+1.4%、これが過去30年間の平均だ。2005年のマーケットも、あと2ヶ月でお仕舞い。クリスマスラリーを待望しておられる方も多いことだろう。ストック・トレーダーズ・アルマナック社の統計によれば、11月のマーケットは年間12ヶ月を通して、月別で2番目という好成績をあげている。 上記の+1.4%は、過去30年間、S&P500指数が記録した11月の平均伸び率だ。同時期のダウ指数は+1.3%、そしてナスダック指数は+1.9%だから、これでどのマーケットを狙うべきかが分かる。もう一つ、アルマナック社からの統計を付け加えよう。過去14回の大統領選挙を振り返ってみると、選挙翌年の11月に下げたことは、たった3回しかない。 「マーケットは先週底を打ったと思います。投資者たちは、かなり悲観的になっていますから、ラリーが起きやすい下地が出来上がっています」、とウィーデン&カンパニー...
正確な数字は分からない、しかし大きな被害があったはずだ。そんな理由で、オレンジジュースの先物は、1ポンドあたり1ドル19セントを記録し、1998年12月の高値を突破した。全米8割のオレンジはフロリダで生産され、ハリケーン・ウィルマは、かなりの打撃を与えたらしい。「ダメージを受けたことは間違いありません。しかし、はっきりした損害額が分かるのは、あともう1、2週間先になるでしょう」、とベーシック・コモディティーズのケビン・シャープ氏は言う。 オレンジ生産者も、シャープ氏と同様な発言をしている。ハリケーン・ウィルマが襲ったフロリダ州南部には、ヘンドリー郡とコリアー郡の2大オレンジ生産地がある。オレンジ協会の発表によれば、停電や通信網の破壊が原因となり、まだ多くの農園と連絡がつかない状態だが、ここまで分かった範囲でも、約15%のオレンジの木が吹き飛ばされたようだ。 「問題...
48分。これは自動車労働組合の契約書に記されている、従業員が一日で許可されているトイレの使用時間だ。デトロイト・ニュース紙の報道によると、フォード・モーターは次のようなメモを、ミシガン州ウェイン市の工場に勤務する従業員に配布した。「多数の従業員が、規定されている一日48分までのトイレ使用時間を守ることができない。無駄な時間がトイレに費やされ、そのため生産に悪影響が出ている。」 更にメモには、自動車産業界の厳しい競争が強調され、管理職者は従業員のトイレ使用時間を監視することも書かれている。早速、こんな反論が出ている。「売上が下がったのは経営陣の責任です。私たちのトイレ使用時間には、何の関係もありません。」先週発表された決算によれば、第3四半期、フォードは1億9100万ドルの赤字だった。まさか、この損額全てがトイレ使用時間が原因とは思われない。 さて、48分が長すぎる...
マーケットは揉み合いが続いている。今月末で会計年度が終わる大手ミューチュアルファンドが多く、月末ラリーを期待している投資者もいるが、思ったように上がらない。かと言って、売り手が喜んでいるわけでもない。こんな状況だから、普段はファンダメンタルズだけの人たちも、なんとか方向性をつかもうと、テクニカルアナリストの意見を聞くことになる。 「もしS&P500指数が1168、そしてナスダック指数が2025を割ると、米国株式市場はベアマーケットに入ります」、と語るのはシェイファーズ・インベストメント・リサーチ社のクリス・ジョンソン氏だ。「今、一般個人投資家がしなければいけないことは、慎重な持ち株の検討です。処分するべきものは直ぐ売り、次回の買いチャンスに備えて、十分な現金を口座に蓄えておくことが必要です」、と氏は付け加える。 ファンダメンタルズ中心主義の投資家は、とにかく迷って...
