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Tuesday February 28, 2006

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税金のプロが犯した税金のミス

まだ1カ月以上残っているが、そろそろ税金の確定申告が気になる頃だ。たとえ給料以外の収入が無い人でも、所得税申告書に、間違い無く書き込むのは骨が折れる。住宅ローンの利子、教会などの団体への寄付、それに医療費やベビーシッターに払った金などは所得から控除できるから、やはり専門家からのアドバイスが欲しくなる。そんな要望にこたえてくれるのが、H&Rブロックだ。 スーパーマーケットの隣、ショッピングセンターの中、そんな人通りの多い場所にH&Rブロックは事務所を構える。個人納税者にアドバイス、申告書の作成、そして書類の提出までやってくれるから利用者の数は多い。 金曜(24日)、ニューヨーク証券取引所に上場されるH&Rブロックは、8.65%の大幅下落になった。報道によれば、H&Rブロックは2004年度と、2005年度の決算報告書をやり直さなくてはいけない。何故か?報告書...

Monday February 27, 2006

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ポール・マッカートニーとミューチュアルファンド

「ミューチュアルファンドは馬ではありません」、と投資者に警告するのは、経済コラムニストのチャック・ジャフィー氏だ。ナスダックとニューヨーク証券取引所に上場されている個別銘柄数は6500以上あるが、ミューチュアルファンドの数も、それに負けない。証券マン=ファンドセールスマンの今日この頃だから、長期投資の主流はミューチュアルファンド、と言っても言い過ぎではない。 ジャフィー氏が指摘するのは、あまりにもつまらない情報を基に、米国投資者はミューチュアルファンドを選んでいることだ。もっと説明してもらおう。 「結論を先に言っておきましょう。大切なことは、ピッチャーの投げるボールだけに集中することです。皆さんは、ツール・ド・フランスで7回優勝した、ランス・アームストロング選手の名前を聞いたことがあると思います。アメリカン・センチュリー・インベストメントは、アームストロング選手と...

Saturday February 25, 2006

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高い授業料

トム・ディロンさん(19才)には、既に5万2000ドル(608万4000円)の借金がある。そしてこの金額は、最終的に15万ドル(1755万円)を超えることになるらしい。ディロンさんは、コネチカット大学薬学部に通う学生だが、15万ドルは、大学と大学院授業料のために借りる学生ローンの総額だ。 1月31日、連銀は14回連続の短期金利引き上げを実施した。2004年の6月から金利上昇が続いているわけだが、これは学生ローンにも影響を及ぼしている。連邦政府が出資する学生ローン金利は、7月1日、6.8%に引き上げられる。その結果、利率はここ5年間で最高のレベルに達する。これで学生は、高い授業料に閉口するだけでなく、金利の返済にも悩まされるわけだ。 高額な学生ローンの借金は、大学卒業後の社会生活に、様々な弊害を起こす原因になる。例を挙げれば、学生ローンの返済を優先させるため、老後の...

Friday February 24, 2006

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ビジネスプレゼンテーションを成功させる10の条件

ビジネスマン、キャリアウーマンなら会議でレポートを発表しなければならない時がある。同僚や上司を前にして、説得力のある力強い発表をしたい、と思うのは誰でも同じだ。しかし、ビジネス・コミュニケーションのコーチとして知られるカーマイン・ガロ氏によれば、たとえどんなに内容が素晴らしくても、10の悪い癖のおかげで、プレゼンテーションは台無しになってしまう。さっそく、10の悪い癖を紹介しよう。 1、ノートやメモを読むだけの発表 出席者と効果的なコミュニケーションをするには、持参したノートを単に読み上げるようなプレゼンテーションをしてはいけない。時々メモに目を落とすのは問題ない。だが、一字一句全て朗読してしまっては、聞き手を退屈させるだけだ。プレゼンテーションの名人、スティーブ・ジョブズ氏(アップル・コンピュータ最高経営責任者)は、メモが無くても発表できるように、長時間かけてプ...

