パート1 立志編
5月2日午前10:00(シアトル時間)
俺はついにやってきた。数々の困難をくぐり向け、ついにシアトルの地に降り立った。
Daytradenetに出会ってから半年。
行きたいと思いつつも日々の生活に忙殺され悲しい思いをしてきた日々。
しかーし!そんな日々はGood byeさ!俺はシアトルに立っているのだー、って、痛てて。
ちっ、気圧で耳がおかしくなっちまった。
ついでに頭もおかしくなっちまった、って、いつものことか。
今回の俺は恐らくセミナー始まって以来の受講者だろう。
なんたって追加トレーニングを受けてからBセミナーを受けるという端から見れば、何とも非効率なことをやっているお馬鹿者なのだー。
実際、そんなことをやっている受講生は俺だけらしい。
なんと天の邪鬼なのだろう。誰もやらないだろうと思って応募したら、本当に
誰もやらないとは…。
まあ、人がやらないことをやって喜んでいるお馬鹿者はほっといて(俺のことじゃねーか)話を先に進めるか。
まずは税関。人が並んでるなあ。なかなか順番が回ってこない。おっと、俺の番らしい。「○△□×………」
はあ?、日本語でしゃべりやがれ、こんちくしょう、って、ここはアメリカか。困った。
奴は真っ赤な顔して何をしゃべっているのだろう。うーん、困った。
おっ、奴は人を召還したか。
「あなたの渡米の目的は何ですか」
「セミナーを受けに来た」
「どのぐらい滞在しますか」
「1週間」
「OK」
奴はなにやらパスポートに落書きをしていた。無造作に俺に渡し、「ネクスト」などと叫んでいた。
くっ、まあいい。とりあえず第一関門通過だ。次、金属検査だ。
ピー。おかしいな。もうベルトぐらいしか金属はないぜ。
ピー。またかよ。何、こうやって通れだって?
ピー。
おんどりゃ、喧嘩売っとんのか、我ぇ、ってすごんでみてもしゃあないか。
別の所に連れていかれ、手動で念入りに検査されてしまった。
「OK、Have a good time !」
ふっ、余裕で第二関門通過だ(どこが?)。
さて、広間に出てきたか。心の中のマイハニー、リサからのメールによると、ここにマイケルという背の高い人が紙を持って出迎えに来ているらしい。
マイケルは日本語がわかるらしい。
しかし該当者が見つからんなあ。確かに背が高く紙を持っている人がいるが、子供と一緒にじゃれてるしなあ。
しかし、他に人がいないしなあ。しゃあない、話しかけてみるか。
「プリスティーン?」
「はい、そうでぇす。あなた、セミナー受ける人?」
「Oh,いえーす」
「よっし。それじゃ行きますか」
「そうしやすか」
なんと!水鳥拳!!……、失礼しました。(古いかな?)
なんと子連れで出迎えに来るたあ、いかな俺でも予測できねえな。
えっ、今日は俺一人?
まあ、追加セミナーから来る暇人は世界広しといえど、俺くらいのものか…。
バスに乗り込んでしばらくマイケルと話してみたが、どうもアメリカではまだまだポケモンが大流行している最中らしい。
マイケルの子供も後ろでポケモンのテーマソングを歌っている。
しゃあねえ、日本に帰ったらビシッと本場のポケモングッズを送りつけてやろう。
おっと、もう着いちまった。
高いビル。豪華な造り。飲まんと欲すればスターバックスがある。
このビルに今回のセミナーの会場があるのか…。
良し、ぐずぐずしていないで突撃すっか!
5F。チーン。
「ドーゾー」
「うむ、ご苦労」なーんて偉そうな態度はとれんなあ(十分でかいよ)。
おっと、マイケル、俺をおいてどこに行っちまうんだい、寂しいじゃあねえか。
…………
「お待ちしておりました、JFKさんですね」
おおう、麗しの心の中のマイハニー、リサの御光臨ではないか。
後光が眩しく輝いてるぜえ(親父?)。
「○△□×……」
おおう、なんと流暢な英語!しかも日本語と英語では声が違うのねん。
「どうぞこちらへ」
なにやら怪しげな部屋に連行されてしまった。ああ、俺はどうなっちゃうのかしらん?と、思っていたら、どこかで見た顔、馬渕さんがおられるではないか。
「どうも、こんにちはー」
うんうん、さわやかな方であられる(落涙)。
「じゃあ、空いている席にでも座って…」
どれ、こいつでも使うか。坐ってしばらくする。
「ちょっと待ってて下さいね。今、馬渕さんと同じ画面を呼び出しますから」
麗しのリサは素早くパソコンを立ち上げていった。
「じゃ、難しいかもしれませんが頑張って下さいねー」
すたすたと行ってしまった。
えっ、そりゃないぜ、マイハニー。俺はなーんもわかりゃせんというのに、どうすりゃいいの?
