ダイレクトアクセスによるトレードを始める場合、ほとんどのケースでは、ダイレクトアクセス専用のブローカーへ口座を開かないと、Real
Tick のような専用ソフトを使用することができない。
この Real Tick(月額150ドルあたりから)が、チャート分析の能力と使いやすさのバランス、またブローカーのサポート能力という点からの現在でのベストの製品だと断言することができるだろう。
チャートの見易さなどは、慣れによる部分によって評価が大きく変わる部分で、慣れてしまえば、ある程度の評価を受けているソフトなら、どれを使っても同じことだ。
それよりも大事なのは、そうしたソフトを使っている最中に、トラブルに見舞われたときのサポートがどの程度充実しているかどうかなのだ。
ブローカーを選択する場合の注意点をいくつかあげて見よう。
英語に自信がなければ、日本語のサポートのないところは避けろ。
電話でのサポートが必要な時というのは、ロスカットのオーダーを入れたけれど、マーケットや回線の関係でレスポンドがなくなったりなどという緊急時のことが多いはずだ。
こういう一刻を争うときに、英語で確実に状況を伝えるのは、かなり英語が堪能でないと無理だろう。
「トレーリングストップを入れたのだけれど、どうもその値段になっても反応がないので、値段はいくらでもいいから即反対売買してほしい。」
これをきちんと英語で説明できるだろうか?
こうしたケースのことを考えると、米国株トレードの経験が充分ではないケースでは、日本語でのサポートがあるところを選択
した方がリスクが少ないはずだ。
また一言で日本語のサポートといっても、ピンからキリまであるので注意が必要だ。
米国マーケットが開いている時間に電話連絡がとれないところは避けろ。
肝心の米国マーケットが開いている時間帯、
3月から10月終わりごろまでの夏時間なら、日本時間の夜の10時半から、明け方の5時まで、
また冬時間なら、日本時間の夜の11時半から、明け方の6時までに該当する。
この時間帯に、一度問い合わせでもなんでもいいから、電話連絡をしてみることだ。
電話が繋がらなかったり、留守電状態が長いところは、避けたほうが無難だろう。
一般的に、手数料が安くて、契約者数の数が多いところは、一旦トラブルが起こると、電話連絡が殺到してつながらなくなりやすいから、注意が必要だ。
Eメールのレスポンドが悪いところは避けろ
たまたま電話が通じなかったり、電話ほど緊急の場合ではないケースでは、Eメールでの連絡が普通だ。
あなたのEメールへの返事が、半日以上もないところは避けたほうがいいだろう。
私が今トレードをしているブローカーは、マーケット開催の時間帯なら、Eメールの返事は遅くても5分以内という素早さだ。
またメッセンジャーで登録をしておくと、日本語のチャットで即対応してくれるのも嬉しい点だ。
このレベルまでとは言わないが、こうしたレスポンドは早いに越したことはない。
勧誘のEメールに関しては素早いが、口座の閉鎖や、資金を引き出す時に限って一気に返事が遅くなるというブローカーなどもあるので、くれぐれもご注意を。
手数料が標準より、あまり安いところは注意しろ
これは思わぬ落とし穴になることがある。
手数料はもちろん安いに越したことはない。
高い手数料が好きな人はいないはずだ。
しかし安い手数料というのは、サービスの内容が同じならばという条件がつくはずだ。
さるブローカーは1トレード5ドル前後という圧倒的な低価格を売り物にしているが、Eメールで問い合わせても連絡がなかったり、突然専用ソフトが使えなくなったりということが頻発している。
またあるところは日本語のサポートこそあるが、口座をクローズしようとしてEメールを送ったら、丸一日以上何の返事もなしといったような例もある。
余りにも安い手数料というのは、必ずどこかでそのコストをカットしているわけだ。
ブローカーは、親会社の取り分は決まっているから、子会社が手数料を安くしようとすれば、その子会社の収益が悪くなることになるケースが多い。
マーケットが低調だったり、また手数料がさらに全体に下がってくれば、それにあわせて値下げしなければならないから、さらにその会社の業績が悪くなるという傾向に拍車がかかることになる。
そうすると、顧客数を増やさなければならないが、そうすると業務量が増加することになり、人員を充分に確保できなければ、それは即サービスの低下に繋がる。
また、業績が悪くなると米国の会社は、突然従業員を解雇したりするのが常套手段なのだが、そういうケースでは、業務の引継ぎなどということはどうしても二の次になってしまう。
ストップ安というような仕組みのない米国マーケットは、銘柄によっては、数時間のうちに数ポイントも下落することがある。
一回の手数料を5ドル前後浮かそうとして、緊急時に連絡が取れなくなり、数万ドルを失うリスクをとっては元も子もない。