Thursday February 23, 2006

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米国投資者を狙う10の罠

2006年、アメリカの投資者には、どんな罠が待ち受けているのだろうか。北米証券業管理職協会が発表した、10のよく使われる手口を紹介しよう。 1、親近感を利用したセールス 同じ大学を卒業した。同じ教会に出席している。子どもが同じ小学校に通っている。様々な理由を使って、セールスマンは投資者に接近する。例えば、1995年にABC大学を卒業された皆さんに限り、1年目の保険料20%割引で生命保険に加入できる、といったものだ。こんな場合は、次の質問に答えてほしい。もし、母校の名前が記されていなくても、この生命保険に加入するだろうか? 2、頻繁すぎる売買回数 証券会社に口座を100%任せると、こんなことが起きやすい。手数料稼ぎのために、必要以上の売買がされるわけだが、おかしい、と思ったら直ぐ証券会社に問い合わせることだ。担当者だけでなく、上司にも状況を説明するこ...

Wednesday February 22, 2006

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裸で空売り

米国株の空売りが、最近やりにくくなった、と言うトレーダーの声が増えている。たしかに、アップティックルールという規制があるから、株価が下落している時には空売りができない。逆に株価が上昇している時には、買い制約など無いから、アップティックルールは評判が悪い。 しかし今回、空売りがスムースにいかないのは、アップティックルールが原因ではない。問題はnaked (裸)shorting(空売り)だ。順を追って説明しよう。 チャートソフトウェアで有名なだけでなく、デイトレーダーに人気の、トレードステーション証券に全米証券業者協会(NASD)から「空売りルール違反」の通達があった。取調べの対象になったのは2004年度に起きた、約200件におよぶ不法な空売りだ。その結果、トレードステーション証券には罰金が科されるようだが、金額などの詳しい内容は、まだ全米証券業者協会から発表されてい...

Tuesday February 21, 2006

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少し違った商品市場への参加方法

相場師「森玄」が登場する「赤いダイヤ」は、小豆をテーマにした梶山季之氏の人気小説だ。壮烈な仕手戦物語を読むのは楽しいが、商品市場には暗い話が多い。単に財産を失っただけでなく、自殺してしまった人たちもいる。おかげで、商品市場はギャンブルよりも始末が悪い、というイメージが中々消えない。 こんな事実がある。2005年、米国株式市場の尺度になるS&P500指数は4.9%の上昇だった。しかし、大豆は+12.1%、砂糖+22.1%、それに退屈な綿でさえ5%の伸びを記録した。株よりも成績が良いなら、商品市場へのうまい参加方法はないものだろうか?そんな質問をする、株投資者たちが最近増えている。 好調な商品市場の一因は、世界経済の急伸だが、特に中国の成長が際立っている。2005年度、アメリカのGDP(国内総生産)は+3.5%だったが、中国はほぼ10%増の+9.9%だ。これだけの急成...

Monday February 20, 2006

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人気上昇中、天候先物市場

先ず天気予想。月曜のニューヨークは晴れ時々曇り。最高気温は37度、そして最低気温は28度だ。まるで真夏のような温度だが、アメリカは華氏だから、摂氏に直すと最高は2度、そして最低はマイナス2度になる。これで寒さを感じていただけるだろう。 昔の子どもたちは、ゲタを蹴り上げて天気を占った。首尾よく歯を下に着地なら晴れ。ひっくり返って、歯が上になってしまったら雨だ。天気に興味があるのは、子どもだけではない。大人だって、高価なレーダーや人工衛星を使って、正しい予測に力を入れている。 天気予報を単に聞き流すだけでなく、これを使って儲けることができないだろうか?意外と知られていないのが、天候相場の存在だ。ギャンブルのような話かもしれないが、1999年以来、シカゴ・マーカンタイル取引所では、天候をベースにした先物が取引されている。2000年には、たった87枚(コントラクト)しか出...