10月31日はハロウィーンだ。コスチュームで変装した子どもたちが、チョコレートやキャラメルを目当てに、各家庭のドアを叩く。CNNの報道によれば、今年人気のコスチュームはダースベーダーとバットマンだという。もちろん、子どもに混じって変装姿で近所を練り歩く大人もいる。ここで質問。大人たちが最も好むコスチュームは何でしょうか?正解は、子どもと全く同じだ。「スターウォーズをテーマにした衣装は、根強い人気があります」、とバイ・コスチュームズ・ドット・コムのハレム・ゲッツ氏は言う。 子ども、大人、もう一つ忘れていた。ハロウィーンに参加するのは人間だけではない。家族の一員、犬たちも変装行事に加わる。ハレム・ゲッツ氏を、もう一度引用しよう。「今年のハロウィーンの特徴は、ペット用コスチュームの売上が大きく上がっていることです。去年と比較すると、約120%の上昇です。」 コスチューム...
マサチューセッツ大学教授、ナシム・ニコラス・タレブ氏には、株トレーダーというもう一つの顔がある。著書Fooled By Randomnessは14ヶ国語に翻訳され、単にウォールストリートだけでなく、氏を信奉するビジネスマンは多い。また、エンピリカ社の会長を務めるタレブ氏は、投資家たちの資金運用も行っている。 さて、ここで氏の投資理念を明確に表す実験をしてほしい。用意するものは1枚のコイン。先ず、どちらを表にするか、裏にするかを決めよう。50回のコイン投げをするわけだが、表が出たらA、裏だったらBの要領で、1回投げ終わる度に記録してほしい。実験を始める前に、あなたの予想も書いておこう。1回目はA、2回目はB、3回目もB、そんな具合に予想を紙に書きとめるのだ。 あなたの予想と、実験結果を比較してみよう。予想の方が実際の結果より、もっとランダム(無作為)だったのではない...
投資者たちは、総立ちの拍手大喝采でグーグルの好決算を称賛した。339ドル90セント、+12.1%、で終了ベルを迎え、見事な高値の更新だ。グーグルがナスダック市場にデビューしたのは14ヶ月前、株価は85ドルだった。次々と新アイディアを発表し、収益は驚くペースで上昇している。こんな状況だから、アナリストたちは早速グーグルの目標株価を引き上げている。例を挙げれば、UBS証券は375ドルから430ドル、そしてファーストアルバニーは363ドルから450ドルに新ターゲットを設定だ。 決算シーズン真っ最中のアメリカ、S&P500指数に属する企業の160社が既に決算発表を終えている。110社はアナリストの予想を上回り、25社は予想以下、そして残りの25社は予想どおりだった。テクノロジー銘柄だけに焦点を合わせると、20社は予想以上の収益、5社は予想と一致の伸び、ガッカリな結果だったのはイン...
ウォールストリートで最も熱狂的な男、人はそうジム・クレーマー氏を呼ぶ。とにかく型破りなのだ。半分禿げ上がった頭は汗で光り、全くおとなしく話すことができない。いきなり椅子を床に叩きつけたり、とんでもない奇声を上げる。これが株番組なのだから、本当に世の中は変わった。 今年50歳になるクレーマー氏、ウォールストリートの表も裏も知り尽くしている。80年代、ゴールドマンサックスで経験を積んだ後、ヘッジファンドマネージャーに転向した。4億5000万ドルの資金を14年間運用し、成績は毎年24%のリターンを下ることはなかったという。これだけの好成績だから、クレーマー氏の個人資産も大きく増えた。しかし、優雅な隠居生活など、氏の頭にはない。 クレーマー氏の一日は午前3時45分に始まる。人気テレビ番組「マッド・マネー」、それ以外にもラジオ、コラムの執筆に追われ、仕事に一段落がつくのは午...
ダウ指数の第2波は4時間前に終了し、第3の下げ波動が始まろうとしている。この波動は暴落へと続き、ハロウィーン頃がクライマックスになる。そして、ダウ指数は第4波、劇的な3日間のラリーを展開する。しかし次の第5波は、ハロウィーンに記録した安値を割ることになるだろう。投資者に勧告する。株を現金化せよ。投機家に勧める。空売りを実行せよ。これは、水曜午前9時、エリオットウェーブセオリスト(株情報誌)のボブ・プレクター氏が出した警報だ。 さらに、エリオットウェーブファイナンシャルフォーキャスター紙も、プレクター氏と同様な発表をしている。現在、ダウ指数チャート上にはダイヤモンドが形成され、もし10300ドルを割ってしまうと、ダウは数千ドル下げる、というのが要点だ。しかし、水曜、ダウは猛烈なラリーを展開し、128ドル高という勢いを見せた。さっそく上記二者を批難する声が上がっているが、何故...
