2000 0428
DELLの想い出
全てをひっくり返したトレードはデルだった。
それにケン・コーク。
マークは説明する。
デルは業績発表をするところで、物凄く儲け、俺は人生最大の利益をあげていたんだ。
追いかけちゃいけないことは知っていたけれど、そんなこたあ知っちゃいないって気分だったね。
だって、デルはそれくらい上げていたんだからね。
俺は2000株買って、次の日にまたもう1000株追加。
含み益は6000ドル近くになり、次の日は大した変化がなかったけれど、「どんなもんだ」ってね。
だから、そのままオーバーナイト。
で、次の日。わあああああ・・・!
大暴落だった。
「俺は呆然として、ただ座っていたよ」マークは続けた。
「椅子を少し引いて、そして12,000ドルが一瞬にしてグシャっとつぶれた痛みを感じていたのさ。
自分のスクリーンのチャートを見ながら、DELLがこんなに下がる兆候がどこかにあるはずだと考えてみた。
ケンは、ニューポートで開催されたプリスティーンの1日セミナーから帰ってきたばかりで、僕の横に座っていた。
彼の机の上にはプリスティーンマニュアルがあったから、僕はこういった。
「ケン、ちょっとそれを借りてもいいかい?」
「そしたら、そこにあったよ」
マークは、そこに書かれているパターンを見なながらマークはそう言った。
5ページには、いろいろな違ったローソク足のチャートがあって、最初のはドージになっていた。ドージ?
それが何かはよく知らなかったんだ。
でも、それは「死のドージ」だって呼ばれていることががわかった。
転換を示すバーなんだ。俺がそのとき見ていたのは、1999年2月3日のデルのローソク足だった。
それさえ知っていれば、12,000ドルを守ることができたんだ。
結局俺は、プリスティーン三日間セミナーを受けるために、次の飛行機に飛び乗った。
それが俺にとって次のレベルへ進むための、次のステップになったのだ。」
ケン・コークはノース・ウェストのエリアで、最初にプリスティーンセミナーを受けた人だ。
彼は我々と同じように、地元のあるデイトレードオフィスで、トレードをしていた。
ボーイング社の元エンジニア-だったケンは、ある情熱のため、早くに引退し、そしてトレードを始めるためにマーケットへ参入したのだ。
「これが私のやりたいことだっていうことは、ずっとわかっていたのさ」ケンはそう語ってくれた。
「私はこうした興奮やチャレンジする精神を楽しむことがが大好きなんだ。だから、1997年の夏にオールテックで始めたのさ。一時はエンジニアだったから、このテクノロジーには随分魅せられたし、何よりチャートを読むというのはとても心地いいことだったからね。
ただ問題だったのは、あの頃、オールテックではチャートを見るなって言われていたことなんだ。
実際、ヤツらはわざわざチャートを消しにくるんだからね。
そう、彼らはただ色を見てトレードをさせたがっていたのさ。
青のときは買いで、赤のときは売りってね。」
「それ本当かい?」と僕はたずねた。
「じゃ、彼らは君が家に帰ったあとに、勝手にスクリーンのチャートを消していたのかい?」
「そうじゃない。彼らは君の目の前でやるのさ。なんてったって、彼らは、ほんの小さな利益で回数を多くこなすトレードを望んでたからね。」
「嘘だろ?信じられないよ。それでケン、君はどうしたんだい?」
「なあに」ケンは笑いながらそう答えた。「彼らがいなくなったら、またすぐに元へ戻したさ。(笑)」
チャートを使えなかったことはともかく、ケンの経験は、初めてマーケットに参加する他のトレーダーたちと、きっと同じようなものだったろう。
「70,000ドルから始め、はじめてトレードをやめてボーイングに戻る時には45,000ドルに減っていたなっていた。」ケンは言った。
「私はブレイクアウト(ぐんと上抜いたとき)に買って、プルバックで下がってきたときに、塩漬けで身動きが取れない状態だったのさ。
大きな損失はなかったけれど、小さな損がどんどん重なるばかりだったよ。
トレードを始めてから3ヶ月でやめてしまったけれど、一年ほどすると、もう一度戻ってトライしなきゃだめだと思ったね。
トレードへの情熱はあったし、とにかくこれには我慢が必要だということは、理解できたよ。
問題は、自分の固定観念を変える必要があったというだけだった。
だから、スウィング・トレーダーに徹することにしたのさ。
「他に変えたことはなかったのかい?」と僕はたずねた。
「まず最初に、非常に強いファンダメンタルを持っているロングサイドの銘柄しかトレードしないことにした。
ほとんどは、Spearレポートから見つけるんだけれど、その中でも優れた銘柄を10から20だけ選ぶのさ。ということは、強いアップトレンドのチャートの銘柄のグループだけを見ることになるよね。
個別銘柄をショートすることはしないけれど、マーケットが弱いときだけQQQをショートすることはあるよ」
「そうして45,000ドルを450,000ドルへ増やしたのさ」とケンは言う。
「面白いことに気が付いたんだけれど、もしダウントレンドが続く日に損失を5000ドル以内に抑えられていたら、今ごろはとっくに100万ドル以上の利益をあげていたはずだ。
ああいった、大きな損失は命取りだ。
新しいリアルティックの機能で、すばらしいところはそこなんだ。
ナスダック銘柄で、ストップロスができるっていうのは、とても役に立つからね。
ストップロスのための、トリガーを引くという難しい感情を、取り去ってくれるからね。
もし誰もが、買う前にストップを入れておけば、それだけで大きな助けになるからね」
「このゲームで大事なことは、損失を小さく利益を大きくすることなのさ」ケンは続ける。
「でもこれは、誰もができるわけじゃないんだ。ほとんどの人は、そんな腹をしてないからね。
みんなは私と同じように始める。
お金を失い、そして消えてゆく。
でも、もし君に情熱があって、とにかく我慢して、学習を続ければ、十分に利益をあげることができるし、またトレードを楽しむこともできるのだからね。
自分に厳しく、トレードを好きになることさ。
そして何より大切なことは、いつどんなときでも、ストップ・ロスを忘れないことさ」
by John H. Jessum
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