Saturday February 18, 2006

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ここから3月27日までが面白くなりそうなマーケット

連銀はあと何回金利を引き上げるつもりなのか?議会で証言するバーナンキ氏(連邦準備理事会議長)に向けられた、率直な質問だ。「あと2回で終了です」、とは言わなかったが、バーナンキ氏はこう回答した。「短期金利に関しては、二つの間違いが起きる可能性があります。一つは上げ過ぎてしまうこと、もう一つは中途半端な上げで止めてしまうことです。」 ケンタッキー選出の、ジム・バニング上院議員が指摘したことだが、長期にわたる行き過ぎな金利引き上げで、連銀は米国を不景気にしてしまったことが何度かある。だから今回も同様な悪結果になるのでは、とバーナンキ氏に疑問を投げた。「実は、私も同じ心配をしているのです」、と言ってくれたら面白かったが、実際は全面的に前議長グリーンスパン氏の方針を肯定して、更なる利上げが必要であることを示唆した。 ほとんどのアナリストやエコノミストは、3月27、28日の連...

Friday February 17, 2006

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現金より貴重な個人情報

個人情報泥棒、という言葉がよく聞かれるようになった。他人の個人情報を利用して、その人になりすまして貯金を下ろしたり、商品を購入する犯罪だ。以前は、ハンドバッグの中に入っているクレジットカードや運転免許証が狙われたが、インターネットが普及した今日、わざわざ実物品を盗む必要がなくなった。 モンスター・ドット・コムは、アメリカで最大のオンライン求人サイトだ。一々各会社に履歴書を郵送しなくても、ここを使えば手軽に複数の会社に履歴書が送れる。ABCニュースの報道によれば、現在モンスター・ドット・コムのデータベースには5千万以上の履歴書があり、この数は毎日5万以上の割合で増えているという。 履歴書には名前、住所、それに電話番号が記入されている。だから、必然的に個人情報泥棒たちは、オンライン求人サイトに目をつける。 ワールド・プライバシー・フォーラムの創始者、パム・ディクソン氏...

Thursday February 16, 2006

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巨額な現金は悪材料!?

もう急成長は望めない、といった収益懸念。それにヤフーやマイクロソフトの巻き返しなどを主な理由にして、グーグル叩きが流行っている。「ここまで大きく下げた後、グーグルの悪口を言うのは不公平かもしれません。私自身、グーグルに関しては間違った見方をしていた一人です。なにしろ、グーグルの新規公開株を避けるように勧めていたのですから」、と語るのはハルバート・ダイジェストのマーク・ハルバート氏だ。 既に多くの意見が発表されているが、ハルバート氏は、もう一つグーグルには注目することがあると言う。さっそく説明を聞いてみよう。「ほとんど話題にならないことですが、グーグルは80億ドル以上の現金を持っています。それは良い事だ、と皆さん言われますが、これだけ多額な資金があれば、グーグルは積極的な買収などで、収益を更に向上させることができます。ようするに、膨大な現金はグーグルの大きな武器になるはずで...

Wednesday February 15, 2006

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アメリカ人が犯しやすいお金の過ち

「お金を貯めるためには、つまらないミスを避けることが大切です」、とパーソナル・ファイナンスの専門家、スージー・オマーン氏は言う。「今年、投資をする計画が無くても、これから挙げる事項を守って、経済的なヘマを犯さないようにしてください。」 1、クレジットカードの借金を返済するために、自宅を担保にして金を借りないこと。 これは最悪の場合、自宅を失う結果になる可能性がある。クレジットカードは物件などを担保にして金を借りるわけではないから、金融機関は借り主に強制的に何かを売らせて、借金を取りたてることができない。しかし自宅を担保にして金を借りてしまうと、状況は一変してしまう。毎月きちんとローンの返済をしていれば問題は無いが、もし返済が大幅に遅れると、金融機関に家を取り上げられてしまう。 2、自分の401K(確定拠出型年金)から金を借りないこと。 401Kには...

Tuesday February 14, 2006

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トウモロコシは次世代のエネルギー?