インフレ、膨大な財政赤字、エネルギー価格、ハリケーン、支持率低下の大統領、上昇する金利、差し迫るグリーンスパン氏の任期切れ、と不安材料ばかり並べたが、米国株式市場はこんな憂鬱な状態から簡単に抜け出すことができるのだろうか。ここで紹介したいのが、ビジネスウィーク誌が行った、ベンチャーキャピタリストとして知られるトム・タウリ氏のインタビューだ。 「これほど株に対して悲観的になったは、もういつのことだったか覚えていません」、とタウリ氏は言う。「アメリカがインフレに悩んだのは70年代、まだ私がティーンエージャーになる前ですが、まさに今のアメリカは、その70年代に戻ろうとしています。こんな時は守備に力を入れることが大切ですから、私は多数の持ち株を処分してマネーマーケットファンドに移しました。」 さすがに警戒論を唱えるタウリ氏、株の現金化を進めているようだが、全ての持ち株を売...
ここ15年間で最悪、そんな見出しで卸売物価指数の大幅上昇が報道されている。アナリストは1.2%増を予想していたが、ガソリン、天然ガス、そして灯油の急騰を受けて、実際に発表された数値は+1.9%だった。先週出された消費者物価指数も大きな跳ね上がりだったから、これでますますインフレ懸念が高まってしまった。 このような状況では金利引き上げに終わりは来ない、と思ってしまうが、ピムコ(大手債券ファンド)のビル・グロス氏はCNBCのインタビューでこんなことを言った。「連銀は短期金利を4%から4.25%に上げた時点で、金利引き上げ政策を一時停止することが考えられます。」現在の短期金利は3.75%だから、次回(11月1日)の連邦公開市場委員会が最後の利上げになる可能性があるわけだ。 グロス氏がそんな見方をするのも、昨夜東京でのスピーチで、グリーンスパン氏が高エネルギーコストが世界...
しばらくおとなしくしていたオイルが、先物市場で1ドル43セントも上がっている。何かと思えば、カリブ海に熱帯性低気圧が発生し、またフロリダやルイジアナ州が襲われる可能性があるからだという。「明らかに過剰反応です。こんな薄っぺらなニュースでの急騰ですから、投機家たちが単に買い煽っているだけです。長続きすることはないでしょう」、とマーケットストラテジスト、マイケル・カーティ氏は言う。 インフレ懸念が強いだけに、オイル価格上昇のニュースは、投資者にとって嬉しくない。人によっては、クルードオイル値上がり、と聞いただけで株式市場はダメだ、と結論してしまう。なぜか今日はやたらと弱気論が多いが、そんなに米国株式市場は見込みがないのだろうか。さっそく両者、ベアとブルの意見を聞いてみよう。 弱気になるのは難しくない。度重なる金利引き上げ、長期インフレ懸念、本格的な冬を前に暖房用灯油の...
レフコ、耳慣れない名前だ。メリルリンチやゴールドマンサックスならまだしも、レフコでは返答のしようがない。最高経営責任者が不正を犯して首になった、そんな程度の認識だったが、米国株式市場に、レフコはどうやら悪影響を与えるらしい。説明に入る前に簡単に記しておこう。レフコは全米最大の、独立系先物ブローカーだ。 長い話を短くすれば、レフコは経営破綻の危機に瀕している。原因はレフコ最高経営責任者、フィリップ・ベネット氏が、少なくとも4億3千万ドルの負債を隠していたことにある。先週火曜、ベネット氏は逮捕され、そして木曜、レフコはレフコキャピタルマーケッツを15日間閉鎖することを発表した。 レフコのスキャンダルは、エンロンや大手ヘッジファンド、ロングタームキャピタルマネージメントが引き起こしたようなパニックをマーケットに与えることはない。しかし、ファイナンシャル・ポリシー・フォー...
