米国スポーツクラブ
事情
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この148THをまっすぐに、家から約20分。 マイクロソフトのそばにある。
シアトル、ベルビューにある Pro Sports Club
プロ・スポーツ・クラブだが、会員になって5年以上になる。
ここにWEBサイトがある。
私はどちらかというと、インドア派だからスポーツマンといったカッコのいいノリは昔からどうも縁がなかった。
しかし健康のために、唯一続けているのが水泳。
水泳は始めてから、かれこれ10年くらいになるが最初は「金槌」だった。
それも取っ手も金属といったほうがいいくらい。
25メートルプールの向こう側へ着いたら、ヘトヘトで、水を飲んでむせるというくらいだったから、いかにダメだったかおわかりになるだろう。
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この建物がエントランスのある部分。 駐車場にはポルシェや高級車が多い。
しかし、人生わからないものである。
ソフトの会社をやっていたときに国体の予選に出たという元水泳選手が会社に入ってきた。
ランチのときに、たまたま水泳の話しになり、健康によさそうだからということで、彼のクチ(口)・コーチで泳ぐことになった。
一番無駄のないのが、クロールだという。
いろいろな泳ぎ方の中で、タイムが一番いいということは、効率がいい泳ぎ方なのだそうだ。
平泳ぎはフォームが悪いと、腰を痛める恐れがあるという。
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道路側から見た駐車場・左奥がプールのある建物
最初は、家のそばのスポーツクラブに入った。
決して安くはない入会金を払うので、行かないともったいなくなるから、続くだろうという作戦だった。
だが、こういうスポーツクラブは、遠いとダメ。
面倒になってしまって足が向かなくなり、結局長続きしなくなる。
私が運動する目的は、ある一定の心拍に上げてそれを続けるため。
血液の循環を良くすることで様々な効果が生まれるのだが、最初はウエイトトレーニングとかランニングとかもやってみた。
でも、水泳が一番あっているようだ。
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これはそのプール側から道路側を見たところ。
右の写真の建物の中には窓と平行にプールがある。
水泳は全身運動だから体のどこかの部分だけを集中して使う運動より、バランスがいい。
呼吸は理想的だし、関節に無理な負担がかかることもない。
また背筋や腹筋もかなり必要だ。
またキックをする足もかなりの運動量だ。
道具とかを使う運動は、道具に凝り始めるという恐れがあるのだが、水泳ならゴーグルくらいしか使わないので、その点からも大丈夫だ。
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入り口
プールの水温はかなり違う。
多くの日本人は、日本のスポーツクラブのプールよりかなり冷たいのにまず驚くはず。
最初はとにかく疲れる。
ヘトヘトになる。
大して泳いでないのにだ。
2、3往復して帰るとぐったりする。まあよく眠れるが・・
やはり無理なチカラというか効率の悪い泳ぎ方だからだろう。
フォームがおかしいのか?