追加トレーニング一日目のランチタイムにさしかかったところであった。
「さーて、飯でも食べに行きますか」
「そうしますか」
そう言って、みなさんはフロアーを出て行ってしまった。
くううううう、根性で乗り切るしかないか。
とりあえず右クリックを多用してみよう。
…………
次はセットアップだ。
…………
次は抵抗線でも引いてみるか。
…………
「さーて、どうなっているかなあ」
おっと、みなさん帰ってこられたようですな。
くっ、動きが早すぎる。どのコマンドを使えばいい?
よくわからん。仕方ない。今日は傍観を決め込むか。
カンカンカン。午後一時。終了のベルか…。
「皆様お疲れさまでした」
馬渕さんのお疲れコールが出た。
さて、これからホテルにチェックインしなければならないがどうしよう、現金がない。近くに銀行でもないかなー。
「ああ、こちらの方も両替するので宜しければご一緒しませんか?」
おおう(何回目だ?)、麗しのマイハニー、リサ。アリガトウゴザイマース!
こうして俺は無事ドル紙幣を手にすることができた。
チャチャチャチャチャーン(レベルアップの音)。
ホテルに入った俺は時差ボケも手伝って深い眠りに落ちていった。
こうしてアメリカ滞在、輝かしい日本語トレードセミナー第1日目が終了した。
アメリカ流?カッコイイとはこういうことさ!
5月3日(水)シアトル時間
ああ、朝やんけ。眠いなあ。さすがに午前5時半に起きるのは堪えるな。
時差ボケは酷いわ耳はまだ痛いわで最悪のコンディションだ。くそううう。
まあ、予想の範囲内だからしゃあないか。
うし、今日も気合い入れて一丁やったるか!
気合いを入れてホテルのロビーに行き、朝飯を腹に放り込む。
「おはようございますー」
む、何奴!って、なーんだ。昨日銀行までマイハニーリサと一緒にいった女性の方ではないか。
むう、それにしても若い。マイハニーリサによるとまだ学生であられるとか!
女学生(古いか?)でDTを志されるとは…。むむ、ただ者ではないですな。
ここで俺の滞在しているホテルについて一言。
このホテルはLa Quinta Inn.といい、プリスティーンのセミナー会場からは
歩いて30分ほどの所にあるホテルだ。
今回のセミナーでは生憎とウッドマークホテルがダブルブッキングで取れなく、俺はインターネットで会場周辺を検索し、一番近いホテルに予約を入れた。
そこにたまたまセミナー受講者の方が泊まっていたとの話だ。
今回セミナーを受けられた方の多くは、ベルビューの中心街にあるHYATTと呼ばれるとてつもなく豪華なホテルに泊まっていた。
でもウッドマークホテルが一番近い。これからセミナーを受けようと思われている方はウッドマークホテルが良いね。ちょっと高いけど…。
閑話休題
この女性をHさんと呼ぶことにしよう。さすがの俺もびっくらこいたね。
しかし、なかなかの狸と見た。さて、この予想が当たっているかどうか…。
6時。
「おはようございマース」
マイケルがにこにこした顔で迎えに来た。本来ならば送迎は要らないのだが、今回は特別に友達の手助けということで送迎をしてくれているとのこと。
アメリカ人はなかなかに情が厚い。それともマイケルが特別なのか。
既に送迎バスにはHYATTから収容されてきた(?)方々が乗っており、
俺もバスのなかに潜り込んだ。
バスで7分ほど走るとセミナー会場だ。
6時10分。
「おはようございます」
既に馬渕さんは会場に来ておられた。
「やはり早いなあ」
そう思いつつ、俺はセミナー会場のトレーニング室のパソコンの前に陣取った。
他の人はほとんど近くのスターバックスの行列に参加していたが、
俺はコーヒーが飲めないのですぐにセミナー会場に行ったのだ。
続々とトレーニング室に人がやってくる。
色々な人がいた。若い人、年を召された人、様々な人がいた。
なかには親子ほどの年の差のある女性の人もいた。
様々な人がDTに可能性を見出しているのだ。
俺の闘志に火がついた。
「よっしゃ。最初は大してお金を持っていないが、必ずDTで成功してやるぞ!」
などと気張ってもマーケットは待ってくれない。
俺は急いでパソコンをセットした。
「きょうはS&P、NASDAQ共に弱いですねー」
トレーニング室にあるテレビから流れてくるCNBCのニュースを見て、
馬渕さんはそう言われていた。
今日は追加トレーニング2日目。今日は色々な銘柄を買ってみたいなあ。
ペーパーだけど…。
さて、そろそろ時間だ。レディ…。
6時30分。
カンカンカン。
ゴー。
リアルティックで表示されたチャートが、まるで意志を持った生物のように動き始めた。
様々な人の思いと不安をのせて、チャートは淡々と足跡を残して行く。
「は、早い」
画面には1分と3分のチャートを表示させていたが、バーは青くなったり赤くなったりを繰り返しながら形を形成していった。
ナスダックは最初の15分は下げ後の15分はあげていたが、始値あたりに来ると反転して下げ始めた。
「どうも今日はダウントレンドくさいですねー」
馬渕さんはそう言われた。
「何、もう大体のトレンドがわかってしまうのか」
改めて馬渕さんの偉大さがわかったつもりになった。
さて、果たして今日のトレンドはそのように動くのだろうか…。
さすがに見ているだけではただのアホだから、なにか買ってみることにした。
というより、既にちゃっかりと1回売買を行っていたのだが…。
チャラララー。(敵と出会った音)
NTAPが現れた。どうする?