株投資で最も重要なルールは何だろうか。機関投資家のコンサルタントとして知られるドナルド・ラスキン氏は、多数意見の逆を行くことだ、と言う。そんなことを聞くと、「人の行く裏に道あり、花の山」、を思い出される方もいることだろう。言葉、文化の違いはあっても、相場の基本は共通のようだ。ラスキン氏の話を続けよう。 「市場を独占する意見と正反対な行動をとることが鍵ですが、だからといって、私は大衆を愚か者扱いしているわけではありません。個人投資家たちは、情報の収集にとても熱心です。良い投資結果を上げるために、出来る限りの情報を集めようとします。しかし問題なのは、情報分析の結論が直ぐ株価に反映されてしまうことです。ですから、材料の織り込まれた株を買うことになり、大した利益を得ることができません。」 簡単に言えば、ラスキン氏は好材料を売って、悪材料を買うことを勧告しているわけだ。「あ...
全米平均の30年住宅ローン利子が6.03%に達し、とうとう6%を上回った。これで不動産マーケットの冷え込みが確実だ、そんな声も聞こえてくる。一年前の利子は5.74%だったから、5%台が6%台に入ると、何か途方も無く上がったような感じがする。「二つのハリケーンにもかかわらず、先週発表された雇用統計には、予期されたような悪い結果は見られませんでした。逆に2006年度の経済成長速度は上がりそうですから、オイルなどのエネルギーコストを重ねて考えると、住宅ローン金利はさらに上昇することでしょう」、とエコノミストのフランク・ノサフト氏は言う。 2006年の終わりまでに、住宅ローン金利は6.7%になる、といった見方が多いようだが、はたしてこの金利は高すぎるだろうか。歴史を振り返ってみよう。1990年代、30年住宅ローン金利の平均は8.12%だった。80年代は12.70%という高い水準に...
昔、犬は残り物なら何でも食べた。ご飯に味噌汁でも問題はなかった。とにかく、残飯整理に犬は好都合だった。しかし、犬の健康に気が使われる時代になり、犬は栄養バランスのとれた、ドッグフードを食べるようになった。愛犬に滅多な物を食べさせるわかにはいかない、だからドッグフードは添加物無しだ。食後は犬と散歩に出かける。外は寒い。風邪をひいては大変だから、犬にはセーターを着せる。 ペットの健康管理に欠かせないのが動物病院だが、CNNの報道によれば、120億ドルにおよぶアメリカ獣医産業は、毎年7パーセントの割合で伸びているという。「アヒルの白内障手術、猫の腎臓移植、そんなことまでが動物病院で行われるようになりました。過去70年間を見てみると、ペットヘルスケア産業には不況がありません。人間の場合とは違い、獣医は医療過誤で訴えられるようなこともありません」、とペット産業アナリストのライアン・...
デルタ航空、ノースウエスト航空、デルファイ、どれも連邦破産法に基いて、会社更生手続きの申請をした企業だ。ミシガン州に本拠地を置くデルファイ社は、従業員数18万5000人の大手自動車部品メーカーだが、この破綻でゼネラルモータースが向こう2年間で倒産する確率は、10%から30%に上がったという。 会社と心中を覚悟して、奇跡的なカムバックに賭けることもできるが、それでは投資としてリスクが大きすぎる。それよりも大切なのは、最初からデルタ航空のような企業を避けて、経営内容の優れた会社を選ぶことだ。一口に経営内容といっても、売上高、収益、人事、製品開発などと、調べなくてはいけないことが山とある。もちろん、全ての事項を一つ一つ検討していたら膨大な時間がかかってしまう。そこで紹介したいのが、ある指標を使った単純な投資実験だ。 事の発端は、投資アドバイザー、ロブ・ハンナ氏が発表した...