コーチいわく、フォームは私のレベルでは、とやかくいう段階ではないということ。
まず、200メートルをノンストップで泳げるようになれば、あとは1キロでも2キロでも泳げるようになるという。
200メートルを止まらずに泳げれば、ある程度のフォームはできあがるし、無理なフォームだと、どちらにしても泳げないから心配ないというのだ。
うーん。(^_^;
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受け付とロビー。左の写真の左側へ進む。女性のロッカールームは2階にある。
それでも、チンタラと続けていると、少しづつ泳げるようになってきた。
だが200メートルは長いので、手始めに、25メートルプール(普通のプールはこの長さ)を4ラップ、つまり2往復で100メートルを、まず止まらずに泳ぐことを目標にした。
慣れてくると、鼻に水が入って「むせる」ということがなくなってくる。
今では、鼻から水を吸おうと思っても吸えない。そうなるのだ。
慣れとは恐ろしいものだ。
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向こうがロッカールーム。
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ロッカールーム側から見たところ。
このエリアの左右にクリケット用のコートが、6室くらいある。
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クリケットとは、壁に当てて跳ね返ったボールを打つのだが結構人気がある。
最初は、25メートルを泳いだら、向こう側で止まって休憩?していたので、人の泳いでいるのを見ることが多かったのだが、オリンピックの競泳で見るようなカッコいい人は
、なかなかいないものだ。
ゴルフでも、プロのスウィングを見慣れると、素人のは何だかカッコ悪いのと同じだ。
一番多いパターンが、泳ぎ方が左右対照ではないというヤツだが、どちらかの腕の上げ方や、肩の上がり方が反対側のアクションと違うため、ギッコン、バッタンという感じで、オリンピックで見るような水泳とは、全く違う。
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向こう側のプールは、エクササイズや子供用のプール
俺もひょっとして・・という不安が突如として頭をよぎった。
そこで、埃をかぶっていた8ミリビデオカメラの登場だ。
2時間テープをセットしてカメラを回しっぱなしにして、早速帰ってプレイバックすると・・これが俺か?思わず我が目を疑った。
頭がぶれているし、水への手の突っ込む位置がクロスしているから、体がグネグネとして、何ともひどいフォームだった。
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左奥には、ジャグージもある。
一度自分の泳ぐフォームを撮影して、ご覧になることをお勧めする。
自分ではちゃんとしたフォームで泳いでいるつもりが、ビデオに撮ると全く違う。
このギャップの大きさには、愕然となる。
一番の問題は、ブレス(息)をする側の反対側の肩が上がっていないことだった。
ビデオで撮って見て、フォームを矯正ながら泳ぐということを繰り返す。
楽器の練習にも通じることだが、自分流に一度ついたクセは、なかなか直らないものなのだ。
どうしても癖として残るから、意識して泳がないと、なかなかよいフォームにはならないようだ。
そうこうしてしているうちに、1年ほどしたら、200メートルが泳げるようになってきた。
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プールの外では、日なたぼっこをしている
オリンピックなどの競泳では、ターンの寸前に水中で宙返り?して、足で壁を蹴るという、カッコのいいターンをしている。
普通は手で壁にタッチしてターンをするのだが、少し泳げるようになると、これを何とかやってみたくなった。
コーチに聞いてみると少し手前で、ひっくり返ればいいという。
だが、やってみると、思いっきり水を飲んだ。鼻が痛い。
一瞬上下の感覚がわからなくなるのでパニックになる。
日本の会員制のプールでは、このクイックターンをやっている人をあまり見かけたことはなかったが、ここのプロ・スポーツ・クラブでは、ほとんどみんなができるようだ。
練習をすれば、少しずつできるようになる。
ただ、近くでターンすると、何となく壁に足をぶつけそうで、つい遠くでひっくり返るため、足で壁を蹴ることができずに、空振りして水を飲みながらも少しずつできるようになったので、コーチへ、「クチ」ではなく実地で教えてもらうことにした。
ことのき、はじめてプールへ一緒に行ってもらったのだが、基本的には問題ないという。
ただもっと近くでターンを始めた方がいいという。
なるほど。
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屋内のテニスコート。6面のコートがある。
ただし、このクイックターンは、泳ぎに余裕がないと難しい。
何故かというと、息を止めている時間が長いからだ。
