神風ギャッププレイ米国デビュー!
神風ギャッププレイが、米国のトレーダー向けの雑誌に掲載されました。
現在アメリカで人気のあるトレーダー対象の雑誌は4誌。
Active Trader Magazine (アクティブトレーダー誌)はTechnical Analysis of Stocks &
Commodities誌に次ぐ第2番目の雑誌で、フルタイムやパートタイムのトレーダーを対象に毎月6万部発行されています。
アメリカでは「アクティブトレーダー誌」の認知度は高く、トレーダーのほぼ99%人が知っているとのことで、7イレブンのようなコンビニでは販売されていませんが、Barnes
& Nobleのような大手書店で購入することができます。
編集長 Molly
Flynn 氏によると、最も人気のある記事は今回私のプレイが掲載された「トレードストラテジー」で、ここへ掲載されたのは東洋人では Kathy
Lien、Jea Yuに次いで私が3人目だそうです。
日本人では初めてのことで、記事はもちろん英語です。
英文の記事は鎌田さんに投稿していただいたのですが、これも日本人では初めてだとのこと。
表紙では Opening Gap Strategy : Capitalize on Early Morning Momentum
というサブタイトルの、Aggressive GAP TRADING
というタイトルで、アクティブトレーダーマガジンの8月号に掲載されました。
ちょっと驚いたのは、編集部が記事をもとにこの手法について、独自に
トレードステーション用のマクロコードを書いてバックテストをしているという点です。
ではバックテストの結果はどうだったのか?
英文記事をアクティブトレーダーマガジン誌の許可を得て、バックテストの結果を含む記事を下記へ掲載ました。(日本語への翻訳も鎌田氏)
チャートおよびテーブルの画像はアクティブトレーダー誌の該当記事から引用しています。
2005年9月28日 COOLに過ごそう に掲載
攻撃的なギャップトレード方法 (Aggressive GAP TRADING)
翻訳:鎌田 傳
ここに掲載されている記事はアクティブトレーダーマガジンの8月号に掲載された英文記事をアクティブトレーダーマガジン誌の許可を得て日本語に翻訳したもので、チャートおよびテーブルの画像はアクティブトレーダー誌の該当記事から引用しています。
オリジナルの英文は、ActiveTrader
Magazine August 2005 volume 6. No.8 の、34ページから38ページまでの5ページにわたって掲載されています。
ここで皆さんに紹介したいのは、米国シアトルでトレードを学び、現在東京で活躍する、Hajime
Mabuchi氏の独特な手法だ。当時シアトルで主流だったのは、「SOESの盗賊」という異名で知られた、レベル2(マーケットメーカーたちが表示する株価)を積極的に利用するものだった。
最初は利益が上がらなかった、と語るMabuchi氏だが、トレードに秘められた将来性は、直感的に理解することができたという。熱心にチャート分析やトレードテクニックを研究した結果、絶好な売買チャンスは、マーケット開始直後の30分以内に起きることが確認できた。トレード成功のカギは、株の極端な強さ、弱さを示すギャップ(窓)を利用することにある。
日本のデイトレーダーたちは、Mabuchi氏を「ミスター神風ギャッププレイヤー」 と呼ぶ。なぜなら、一見無謀とも思える氏のやり方に、新人トレーダーたちは完全に脱帽してしまうからだ。
(馬渕氏のホームページは www.daytradenet.com 日本語サイトだ。)
ギャップ
ギャップ(窓)は、今日の寄り付きが前日の引け値より安い、または高い時に発生する。Mabuchi氏の言うギャップとは、1分足や3分足などのイントラデイチャートに現れる、前日の引け値と今日の寄り付き値の間にできる隙間ことだ。
したがって、ギャップアップとは今日の開始値が前日の終わり値より高い場合、そしてギャップダウンとは今日の始め値が、前日の引け値より低いことを示す。もしギャップが埋まってしまうと、たとえイントラデイチャートには明確でも、日足チャートではギャップを見つけるのは難しい。