「トウモロコシの先物は爆発的な上昇になる可能性があります」、とCKフューチャーズのクリス・クラフト氏は言う。一般教書演説でブッシュ大統領が約束したように、米政府は代替エネルギー開発予算を22%増やす。そこで注目されるのが、クラフト氏が強気のトウモロコシだ。 食用以外の使い道として、トウモロコシからガソリンに替わる、エタノールを造ることができる。製粉化されたトウモロコシは水と混ぜられ、発酵プロセスへと進んで行く。発酵されたトウモロコシは度重なる加熱工程を経て、最終的に純度99.5%のエタノールに姿を変える。 面白そうだ。ひょっとしたらクラフト氏の見方どおり、トウモロコシは大幅上昇になるかもしれない。しかし、アメリカン・エンタープライズ・インスティチュートのケビン・ハセット氏は、こんなことを語る。「コーネル大学とカリフォルニア州立大学バークレー校の研究によると、トウモ...

Monday February 13, 2006

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利回りは米国経済を予測する?

4.68%、4.58%、そして4.55%。どれが30年物国債利回りだろうか?正解は、一番低い4.55%が30年物、4.58%が10年物、そして最も高い4.68%が2年物国債利回りだ。普通なら、長期な物ほど利回りが高くなるから、現在のアメリカ国債市場には、逆イールド現象が起きているわけだ。 利回りの逆転現象は、不景気の前ぶれになる、と一般的に言われる。短期金利で金を借りて、長期金利で消費者に金を貸す銀行には、明らかに逆イールド現象は悪影響だ。しかし、ジョン・スノー氏(財務長官)、それに連銀を去ったばかりのグリーンスパン氏によれば、逆イールド現象は悪化する米国経済を示すものではなく、海外からの旺盛な投資結果だ、ということになる。 新連邦準備理事議長、バーナンキ氏も、海外からの膨大な余剰資金が、いまだかつて無い勢いでアメリカ国債市場に流入している、と同様な見解だ。 ...

Saturday February 11, 2006

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マイクロソフトを投資対象から外せ!?

1999年12月31日、マイクロソフトは52ドル53セントで取引を終了した。2001年4月30日の終値は30ドル48セント、そして現在26ドル台で推移している。「もうマイクロソフトはダメなのでしょうか?」、とそんな質問をする投資者が増えている。たしかに、2005年度のグーグルやアップル・コンピュータの急成長を見たら、心配になっても仕方ないだろう。 投資アドバイスコラムで知られるマット・クランツ氏は、こんなことを述べている。「2001年3月以来、マイクロソフトは比較的に高額な配当金を払い続けてきました。それに、2003年2月には1株が2株に分割されています。単に株価だけでなく配当金も考慮すると、マイクロソフトは2001年から2%伸びたことになります。」 5年間で2%。これではどんなに気の長い人でも悲観的になってしまう。やはり、マイクロソフトは見込みがないのだろうか?...

Friday February 10, 2006

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引退しても影響力抜群のグリーンスパン氏

1月31日を最後に、連銀を去ったグリーンスパン氏が、早くも話題になっている。火曜日の夜、リーマン・ブラザーズは著名な投資家たちを集めて、マンハッタンで内密な会議を開いた。そこにグリーンスパン氏は、来賓講演者として招待されていた。 報道によれば、グリーンスパン氏は米国住宅市場に関しては悲観的だが、全般的にはアメリカ経済について強気な見方をしている。更に氏は、ウォールストリート関係者が予想している以上に、連銀は金利引き上げを継続する可能性があることを語ったようだ。 ブルームバーグからは、次のようなグリーンスパン氏の言葉が発表されている。「執拗に低い長期金利が、連銀の経済対策を妨げている。長期国債利回りが不動産ローンの金利、そして住宅ローン借り換え金利を決定するが、現在の利率はまだ低レベルであり、相変わらず住宅ローンの借り換えが続いている。」 こんなニュースを聞...

