30分ギャップ・プレイ
ニューヨークでは午前9時半から午後4時までトレードで利益を出すチャンスがあります。
私がトレードを始めたシアトルでは、時差のため朝6時半から午後1時までということになります。
ダイレクトアクセストレードでは、イントラデイという、いわゆる一日のうちに売買を済ませるためのプレイがいくつかあります。
日本では、春から夏の間のいわゆる夏時間は夜10時半から午前5時まで、冬なら冬時間として夜11時半から午前6時までという時間帯にトレードをすることになります。
「午後のGO」と勝手に呼んでいますが、ランチタイム後の、上昇を獲る方法があります。
これは、マーケットメーカーが、ランチから戻り、今日中にエントリーしておかなければならない銘柄を、売買しはじめるため、突然値段が上昇または下降するのですが、そのタイミングを捉えて売買するというものです。
これが起こるのは、日本では夜中の2時以降ということになり、日本での実際のトレード時間帯を考えると現実的ではありません。
現在の仕事をしながらトレードを始めたいという大多数の受講者の方にとっては、現実にトレードをすることができる時間帯というのは、夏時間なら10時半から12時ごろまで
、冬時間なら11時半からということになります。
あまり遅くなっては、翌日の仕事に差し障りが出ます。
最もトレードで有利な時間帯は、マーケット開始後1時間から1時間半までです。
この時間帯は値動きの幅が一番大きいのです。
日本からトレードをするなら、時差
のために、夏時間は夜10時半から午前0時まで、冬なら冬時間のため夜11時半から午前1時ごろまでという時間帯が最も値動きの幅がある、つまり儲けやすい時間帯なのです。
ですからこの時間帯に有利なトレード方法でトレードすればいいわけです。
アメリカのいわゆるダイレクトアクセスのトレード手法で、開始から2時間以内のいろいろなレンジをどちらかにブレイクしたらエントリーする方法というのは、米国では一般に、オープニング・レンジ・ブレイクアウト(Opening Range Break Out)と呼ばれています。
後半のトレード時間帯をブレイクアウトするパターンは、トレンド・ブレイク・アウトとも呼ばれます。
トレードでは値動きにあたる上下の幅をコントロールすることはできませんが、左右の時間軸をコントロールして、一定の幅での値動きとの相対的な割合を監視し、仮説をもとにシミュレーションをすることができます。
ですからこうした検証は、米国マーケットでは非常に活発に行われています。
こうしたプレイの個々の要素は、長い歴史のある手法であり、米国では多くのトレーダーによって認証されています。
セミナーでは、こうしたエッセンスを凝縮したプレイとして、「30分ギャッププレイ」という代表的な方法をご紹介しています。
さらにその信頼性を高めるための、トリプルセットアップの手法も、公開しています。
そのメソッドの一部のセオリーは断片的にですが、日本でもトレード手法としてチャート分析などの本でも紹介されています。
しかし、こうした要素を組み合わせて実際のマーケットで検証した、いわゆる使い物になるようなセオリーというのは、見当たらず、特にイントラデイでの手法となると日本では皆無という状態です。
リアルタイムデータの提供や、ECNなどの標準的な電子取引のシステム構築を怠ってきた日本の証券取引所の基本姿勢が、こうしたチャート分析や手法に大きく影響しているといえるでしょう。
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では、早速その例をいくつかご紹介。
ギャップは薄いけれど、移動平均線同士が接近しているため、信頼性の高いパターンです。
1000株換算で約1600ドルほどの利益を出すことができます。
下は15分足チャート。
@赤い移動平均線は15分足チャートでの200移動平均線。
Aグレーの移動平均線は3分足チャートでの200移動平均線。
15分足で換算すると、40移動平均線。
この2つの移動平均線がサポートとなっているパターンを探します。
ギャップを下へブレイクダウンしなければ、ローソク足の動いた方向へエントリーする。
この例では・・
B開始後約30分内での高値を抜いたらエントリーです。
以上の3つの条件が揃った場合にエントリーする条件にトリプルセットアップという名前をつけています。
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クアトロセットアップ
上の小さいグリーンの左下の位置で買うと、1000株換算で約400ドルほどの利益を出すことが可能です。
トリプルセットアップ
大きいグリーンの左下の位置でエントリーすると、1000株換算で約1000ドルほどの利益を出すことが可能です。
クアトロセットアップとトリプルセットアップのどちらを選択するかによって、リスクと利益幅
をコントロールすることができます。
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クアトロセットアップ
上の小さいグリーンの左下の位置でエントリーすると、1000株換算で約300ドルほどの利益を出すことが可能です。
トリプルセットアップ
大きいグリーンの左下の位置でエントリーすると、1000株換算で約800ドルのほどの利益を出すことが可能です。
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ここに検証例があ
ります。
ピックアップした16銘柄中、エントリーが遅くなるDELL以外は、すべてマーケット開始から、それほど時間を経ずに利益を出すことができるパターンとなってい
ます。
もちろんどれくらいのゲインがあるのかまでは予測することはできません。
ですが動くであろう方向はかなり高い確率で予測することができます。
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日本株でも有効
10分足チャート
緑ののラインはボリンジャーバンドのアッパーエンベロープ
ブルーのラインはボリンジャーバンドのローワーエンベロープ
灰色のラインは15分足チャートでの40MA
赤のラインは15分足チャートでの200MA
CQG Inc.社のチャートを使用。
©2002
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http://www.cqg.com
三井物産(8031)
見事なクアトロセットアップの30分ギャッププレイです。
このように、流動性が十分にある銘柄なら、日本株でもこうしたセットアップを使ってトレードをすることができます。
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こうしたプレイは、すべて基礎のメソッドに基づいたものです。
基本のメソッドを理解し、それを検証しながら確実に身に着ければ、オリジナルのメソッドを作ることもできます。
あなた自身の資金・目的などに応じたカスタムメイドのトレード方法を設定することができるのがこのプレイの特徴です。
赤とブルーの半透明のゾーンは、前日とのギャップを示し
グリーンの半透明のゾーンは、利益ゾーンを示しています。
チャートやトレンドツールは、Real
Tick というソフトを使っています。