ギャップと同方向トレードが、Mabuchi氏の基本的なスタイルになるが、もちろんいくつかの条件が揃わないといけない。利食いは素早く行い、ほとんどの場合マーケット開始後30分以内、早ければ5分以下で、トレードは終わってしまう。
ニュースや噂がギャップを作る大きな原因だが、例をあげれば、3月23日のギガトロニクス(GIGA)だ。ボーイング社との新製品契約ニュースが、ギャップアップの原因となった(チャート1)わけだが、単に始め値が前日の引け値より高かっただけでなく、23日の安値は前日の安値を下回ることはなかった。そのため日足には、明瞭なギャップを見ることができる。
チャート1
通常ギャップダウンは、著名アナリストによる格下げ、また予想以下の決算発表などの悪いニュースが原因になる。2004年9月30日、製薬会社メルク(MRK)は心臓への副作用を理由に、人気薬品バイオックス販売停止を発表した。メルクにとって大きな収入源だったバイオックスだけに、株価は強烈なギャップダウンとなった。(チャート2)
チャート2
トレードの条件
Mabuchi氏のギャップトレードには、いくつかの条件がある。最初に指摘したいのは出来高だ。これはトレードに重要な換金性(リクイディティー)に直結し、少なくとも一日平均100万株以上の出来高がほしい。このように取引高の多い銘柄なら、売買執行に2秒とかかることはない。36ページのテーブル1は(2005年3月現在)、Mabuchi氏の条件を満たす、ナスダック市場で最も出来高の多い20銘柄だ。これらの銘柄以外にも、Mabuchi氏は毎日ナスダック市場出来高トップ10銘柄をチェックすることも欠かさない。
テーブル1
株価は30ドル以上の銘柄が好ましい。50ドルの株なら、たった0.5%の変動で25セントの利益を得ることができる。しかし、同じ25セントの儲けでも、株価が2ドルなら12%以上の動きが必要だ。
売り値と買い値の差(ビッド アスク スプレッド)は、できれば3セント以下の狭い株を選びたい。大きなスプレッドの幅は、出来高の少ない銘柄に起きやすい。たとえば、75ドルで取り引きされている株があったとしよう。もし売り値が74ドル、買い値が75ドルなら、あなたはこの株を買った瞬間に1ドルの損をしているわけだ。
トレードのセットアップ
ギャップトレードには1分足チャートを用い、入れる移動平均線は20(単純平均 シンプルムービングアベレージ)を使う。
1、株は単にギャップアップするだけでなく、寄り付きは20移動平均線の上であること。
2、ギャップアップ直後、株は3本連続の陽線を形成すること。3本の陽線はほとんど重なる部分がなく、はっきりとした右上がりのものが好ましい。
3、上記の条件が揃ったら、3本めの陽線の終わり値、または4本めの始め値で買いを入れる。
4、損切りは3本めの陽線安値付近、または買い値から15セント下がった位置の二つから、損の少ない方を選ぶ。株価が100ドル以上の場合でも、損は30セントまでにおさえたい。
5、手仕舞いは最初の陰線が現れた時点、またはトレンドライン割れが目安になる。
チャート3は、3月24日に執行されたトレード例だ。9時33分、45ドル80セントで買いを入れ、3分後、25セントの利益を上げて46ドル5セントで手仕舞った。
チャート3
ギャップトレードの買いを復習してみよう。KLAテンコー(KLAC チャート3)は1分足チャート上で、前日の引け値と20移動平均線を上回って寄り付いた。条件である、3本連続の陽線も形成された。3本めの引け値、45ドル80セントで買いを執行し、45ドル77セント(3本めの陽線安値割れ)に損切りが設定された。トレードは最初の陰線ができた時点で手仕舞いとなった。
チャート4は、Kマート(KMRT)の1分足チャートだ。一見するとギャップトレードパターンのようだが、買いの条件を完全に満たしていない。たしかに株は前日の引け値、そして20移動平均線の上で取り引きが始まっているが、きれいな3本連続の上げが展開されていない。よく見ると分かるが、3本めの線は陰線だ。