Thursday February 9, 2006

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没収された品物はどこへ行く?

世界貿易センターが襲われた2001年9月11日を境に、空港での持ち物検査が厳しくなった。塵も積もれば山となる、の言葉どおり、今日までアメリカの国際空港で没収された物品は膨大な量になる。腐る物や、危険な薬品類は直ぐ処分されることになるが、ハサミ、ライター、ポケットナイフなどには価値があるから、捨ててしまうのはもったいない。かと言って全て保管したのでは、いくら場所があっても足りない。当然な成り行きとして、没収品は売られることになる。 実際に販売を担当するのは州政府だ。ペンシルバニア州で没収品販売の責任者を務める、ケネス・ヘス氏はこう語っている。「売れ残る物は一つもありません。去年の12月には、1万7000ドル以上の売上がありました。それに、毎月5000ポンド(2265キロ)近い品物をイーベイでも販売しています。」なんと、オンラインオークションのイーベイが利用されていたわけだ。...

Wednesday February 8, 2006

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私有化の利点

喧嘩しないで、お兄ちゃんと仲良く分けなさい!皆さんも子どもの頃、母親からそんな注意をされたことがあると思う。一つしかない物を自分だけで独占しないで、他の人と共有し、わかち合うことの大切さを、子どもに教えようとしているわけだ。 共有、わかち合う、道徳的な観念だが、今日のアメリカ社会を見ると、共有者の人数が多くなるほど、共有されている物がいい加減に扱われる傾向がある。(アメリカだけの現象ではないかもしれない。)一番分かりやすい例は公衆トイレだ。緊急事態でどうしようもない場合は仕方ないが、とにかくアメリカの公衆トイレは汚い。 ジョージ・メイソン大学のラッセル・ロバーツ氏(経済学部教授)は、こんな発表をしている。「私的所有物(私有財産)は、不正使用されたり、破壊されることは、先ずほとんどありません。壊されたり、乱暴に扱われるのは、皆が使用する公共物です。逆説的な言い方をす...

Tuesday February 7, 2006

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パリと石炭

ブッシュ大統領の、一般教書演説には何も新しいものがなかった。だから狙いは石炭銘柄だ、と人気マーケット・コラムニスト、ジム・ジューバック氏は言う。正確には、大きな声で「石炭!」と強調している。「もうかなり上がってしまっている、と思われるかもしれませんが、エネルギーセクターの中で、石炭が長期的に一番有望です。」 なぜ石炭なのか?一般教書演説を振り返ってみると、大統領は石油に替わるエネルギー開発のために、2006年度予算を22%増やすことを約束した。「政治家が、具体的なパーセンテージを示した時は要注意です」、とジューバック氏は指摘する。さっそく氏に、22%増が持つ意味を説明してもらおう。 1、環境を破壊しない石炭エネルギー開発のために、更に2億1800万ドルが支給される。 2、石炭から炭酸ガスを取り出す研究のために、更に5400万ドルが割り当てられる。 ...

Monday February 6, 2006

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外国人に頼るアメリカ、ドルの将来はどうなる?

先ず、ドル/円の週足チャートを見てほしい。 2005年一月、101.67円の安値をつけたドルは、そこが起点となって上昇が始まった。2005年12月の121.39円を境に、急激なドル売りがあったが、長期的なアップトレンドは崩れていない。なぜドルが買われたのだろうか?大きな理由は、14回連続の短期金利引き上げだ。 このままドルの上昇は続くのだろうか?アメリカが抱える、巨額な貿易、財政赤字を考慮すると、どうしてもドルに対して強気になれない、と多くの経済学者たちは言う。膨大な赤字のおかげで、大量のドルが外国人たちの手中にある。赤字の穴埋めをするには、どこかから金を借りる必要がある。だから国債を発行することになるのだが、米国内には大した国債需要が無いから、必然的に外国人を頼ることになる。 11月、財務省から発表されたデータを見ると、外国人で最もアメリカの国...