「安物買いの銭失い」にならないようにすることだ。
あなたの大事なお金に関する窓口の選択は、充分に注意をすることだ。
損失を出し続けるトレーダーは、手数料を下げて、つまり安いブローカーを使うことで利益を出そう・・というような方向へ思考パターンを転換してしまいがちだ。
成功しているトレーダーで、手数料の安さを優先順位の1位に上げるトレーダーはいない。
確実な利益を出すためのセットアップ条件を守り、きちんと実行することができれば、利益の中での手数料の占める割合というのは低下するものだ。
本末転倒とならないためには、まず常識を働かせることだ。
ソフトとブローカー
一ヶ月に一定回数を越えるトレードをすると、無料になるブローカーが多く、業者による違いはそれほど大きくない。
手数料が安いブローカーは一トレードつまり片道で10ドル前後、高いところで15ドルから20ドルだ。
安いところは、ARCAという自動執行のボタンを使うときに、余分に費用を請求されて加算されるため、実際にはそれ程安くはならないといったことも起こるため、注意が必要だ。
口座を開いてみないと分からない部分がある
また、サービス内容についても、実際にトレードを始めてみないと分からない部分というのがある。
一例をあげると、私が以前トレードしていたところのブローカーを通してのデモに比べると、新しいところのデモつまりペーパートレードでは時々、ショートができなくなることがある。
これはペーパートレードをする人にとっては、一見デメリットのように感じるだろう。
しかしこれは実際にトレードをしているトレーダーにとってはメリットになる。
その理由は以下のような理由によるものだ。
こうしたトレードに使うサーバーの帯域には容量の限度がある。
そのため、マーケットでの取引量が膨大な時間帯になると、レスポンドが悪くなることがある。
そこで、実際に口座で実トレードをしているユーザーを優先するため、ペーパートレードの口座を使うユーザーのショートの執行を制限して、実トレーダーの執行を優先させるという処置をとることがある。
こうした設定はブローカーごとに行われているため、口座を開いて見ないと分からない。
また他の例としては、
こうしてブローカーが独立することにより、様々なメリットやデメリットが生じるが、こうした点もユーザー側にはなかなか分からない。
そのため当社のセミナーでは信頼あるブローカー紹介、口座開設のアシスト、執行ソフトの利用方法も含めて基本からパッケージで提供している。
他のブローカーへ口座開設しセミナー受講をされことについては全く問題ないが、そういう方も一度検討されてみてはいかがだろうか。
ご紹介しているブローカーは、英語に不慣れな日本人トレーダーのためのサービスをDTNセミナー受講生に特別に提供してもらっている。
日本語サポートがあることと、サポートの確実性、また総合的なサービスのバランスを考えた結果、現在ノースウェスト・トレーディング
からデモソフトの提供を受け、受講者の皆さんへ提供している。
手数料は一般的なブローカーとして平均的なもので、手数料が特別安いというわけではないが、ここは日本語のサポートがある
うえサポートレベルも満足の行くレベルだ。
そのため、受講者掲示板での他のブローカーへのリンクや、露骨な宣伝活動は謹んでいただくことをお願いしているのでご了承いただきたい。
余談だが安定性が高いと評価の高い某ソフトは、アメリカのトレードフロアで実際に使っていた Don(ダン)というプロトレーダー(以前セミナーで日本に来られたことのあるトレーダー)の愛用ソフト。
だが、あるときトレードストリームやRealTickは問題がないときに、そのソフトだけ落ちたことがあったのだが、サポートが最悪だったそうで電話をかけるとつながらない、つながっても切られてしまう、などで文句タラタラだったそうだ。
手数料がやすいところはサーバーへぶら下がる人数が多くなるため、傾向としてダメになると、電話が繋がらないということになることが多い。
どんなに安定した執行ソフトでも、サーバーが落ちないということはありえないので、複数の執行ソフトを使うのはプロとして常識だということだ。
こうしたブローカーの選択については、安い料金を優先するのか、それとも確実なサポートを優先するのかという価値観によって、評価は変わってくるものだから、自分で最も気に入ったブローカーを探す努力を惜しまないことだ。
実は以前は違う会社を使っていたが、サポートの悪さとレスポンドの遅さからブローカーを換えたのだが、アメリカのこうしたブローカーの変更は、用紙一枚にサインをするだけのケースが多く、非常に簡単だ。
だから、自分で最も気に入ったブローカーが見つかるまで、ブローカーを変えてみるのも、トレードを快適に、また確実にするためには大事な点だろう。
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