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鹿乃子(かのこ)・銀座本店
戦前の現在地にあった「鹿島」という和紙店の四男である吉田千蔵氏が昭和21年に創業。
屋号は「鹿島」の子が始めた店という由来で、昭和21年の創業翌年には木造2階建ての店舗を建て、1階に売り場と喫茶が設けられた。
店を代表する銘菓「かのこ」が誕生するのは、世の中が落ち着きを取り戻しつつあった昭和30年頃のことだという。
1階が売り場、2階が喫茶となっている現在の店舗は、平成2年に完成。
喫茶のメニューには20種類のあんみつを始め、お汁粉やぜんざい、夏のかき氷などバリエーション豊富な甘味がずらりと並んでいる。
喫茶で出されている水は、三代目の小川敦弘さんが平成8年に取り入れた逆浸透膜水「鹿乃子の水」。
「鹿乃子の水」は、食材の味や香りを引き出す力があるというが、この店の味を守る重要な要素だ。
NASAが宇宙飛行に使用するものと同様のフィルター装置を通すことによって、不純物質を完全に取り除いた純粋な水でコップ1杯の水を抽出するのに2,3分もかかるという。
ランチ
赤飯と栗と器の色合いが美しい。
美しい盛り付けによって、目でも楽しませてくれる。
素材がうまくあしらわれている。
金粉をあしらった椎茸煮
氷みるくぼーる 1,330円
オリジナルの「かのこ」は、「栗かのこ」、備中大納言を使う「小倉かのこ」、青えん豆の「うぐいすかのこ」、白いんげんの「京かのこ」、虎豆の「しぼりかのこ」、大正金時の「うずらかのこ」の六色(ろくいろ)だ。
口直し
「かのこ」は今は亡き功労者・小川稔氏が「鹿乃子」独自の味を作ろうと、同じ名前の江戸古来の菓子「かのこ」をベースに考え出した。
「鹿乃子」の豆は最上級の素材を使っている。
内側は、求肥の芯をそれぞれの豆にあわせた多彩な餡で包み、サイズは大粒の「花かのこ」と一口サイズの「姫かのこ」がある。
一粒一粒がぷっくりと美しい形を保ち、皮は柔らかくほっくりとした口当たりが見事だが、その秘密は昔ながらの製法にある。
圧力釜などは使わず、職人が自らの目や指で炊き具合を確かめながら仕上げるという。
「かのこ」は、化粧箱に入ったものや、日持ちのする密封パック入りなど、用途にあわせて選ぶことができる。
砂糖を加えず「鹿乃子の水」だけで炊き上げた「ゆでたてあずき」(1,030円)は、数時間しかもたないという限定品。
蜜をかけていただくと、あずき本来の味わいとほのかな甘みを堪能することができる。
鹿乃子・銀座本店 地図
中央区銀座5−7−19
03-3572-0013
営業時間:1階売店、平日9時30分〜21時45分
(日曜・祝日は〜20時45分)
2階喫茶:平日11時30分〜21時30分ラストオーダー
(日曜・祝日〜20時45分)
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