米国短期金利は予想以上に上がる。それが大手銀行、証券会社のアナリストが出した結論だ。「たしかにインフレ懸念はあるのですが、マーケットはそれを無視し続けてきました。しかし、ここに来て、投資心理に変化が見られます」、と語るのはウィンダムファイナンシャルのポール・メンデルソン氏だ。今週から本格的な決算シーズンが始まるが、メンデルソン氏は、更にこう付け加える。「企業は、上昇するエネルギーコストに、これ以上耐えるのは難しくなってきました。製品の値上げに踏み切るところが増えることでしょう。」 ロイターの報道によれば、14人の著名アナリストは、少なくともあと三回の金利引き上げを予測している。これは現行3.75%のフェデラルファンズが、4.5%になることを意味し、一ヶ月前に出された4.25%、という予想を上回っている。ゴールドマンサックスのジャン・ハットジウス氏は、「連銀の態度は明白です...
プルーデンシャル証券が、テクニカルリサーチ部門の閉鎖を発表したのは先週のことだった。広報担当のジム・ゴーマン氏は、現在の米国株式市場環境、そして変化する顧客ニーズが閉鎖の原因、と説明している。おかげで、人気テクニカルアナリスト、ラルフ・アカンポラ氏が失業してしまったが、これでプルーデンシャル証券は、ファンダメンタルズだけで株を分析することになった。 チャートやインディケーターを使って株を分析するテクニカルアナリシスを嫌う投資家もいることは事実だが、テクニカルリサーチ部門が存在しない証券会社では、適切なマーケット分析をすることはできない。アカンポラ氏が有名になった理由は、1997年、ダウ指数1万ドルを、だれよりも先に予測したからだ。(その時ダウは7200ドル台だった。) ここで紹介したいのが、テクニカルアナリシスのベテラン、ロバート・コルビー氏だ。早速、氏の言葉を引...
まだ10月だ、と言われるかもしれないが、米国小売業界はクリスマスシーズンの売上を心配している。主な小売銘柄を見てみると、ホームデポは7月の頂点から13%の下落、ウォルマートは7月の高値から15%の下げ、そしてターゲットもホームデポと同様な動きを示し、投資者たちも小売業界には悲観的な態度を表している。 クリスマスの売上が懸念されるのは、オイルの値段が大きく上がり、燃料費が各家庭に負担となり始めているためだ。そろそろ冬がやって来る。灯油の値段も上昇しているから、間違いなく、今年の暖房費は昨年を大幅に上回ることだろう。おまけにガソリンも高い。これでは出費が重なるばかりで、クリスマスプレゼントどころではない。 「ちょっと待ってください、その考え方はあまりにも短絡的です」、というのは経済ジャーナリストのマイケル・ブラッシュ氏だ。「確かに消費者は、ガソリンスタンドへ行く度に、...
ワールドシリーズへの出場権をかけて、火曜から大リーグのプレーオフが始まった。水曜の試合ではシカゴ・ホワイトソックスの井口選手が逆転3ラン本塁打を放ち、あと1勝でリーグ優勝決定シリーズに進出できる。以前は野茂選手の姿しか見られなかった大リーグだが、松井選手のいるヤンキースを、日本から応援している人たちもいることだろう。 さて人気のプレーオフだが、CNNの報道によれば、これは企業側にとって一時的に嬉しくないイベントのようだ。振り返ってみると、火曜の第一試合、セントルイス対サンディエゴは開始時間が午後1時9分だった。そして同日の第2試合、レッドソックス対ホワイトソックスは夕方の4時9分に始まった。「問題なのは、プレーオフの試合が会社の就業時間と重なっていることです」、とチャレンジャー・グレイ&クリスマス(人材派遣会社)のジョン・チャレンジャー氏は言う。 理屈は高校野球と...
金は先週、ここ17年間の高値を突破した。と言うと、猫も杓子も金買いに奔走しているように思われるが、実際はとても静かだ。正確に言えば、アメリカのマスコミは金をほとんど話題にしない。なぜ大衆は金に飛びつかないのだろうか。グリーンブックインベストメントの、ジョン・マークマン氏はこう語る。「一般に金と言うと、ネックレスやコイン、それに金庫に保管されている金塊などが想像されます。今日のように不動産が好調なときは、なかなか金に人気が集まりません。」 しかし、金の値段が現在の1オンス468ドルを更に大きく上回った場合はどうだろう。きっと毎晩、テレビのニュースで報道されることになるだろう。それだけでなく、新聞の一面記事、雑誌の表紙に載るかもしれない。こうなれば大衆が動き始め、速いテンポで金は一時的な天井をつける。「向こう12ヶ月から36ヶ月間ほどになると思いますが、たとえ米国の金利引き上...
