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スターバックス・SBUX
暴落したスターバックス。
ポジション・トレードなら持ったままで、いくらでも上がって簡単に儲かると考えるのは早計だ。
その後の「テイク・ケア」つまり、監視をすることはとても大事だ。
チャートで、トレンドに乗っているかどうかをきちんと検証しておかないとこういった大きな下落に巻き込まれることになる。
私がもし長期投資で持っていたとしても、サポートラインを下へ割りこんだ時点つまり、6月
(Jun) の終わり頃には売却していると思う。
6月の中頃前にも少し割りこんでいるが、これは「下ブレ」の範囲だと考えるべきだろう。だが慎重なトレーダーなら、ここで売るべきだろう。
34ドルあたりの下値抵抗線(ここでは線を引いていないが)には反発しているから、6月の終わりに買いに入っているトレーダーが多いようだ。
が、これは読みが甘いというべきだ。
このチャートには線(トレンドライン)が一本不足している。
2本かな、この2本が分かれば、この下落に巻き込まれることはない。
突然の暴落だから、避けられなかっただろうか?
こういう業績の不振は、その前から必ず何かの形で現われているのではないかと考えてみることだ。
それが業績の不振かまたは、何かの不安を明示している。
このトレンドラインががわからないと、このようなケースで巻き込まれる。
分からない人は、トレードの基礎コースを受けるべきでしょうね。
または、チャートの勉強をしてください。余計なお世話かもしれませんが・・
ポジション・トレードでも成功するトレードには、こういったデイ・トレードで得た知識が役に立つのです。応用です。
不足していたトレンドラインの説明
上側の斜線のトレンドラインを引いた人は、間に合わずに下落に巻き込まれ組。
下側のトレンドラインを引いた人は、この交差点で脱出組。
下側のトレンドラインを引ける、つまり、それが読めて、まだ持っているということは、描けて読めるレベルの人では、ありえないことだといえるくらい、確実なラインなのですが・・。
この違いは大きい。この違いはこれからのトレードのあらゆるケースで蓄積して、失敗する70%に入って脱落するのか、また成功する30%に残れるのかを決める大きな要素になると思う。
このようにトレンドラインは、引いた後を見れば「当たり前じゃないか、ちょっと見れば誰だってわかる」と思うかもしれない。
コロンブスの卵と同じ。
しかしトレードでは、次回に読まなければならないチャートが、このチャートと同じ形である可能性は非常に少ない。というより皆無に近いだろう。
同じ銘柄でもチャートは毎日全く違うのが現実だ。
そのうえラインを引く目安となるポイントは、この分析のように「事が起こる、つまり株価が上がるか下がるか」がわかる前に引かなければならない。
6月中旬の時点でチャートをチェックしていれば、下の斜線のラインしか引けない。当然だ。
6月下旬は未来だからまだ存在していないのだから。だから、上の斜めのサポートラインを引くことはできない。
しかし、6月中旬の時点で、このラインを見つけられない、または見落とした、さらに見る時間がなかったなど、まあ理由は何でもいいのだが、見過ごすことになった場合はどうなるだろうか。
下落の前日に、このような始点から、チャートへラインを引いて分析すると、99%まで上の斜線(傾斜が緩やかな方)を引いてしまうはずだ。
そして翌日10ポイント以上の下落に巻き込まれる。
ここで損失を出したことに狼狽して、このチャートの検証どころではなくなるというのが、損失を出すトレーダーの典型的なパターンだ。
もちろん、ここで大幅に株価が下落しなければ、傾斜が緩やかなラインが、正しいラインとなる可能性が生まれる。
実際には下落しているのだが。ということは結果によっては、チャ−トのサポートラインの、正しいラインが変わるということが起こるのだ。
だから難しい。
他にもこの下落を示唆する要因のトレンドラインがあるが、もうこのあたりでいいだろう。
ヒントは水平のトレンドライン。
分かる人はこれで分かるし、分からない人は、いくらここでこうやって説明しても、別のチャートを見せれば、やはりわからないだろう。
さらにこうやって公開しても、実際のマーケットで売買の判断をする時に、その状況にあわせてラインを描いて読まなければならない。
多少の上ブレや下ブレを読みながら、大手の機関投資家の「騙し」にも注意しながら臨機応変に対応しなければならない。
こうやって、のんびりとチャートを見ているわけにはいかないのだ。
その能力を身につけるには、やはり実際のマーケットでの、切羽詰った状況での判断という「経験」「場数」が必要になる。
移動平均線ももちろん使うが、あれは計算してマシンとソフトで描けるから、まあパラメータの違いだけで、いってみれば誰だって引ける。
つまり、はっきりいえば、トレンドラインを引くツールに比べれば、デイ・トレードでは特に、ほとんど役に立たないといえば言い過ぎか。
大きな目安にはなるが。これだって、サポートラインで十分に代用になる。
この例のように、サポートラインを組み合わせて分析することで、相当な精度で分析することができる。
ただこれをマシンやソフトを使って自動的に引かせることはできないと思う。人間だからできるのだろう。
こういう領域になると、コンピューターより人間の脳の方が、応用力からしても、圧倒的に優れている。
もちろん、読む力がきちんと備わっていればの話だが。
始点がどこで、どの点を通って、どこと比較するのかという視点できちんと見ることができなければ、混乱に拍車がかかるだけで、「チャート分析は、当たらない」という結論を出すことになってしまう。
実際のトレードでは、単純に線を一本引けば読めるというような、単純なマーケットのケースはほとんどない。
チャート分析が当たらないのではない。
サポートラインの引き方と、読み方が単に間違っているだけなのだ。
掲示板の、以前のライブトレードを詳しく読んでいただければ、必ずトレンドラインを見ていることが、おわかりいただけるだろうし、その予測がどれくらいの精度かは改めてここで説明する必要はないだろう。
チャートの教科書では、「誰でもわかるようなチャートを選んで」説明しているが、実際のマーケットではそうはいかない。
こういったチャートの教則本で説明されている要素を組み合わせなければならない。
それもケースバイケースでだ。ここにチャート分析の難しさがあり、それが誤解を生むことになる。
チャートで考えたパターンと、「その後」実際に起こった動きを比較して検証する作業を積み重ねないと、読む力はつかない。
チャート分析がはずれた時の損失とその痛みをバネにして、チャートで分析してフィードバックできれば、損失を授業料として、あとのトレードに生かすことができるという救いが生まれる。
誰にでもある失敗や読み間違いを生かすも殺すも、まさにそのトレーダーの、取り組む姿勢次第なのだと思う。それだけ難しいのだ。
トレンドラインを引けないソフトで、デイ・トレードまがいのことをすることが、どれだけ危険か、わかっていただけただろうか?
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