ターンを始める前に息を止めて、ターンを始め、壁をキックしてターンをしてから浮き上がって、ストロークを始めてやっとブレスができるのだ。
だから、息が上がりかけた状態ではクイックターンはできない。
クイックターンをするとさらに苦しくなって、その後の泳ぎに、しわ寄せがくることになる。
だから、このクイックターンというのは、その前の泳ぎがある程度のレベルに達していないと、うまく決まらない。
要は美しいクイック・ターンには、ある程度のスピードが必要なのだ。
つまり、泳ぎの総合力が必要になる。
そうこうして2年が過ぎると、ようやく200メートルが泳げるようになり、そうなると確かに、500メートル、1キロ、2キロが泳げるようになる。
1キロ位を泳ぐと、不思議なことに、だんだん暑くなってくる。
水泳部員などは、プールから上がって、ホースで水をかけているのを、他の運動部員が見て、不思議がるという話しを、コーチから聞いたことがある。
なるほど、そういうことだったのか。
それくらい暑くなる。
水中でも体の中から暑くなるのだ。
余談だが、アメリカのプールは、日本のプールに比べて、水温が低いようだ。
アングロサクソンの人種は、アジア系より体温が高い。
日本のプールは、傾向として、水泳もうまく水着が似合ってカッコいい男は、服を着て岡に上がると?趣味というかなんというかダサい人が多かった。
逆に服を着ているとかっこいい人は、水着になってプールで会うと、別人のようにサエないのだ。(もちろん例外はありますよ)
でもアメリカは、こういうギャップが少ないように思う。
不思議だ。
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ロッカーはカードを差し込むと、キーを掛けた後で抜く事ができる。
ただうっかりすると、カードを差したまま忘れることがある。ロッカーは、木製。
最近では、500メートルから1キロくらいを、体調に合わせて無理をしないで泳ぐことにしている。
別に水泳の選手になるわけではないのだからね。
このプロ・スポーツ・クラブは、1ヶ月60ドルくらいを払えば後は使い放題。
バスタオルは入り口で、カードをスキャンした後は何枚でも貸してくれる。
ここの、スチーム・サウナが気持ちいい。もちろんジャグージーもあるし、ドライサウナもある。
だから気分転換プラス、リラックスプラス、一泳ぎという感覚で楽しんでいる。
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ジャグージーは4人ほどが一度に入れる。向こう側がロッカールーム。
スチーム・サウナが気持ちいい。
もちろんジャグージーもあるし、ドライサウナもある。
だから気分転換プラス、リラックスプラス、一泳ぎという感覚で楽しんでいる。
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スチームサウナは最高だ。温度が高いのがまたいい!
ドアの左側は、スチームサウナ用シャワー
のどが乾いたときのために、製氷機で氷が山のように用意されているし、プラスティック・コップももちろんある。
小型の水着用脱水機もある。
生乾きの水着を入れるプラスティックの袋もある。
ドライヤーももちろんあるし、各シャワーブースには、シャンプー・リンス・ボディーソープが使い放題で、すべて1ヶ月の料金に含まれている。
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2階のレストランからは、テニスコートがこのように見える。
クロールの上手下手を見分ける方法
もちろんフォームがキレイだったり、クイック・ターンができるといったこともありますが、ポイントはキック。
キックをするときに、水飛沫がハデな人は、上手ではないと思っていい。
上手な人は、たまにバシャという音がするくらいで、キックが目立たない。
足をあまり蹴っていないのではないかというような人は、スピードも速いはず。
もちろん、オリンピックに出るくらいのレベルの人は、キックもハデですよ。
そうしないと、スピードが出ませんからね。
まあこうクラスは、誰が見たってわかるので例外ですが・・
ちなみに、オリンピックに出るくらいの、トップクラスのスイマーは、100メートルを50秒くらいで泳ぎます。
ということは、25メートルなら12秒少しくらい!
私は、25秒くらいかな。
20秒を切ったら、かなり早い。
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テニスのレッスン
水泳は、個人のスポーツだ。泳いでいるときは、何も考えずに無になれる。
水の音しかしない世界だ。
でも1キロも泳いでいると、今何ラップしているのかわからなくなったりすることが時々ある。
退屈してくると、時々、自分の手や足を意識して、泳ぐといい。
自分のクセを注意したり、少しキックを強くしたりしながら、いわゆる目的を持ってラップするのだ。
水中では、カラダの重さなど、すべてが軽く感じる。
気持ちも軽くなる。
プールから上がったときだけは誰でも、文字通り「水もしたたる、いい男」になれるぞ!
アメリカでは、店の中を勝手に写すと嫌がられる。
レストランや、人の多い、トレーニングマシンのエリアを、撮るチャンスがなかったのは残念。