先月5日、108円76銭だった米ドル/円相場だが、現在114円27銭で取引されている。ドル高になった理由として、ハリケーン・カトリーナがアメリカ経済に与える影響はごく限られていること。そしてシカゴ購買指数やISM指数を見て分かるように、下向きになると思われた米国製造業が、逆に予想以上の成長を示していること。更に短期的なドル買い理由としては、11月と12月に金利引き上げの可能性を示唆するフェデラルファンズ先物市場が挙げられる。 ドル買いを推奨するアナリストが多いことは言うまでもないが、ブルーンバーグ社の調べによると、47%におよぶ世界の主要銀行や証券会社のストラテジストは円買いを薦め、32%が円売りを薦めているという。特に「持続可能性が高い景気回復」、という3日に発表された日銀総裁の見解は、ディーラーたちの円に対する見方に変化を起こさせたようだ。リーマンブラザースのジェーム...
オイル高、ガソリン高、ハリケーン・リタ、そんな心配に関係なく、アメリカの製造業は大きな伸びを見せた。9月分のISM指数は59.4と発表され、単に予想の52を上回っただけでなく、ここ13ヶ月で最高のレベルを記録した。これでインフレ懸念が更に高まり、マーケット関係者たちは金利引き上げ政策が続行される、と確信したようだ。 予想外だったISM指数とは逆に、予想どおりの結果だったのは先月の自動車販売数だ。高いガソリンの影響を直接受け、ゼネラルモータースの売上は25%の減少、そしてフォードモーターは19%ダウンとなった。特に不調が目立ったのは、ガソリン消費の激しいSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)だ。実例を挙げれば、フォード社のエクスペディションは、去年の同時期と比べるとマイナス60%という、大きな落ち込みになった。 さて、日本車の売れ行きはどうだったのだろうか。ト...
第4四半期のマーケットが始まる。ここまでを振り返って、アメリカの一般投資家たちは、あることに気がついたことだろう。二つのハリケーン、値上がりの続くオイル、ガソリンが大きな話題になった第3四半期だが、アメリカ株に投資をするミューチュアルファンドは平均で4.3%の伸びを見せた。しかし、米株以外に投資をするインターナショナルファンドは11.7%の上昇だ。 先週発表されたデータによれば、アメリカ株中心のミューチュアルファンド総額は3兆1800万ドルにおよび、インターナショナルファンドは8180億ドルほどだという。圧倒的に米株ファンド投資額が、国際株ファンドを上回り、一般投資家たちは海外マーケットの成長を十分につかんでいない。 「これからは多数の個人投資家が、海外株式市場へ資金を移すことでしょう」、とリッパー社のドン・キャシディ氏は言う。第3四半期、最も優秀だったのは、+2...
アウトソーシングと呼ばれる外部委託が当たり前の時世になった。おかげで職を失った、と憤慨する人たちが増えているが、企業側から見れば経費削減につながる重要な一対策だ。外注の行き先は、何と言ってもインドが圧倒的に多いが、AP通信からこんな報道があった。 テキサスに本拠地を置く、イフェクティブテレサービス社は、インドにコールセンターを設けて顧客サービスを行っている。コスト削減の一環として、米国企業は顧客サービス部門を、イフェクティブテレサービスのような会社に外注することが多い。 インドのイフェクティブテレサービスに勤務するマドハビ・パテルさんは、米国クレジットカード会社の顧客サービスを担当している。こんな物を買った覚えはない、請求書は間違っている、カードを失くしてしまった、そんな苦情や相談に応じるのがパテルさんの仕事だ。そしてハリケーン・リタが起きた。 ハリケーン...
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