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やげん堀 (七味唐辛子)(浅草)
1625(寛永2)年というから約370年前の創業。
七味唐辛子の成分は、赤唐辛子(あかとうがらし)・陳皮(ちんぴ)・「山椒(さんしょう)・胡麻(ごま)・芥子(けし)の実・麻(あさ)の実・青紫蘇(あおじそ)・生姜(しょうが)・青海苔(あおのり)の9種類。
9種類でも「七味」とは?という素朴な疑問が生じたが、「七味」の読み方は、正式には「なないろ」なのだという。
全国的に有名な薬味屋は以下のように三軒ある。
東京・浅草寺門前の「中島屋(やげん堀)」
長野・善光寺の門前にある「八幡屋」
京都清水寺の門前にある「七味家」
この中でも東京の薬研堀(やげんぼり)は、七味唐辛子の元祖ともいえる店だ。
新仲見世通を入った右側にある。
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向かいは、薬の福太郎。
「八幡屋磯五郎」の七味唐辛子で使われている薬味は7種類。
赤唐辛子・生姜・陳皮・山椒・黒胡麻・青紫蘇・麻の実
「七味家」で使われている薬味も7種類。
赤唐辛子・山椒・白胡麻・黒胡麻・青紫蘇・青海苔・麻の実の七種。
「やげん堀七味唐辛子本舗」では昔から変わらず、生唐辛子、焙煎(ばいせん)唐辛子、黒ゴマ、陳皮(ミカンの皮)、サンショウ、ケシの実、麻の実の七味をブレンドしているという。
七味にはそれぞれに薬効があり。
唐辛子:寒ければ発熱、暑ければ発汗と食欲増進。
ゴマ:滋養強壮。
陳皮:せき止め
サンショウ:健胃や整腸と、解毒作用。
ケシと麻の実:精神安定。
に効果があるという。
こうした成分の多くは風邪にとてもよく効く漢方薬として使われていたため、江戸時代の庶民にとっては七味唐辛子をかけた熱い蕎麦は風邪の予防食としても、人気があったようだ。
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七味唐辛子は、関東と関西では微妙にブレンドが異なる。
その理由だが、江戸時代、関東では「ソバ」、関西では「うどん」が人気だったため、その「つゆ」にあわせて、七味唐辛子の味が微妙に変化してきたのだと考えられている。
「蕎麦つゆ」は基本的に濃い口の醤油味。
「うどんつゆ」は薄口の醤油味で昆布やかつおの風味を大切にするため、西に向かうほど辛みより香りが重視される傾向にあるという。
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このようにいろいろな容器も取り揃えられている
七味唐辛子の辛み成分で、また主役であるトウガラシは、中央アメリカ・南アメリカ及び西インド諸島が原産地。
すでにおよそ9000年前から栽培され、中南米のインディオ達は「アヒ」と呼び、下痢などを治療するト薬として使用していたようだ。
世界の三大スパイスといわれる「ペパー(胡椒)」・「シナモン(桂皮)」・「クローブ(丁子)」と肩を並べるほど世界中で広く使われているが、トウガラシ(チリ)を世界中に広めた人物は、かの有名なクリストファー・コロンブス。
コロンブスは新大陸を発見した1493年に、コーカサスのペパー(胡椒)よりももっと辛く、種類も色彩も豊富なトウガラシ(チリ)を偶然発見。
スペインに持ち帰り、50年後の16世紀中頃には日本へ渡来することになったという。
トウガラシに含まれている辛味成分は、カプサイシンという化学物質。
カプサイシンにはアドレナリン分泌促進作用があり、油分(脂肪)を身体の中で燃焼させ脂肪組織重量、血清トリグリセリド(血液中の中性脂肪)を低下させることが科学的にも実証されている。
七味唐辛子の最も古い歴史を持つ「やげん堀辛子本舗」のものは、「生の赤唐辛子」、「煎った赤唐辛子」、「粉山椒(こなさんしょう)」、「黒胡麻」、「芥子の実」、「麻の実」、「陳皮」の七種類の薬味が入っている。
9種類のうちの「生姜」、「青海苔」、「青紫蘇(あおじそ)」の3種類が入っていない。
厳密にいえば「生の赤唐辛子」と「煎った赤唐辛子」の二つの唐辛子が入っているため、種類は6種類となる。
このように薬味は6種類でも9種類でも「七味唐辛子」と言ばれているが、この「七」は薬味の数ではなく、京都清水寺の門前にある「七味家」の屋号を食品メーカーも含む全国の薬味屋が使用しているからだという。
「余り辛くないもの」と「中辛」「大辛」の3種類があり、「中辛」が一番よく売れるという。
やげん堀では、頼めば、好みの香りや辛さに調合してくれる。
味にこだわる、うどん屋や蕎麦屋は、独自のブレンドをオーダーして使用しているところが多いようだ。
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七味唐辛子は、日本の食文化が生んだ独自の「混合スパイス」といっていいだろう。
七味唐辛子はそもそも「漢方薬を食に利用できないか」という発想で生まれたものだという。
やげん堀の七味唐辛子は、薬味を食べるためにうどんや蕎麦があるのかもしれない、と思わせるうまさがある。
ここに「うどん」についての詳細な薀蓄あり。(七味唐辛子についてはここからかなり引用させていただきました)(笑)
やげん堀
東京都台東区浅草1-28-3
浅草店 03-3841-5690
本社 03-3626-7716 (問合せ・注文)
営業時間 浅草店 10:00〜19:00 本社 9:30〜17:30
浅草店 年中無休
本社 日・祝
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河村屋
やげん堀のはす向かいにある河村屋
江戸時代後期の文化文政期(1804〜1831)に、初代八郎衛門によって創業。
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八郎衛門は、当時大変名声のあった養老の滝という酒の特約店をするかたわら、そのお酒の酒粕を利用し、漬物を造り、販売をしたと伝えられている。
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2003年11月上旬時点
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