Tokyo Walk
蕎麦二味酒 よしむら
電車だと吉祥寺南口(公園口)を出て、井の頭通りを渋谷方面へ10分くらい歩いた前進座劇場の手前にあり、車で行っても、コインパーキングからは少し距離があるという少し不便な場所に位置している。
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蕎麦二味酒(SOBA NI UMAZAKE)
吉祥寺が、昭和のはじめに吉祥寺村と呼ばれていたとき、吉と村を取って名付けたのが店名の由来。
阿佐ヶ谷から昭和のはじめに現在の場所へ移転し、最初は出前の手打ち蕎麦屋だったが、15年ほど前から現在のスタイルになったそうだ。
先代が阿佐ヶ谷で蕎麦屋を始めてからは、店長の金子さんは3代目になるという。
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白壁の店へ一歩入ると、明るすぎない手斧掛けした机が艶っぽく、クラシックとモダンが融合したなかなか落ち着ける空間だ。
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カウンターの前にはずらりと、地酒、地焼酎が並び、上の壁には、達筆で地酒の銘柄名が書かれている。
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店内は、和の中にモダンさが取り入れられた風情で、BGMはボリュームを絞ったジャズが流れている。
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少し気取った大人の雰囲気で、ゆったりとくつろぎながら、20種類以上の日本酒が楽しめる。
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揚げ蕎麦
つまみ類もそろっているので、一杯やってから締めに蕎麦が楽しめるお店だ。
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「とうふ」が一見チーズに見えるという遊び心が楽しい。
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ほうれん草の胡麻和えおしたし
小田原や沼津などから直送される、朝取れたての新鮮な魚や黒豚、地鶏などを使った店主の創作料理は、酒の味を一段と引き立ててくれる。
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軽く絞めた鯖の刺身はとても新鮮。
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黒い漆塗りのせいろに盛られている「吉祥寺」というせいろは、平打ちでほぼ均等の太さで、蕎麦の風味が良くザラついた舌触りとツルツルとした食感のバランスが良い。
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蕎麦がちりばめられた透明感のある白い色の蕎麦で、ところどころに、蕎麦の破片が散りばめられてる。
エッジは鋭くさっぱりしていて、独特のコシと、かみ締めると蕎麦の甘みが感じられるという、癖のない固めの細打ちシコシコ系せいろ。700円。
蕎麦のざらつきと、ツルリとした両方を併せもつコンビネーションが見事だ。
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「開田(かいだ)は細打ちではない、蕎麦粉が入った田舎風。
深い色合いで、「吉祥寺」より太くてしっかりした蕎麦の味が堪能できる。750円。
せいろは全部で三種類で、上の2種類に加え「季節のせいろ 1000円」がある。
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北海道のそばの実を8つに分別し、独自の方法でブレンドするという凝ったことをしている店主のこだわりは、味へ如実に反映されている。
吉祥寺で一番古い蕎麦屋だというが、土日も営業しているのが嬉しい。
蕎麦二味酒 よしむら
武蔵野市吉祥寺南町2-29-8
0422-43-1717
定休日:月曜日
11:30〜15:00
17:00〜22:00
日祝:11:30 - 22:00
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