ Official Open Price" と "Date of the NASDAQ Official Open Price" という二つの値をNASDAQのWebサイトへ行くと見ることができる。

http://www.nasdaq.com/reference/glossary.stm#NOOP

そして、Summary Quoteをチェックしてみると、二つのPriceが併記されている。同じように "Official Close Price" というのも存在する。

以下はYahoo! Finance の例だが、やはりSummaryとHistorical では、Open Priceが違っている。

0318AMZNSummary.gif 

0318AMZNHistrical.gif

1分足のようなイントラデイチャートをチェックしてみると、始値は "NASDAQ Official Open Price"にほぼ近い。ほぼというのは、この値は実際の取り引きでは無いようなのだ。

もっとも、"Date of the NASDAQ Official Open Price" も実際の取り引きとは異なる値のようなのだが。

Webで一般に Historical として公表されている株価は、"Date of the NASDAQ Official Open Price" が採用されているようだ。TradeStreamは比較する限りこの値のようだ。(マーケットの途中で変化するという声があるので途中で始値に対する参照値を替えているのかもしれない。)

CQGの日足は "NASDAQ Official Open Price" に基づいているという回答がCQGカスタマーサポートからあった。(CQGを一般価格で契約している人は、Time&Salesをチェックすると 開始直前の29分にデータがあることに気が付くだろう。これが "NASDAQ Official Open Price" だ。)

ややこしいところでは、Reuters のWebは "Date of the NASDAQ Official Open Price" が採用されているようなのだが、Reuters からデータ配信を受けている楽天証券MarketSpeedの時系列情報は、"NASDAQ Official Open Price" が採用されているようだ。
(つまりそれぞれで一致するということで、各会社に確認を取ったわけではない。)

CQGカスタマーサポートの云うことには、ほとんどの二次データベンダーは、"NASDAQ Official Open Price" にアクセスしていない(できない?保存していない?契約?)ので、日足は "Date of the NASDAQ Official Open Price" が採用されているのでは? ということだった。

デイリーハイローバンド・ギャッププレイにとってみれば結構迷惑な話しで、ギャップアップだと思ってロングしたら、日足を後でチェックし直したらギャップダウンだったということが起きうる。

この話しを馬渕さんと話したら、いかにもアメリカだなというレスポンスだった。そして、「日足のプレイとはいえエントリーするときにはイントラデイのチャートもチェックするけどね」という、もっともな意見だった。

日本株の常識からすると、4本値が違うというのはありえないことなのだけど、さすがアメリカだなという感想だ。