Tokyo Walk
紫仙庵
所用で目黒まで行く用事があったので、たまたまネットで見つけたこの紫仙庵という蕎麦屋さんへ行ってきました。
店に近づくと、たまたま紺地の作務衣を着た、店主と思しき男性がいたので、庭の美しさを告げると、今の時期は虫がたくさん出るので大変なのだという。
庭で立ち話のあと、今日初めての客として入店。
日差しが強く、明暗差が大きかったので、写真はすべて暗部を持ち上げた処理をしている。
靴を脱いで板間の部屋へ上がると、大テーブルが置かれている。
手前の4人がけのテーブル席に座る。
ちょうど正午に振り子時計が12回時を打つ・・
テーブルは2卓だけ。
窓からは自然光が差し込み、うるさいBGMがないのがいい。
漆塗りのお盆などの食器が美しい。
麺は腰がしっかりとあって表面が滑らかで「東風庵」と似たタイプ。
私の好みで言えば、もう少し歯ごたえが柔らかく、粒状感のある方がいい。
どちらかといえば、これだけ腰があるタイプは暖かい「かけそば」が向いていると思う。
お値段は一品900円見当。庭の美しさと、器のこだわりからいえば、順当なところか。
「十割せいろ」は大盛りがないので、量がほしい場合は2枚頼むことになる。
このときは北海道産の蕎麦粉だったが、日によって違うようだ。
早めに訪れ、ご主人との会話を楽しむことができるという、別の意味での楽しみ方もできる店だ。
そば湯は、濃いめでどろどろとした最近はやりのタイプで、その濃厚な風味は東京でもベストの部類に入るだろう。
閑静な住宅地の通りを入ったところにあるので、通りがかりで見つけるのはほとんど不可能だろう。
上の写真では交差点をこのまま直進した右側に位置している。
これがもう少し店に近づいた写真。
開店は一年半ほど前になるという。
時間があるときに、庭の緑で目を休めながら、のんびりと蕎麦を味わう、という贅沢な楽しみ方ができる蕎麦屋さんだ。
手打蕎麦 紫仙庵(しせんあん)
目黒区下目黒6-6-3
03-3712-8555
20070509
Tokyo Walk