チャート4
ギャップトレード 空売り
空売りルールは、単に買いルールを反対にするだけだ。38ページ(チャート5)のグーグル(GOOG)を例にすると、株価は前日の引け値と20移動平均線より低い位置で寄り付いている。3本連続の陰線が現れ、空売りは3本めの終了値、186ドル45セントで執行された。
チャート5
損切りは3本めの高値、186ドル73セントに決められたが、Mabuchi氏は株価が100ドルを超える場合は、30セントまでの損幅を許している。4番めの線は初めての陽線になったが、損切り株価に触れることはなかった。その後、グーグルは順調に下げ、10時少し前、下降するトレンドラインを突破して、空売りを手仕舞う結果になった。
ここで一つ注意しておこう。完璧な形の、神風ギャップ空売りパターンができることは滅多にない。ギャップダウンで始まる下げは、テンポが極めて速く、動きも乱暴だ。ほとんどの場合、最初の3本で下げ切ってしまうことが多い。これでは、せっかくの売りチャンスを逃してしまうわけだが、Mabuchi氏にはこんな解決策がある。1分足チャートをよく見て、1本の平均値幅を把握してほしい。たとえ寄り付き1本めの陰線でも、その長さが1本平均の3本分を超えた時点で空売るわけだ。
3月11日の、ベッド バス & ビヨンド(BBBY 38ページ チャート6)を例に使って見てみよう。株は前日の引け値、そして20移動平均線を下回ってスタートを切った。もし3本連続の下げを確認してから空売りに出動したのでは、明らかに遅すぎる。そればかりか、売り手の買い戻しに巻き込まれ、損切る結果になったことだろう。
チャート6
こんなとき重要なのが、1分足の平均的な長さをあらかじめ頭に入れておくことだ。ベッド バス & ビヨンドの場合、まず1本の値幅が10セントを上回ることはない。どちらかと言えば、平均的な幅は5セントがいいところだ。さらに1週間ほど前までさかのぼれば、1本の平均幅は、たったの3セントしかない。ということは、1本めの陰線が、9セントを超えれば空売っても問題ないということだ。
見てのとおり、ベッド バス & ビヨンドの1本めの大陰線は、簡単に平均的3本分の値幅を上回り、素早い空売りを実行することになった。もちろん、このやり方は攻撃的そして危険度も高いだけに、トレード経験の浅い人たちは避けた方が無難だろう。
株価が全ての基本
お気づきのように、シンプルをモットーにしたMabuchi氏のローソク足チャートには、20移動平均線しか入っていない。多くのトレーダーたちが使う、出来高さえも氏は見ない。指標が先に動くのではない。株価が動き、そして指標はそれに追従するだけだ。
トレーダーの中には、特にギャップが極端に大きい場合、ギャップと反対方向の逆張りを試みる人たちもいる。これも神風ギャップルールの応用で、効果的なトレードをすることができる。
プログラミングコードとバックテスト
このギャップトレードがどの程度頻繁に起きるのか、そしてどれほどの成果があるのかを、当誌(アクティブトレーダー)はプログラムを作成してテストしてみた。修正した主な点は、1分足チャートの一番最初の安値も、前日の引け値を上回っている(空売りの場合は下)、という条件も付け加えた。トレードの執行は3本めの終わり値ではなく、4本めの始め値で行う。損切りは損幅を考慮しないで、3本めの安値(買い)、または3本めの高値(空売り)を使う。
私たちは無作為にテーブル1から3銘柄を選び、20日間にわたるテストを2回行った。(1回めは3月4日から4月1日。2度めは4月18日から5月16日。)テーブル2がテスト結果だ。
テーブル2
読者の皆さんは、さらにギャップトレードのルールと方法を注意深くテストすることで、実トレードへの応用を学ぶことができると思う。
神風ギャップのトレードステーション用コードは、www.activetradermag.com/code.htm を参照してほしい。
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