Saturday February 4, 2006

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キーワードはボラティリティ

ウォールストリートの投資戦略家たちは、滅多に短期投資を語ることはない。そんな中で、ジョン・マークマン氏は例外だ。効果的な短期投資をするための秘訣を、マークマン氏はこう説明する。「先ず、銘柄数を絞らなくてはいけません。現在、ファンダメンタルズが好転している企業だけに、焦点を合わせることが肝心です。無料サイトにあるようなチャートではなく、信頼できるチャートも必要です。次に勇気、そして、損を出しても直ぐ気分転換ができなくてはいけません。」 長期株投資では順調に利益を上げているのだが、短期投資はどうも上手くいかない、という人が多い。なぜだろう?マークマン氏を引用すれば、短期投資で良い結果が出ないのは、長期投資用の情報を使って投資するためだ。もっと話を聞いてみよう。 「私たちが、通常考慮する買い材料は長期的な要素です。これは短期投資に適用できません。長期投資で重要なことは、...

Friday February 3, 2006

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グーグルの敵は税金!?

第4四半期収益は+82.4%。しかし、一株利益がアナリストの予想に満たなかったため、水曜、グーグルは401ドル78セント、7.14%安で取引を終了した。こう書くと暴落のように聞こえるが、寄付きは389ドル86セントだから、開始ベルと同時に買った人は一日で約3%の利益を得たことになる。 グーグルの意外な決算に慌てたのは投資者だけではない。目標株価500ドルで分かるように、多くの証券会社はグーグルに買い推奨を出していたから、寄付き直後さっそく押し目買いを訴えるアナリストが続出した。「この下げ幅は正当化できるものではありません。明らかに狼狽売りです。グーグルは確実に広告収入を伸ばしているだけでなく、ライバルのヤフーからも市場を奪っています。今日の下げは買いのチャンスです。」これがアナリストたちの言い分だ。 この下げで、一人のアナリストが見直された。名前はスコット・デビッ...

Thursday February 2, 2006

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一度成功したら止められないインフォマーシャル

あまりにも出来すぎた話だ。ウソに決まっている、と思うのだがインフォマーシャルには説得力がある。単なるテレビショッピングとは違って、30分間ジックリと一つの商品を見せられるのだから、騙されたつもりで買ってしまう人も多いことだろう。 ケビン・トルードー氏、と聞いても、ほとんどの人は誰のことか分からない。しかし、頻繁に放映される深夜過ぎのインフォマーシャルのおかげで、アメリカ人なら一度は氏の顔を見たことがあるはずだ。「製薬会社が、私たちの健康を考えていると思ったら大間違いです。真実は正反対です。製薬会社には、本当に効く薬を開発するつもりなど、全くありません。」今晩も氏は、テレビの画面を通じて消費者に訴える。 2005年、トルードー氏は2200万ドル(25億7000万円)を投じて、2000時間の放映時間を買った。いったい氏は、何をインフォマーシャルで売っているのだろうか?...

Wednesday February 1, 2006

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さようなら、ミスター・グリーンスパン

2006年1月31日、連邦準備理事会議長、アラン・グリーンスパン氏の18年にわたる務めが終わった。物価上昇率を低く抑えたことが、氏の最も大きな業績だ、とアナリストたちは言う。就任早々ニューヨーク株式市場を襲った暴落、二回の不景気、インターネット株に浮かれた90年代後半、そして不動産市場の冷え込みが顕著になった今日、グリーンスパン氏はバーナンキ氏に議長の座を譲る。 連邦準備理事会議長が、さも米国経済の船長であるかのように説明する人たちがいるが、議長にそこまで大きな力はない。ロジャー・イボットソン氏(エコノミスト)の言葉を借りれば、連邦準備理事会議長は電車の運転手に似ている。だから大雑把な言い方をすれば、議長にできることはスピードを上げること、そして下げることの二つしかない。もちろん電車だから、ブレーキを踏んだからといって、直ぐにスピードが落ちるわけではない。 電車は...

 

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