コマンド「買う」「売る」「ショートする」「無視する」
ピッ。「買う」 選択終了。
俺の攻撃。
「62 1/2でどうだ」
ズガッッッッッッッッ。
NTAPは62 1/2で買われた。
NTAPはホイミを唱えた。
ほわわーん。
NTAPのバーは青くなった。
NTAPの値段は63 1/2になった。
俺の攻撃。
「63 3/8でどうだ」
ズガガッッッッッッッ。
NTAPは63 3/8で売られた。
チャラララッチャチャーン(戦闘終了の音)。
JFKは勝利した。
7/8ポイントをゲットした。
875ドルを手に入れた。
手数料50ドルを引かれた。
経験値「トレンドにのる レベル1」を手に入れた。
よしっ。ラッキーだった。実際トレードするんだったら多分今日は止めているだろう。
しかし、トレーニングだからどんどん買って色々な手法を試してみなければ…。…………。
カンカンカン。
午後1時。
「だっはー」
結局ずたぼろにされてしまった。
結局馬渕さんの言われたとおり、今日は1日ダウントレンドの日であった。
ダウントレンドなのにロングを多用してしまい、マヒャドを喰らったようだった(わかるかな?この呪文)。
「おとといきやがれ」
ちっ、ナスダックめ。今に見ていろ。むちゃくちゃかっぱらってやるから覚悟しておけよ。
そう決意して追加トレーニング2日目を終えた。
さて、まだ1時だ。これからどうするか…。
「ここから近いところにワシントン湖の遊覧船が出ているみたいですよ。みんなで乗りに行きませんか?」
おう、それはナイスな案ですな。じゃ、マイケル、よろしくー。
「次の便は3時30分みたいですよー」
なんと。そんなに待たなくてはならないのか。
「さすがにそんなには待てないなー。じゃあ、遊覧船は明日行くことにして、今日は帰ることにしますか」
セミナーに参加されている方たちと共に夕食を食べることになった俺は、一路HYATTまで行くことになった。
「さて、私たちは部屋で一休みしますが、JFKさんはどうします?」
うーん、どうしようか?俺としてはさっさと土産物を買ってしまいたいところだが…。
「ああ、それならぼくと近くのモールに行きましょう。いや、歩いてすぐの所にありますよ」
おおう、ありがたい。お言葉に甘えさせていただこう。
セミナー参加者の方と共に近くのモールに行き、中で別れて様々なところを散策した。
「しかし、日本で売っているものばかりだなー」
本当にそうなのだ。アメリカで売っているものは大体日本で手には入るものが多く、土産にならない場合がほとんどなのだ。
「参ったなー。夕食の時間までまだ2時間もあるよ」
モールの散策に飽きた俺は外に出てみた。
風がひんやりしていて気持ちがいい。良い季節に来たもんだ。
俺は空気を身体全体に吸い込みながら、近くを散策した。
さて、一通り時間をつぶした俺はセミナー受講者の方たちと夕食を取ることになった。
午後六時。
先ほどのモールの中にあるイタリアンの店に入った。
ここでパスタを注文したが時差ボケと水分の取りすぎで1/3も残してしまった。くう。食べ物を残したことなどないのに…。
そんなこんなで店を出たのが午後8時すぎ。
しかし、空はまだ明るかった。
「何、まだこんなに明るいのか」
シアトルは高緯度のため夏と冬で極端に日照時間が違うのだ。
HYATTに戻った俺は一緒のホテルに滞在しているHさんと共にタクシーで帰ることにした。
しかし、待てども待てどもタクシーは来ない。
仕方がないので歩いて滞在しているホテルまで帰ることにした。
「まだつかないんですカー?もしかして道が間違っているんじゃ…」
Hさんのつぶやきが聞こえてくる。
「まあまあ、道はまっすぐなんですからいつかはつきますよ。最悪、いま来た道を戻ればいいだけですから」
そう言いながら40分ほど歩いて、無事、滞在先ホテルまでたどり着いた。
時差ボケでものすごく眠くなっていた俺は、部屋に戻るなり爆睡モードに突入した。
アメリカ滞在2日目終了。
さてさて、明日はどんな日になるだろうか…。
飛翔編 終了。
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