パンは体に悪いわけがない?!で触れましたが、では何故筆者の家族はパンを食べないのか?
確かに「パンを食べると幸せな気分」になります。
何と言ってもパン屋さんの近くを通っただけでいい香りがしますからね。
食べればフワッと柔らかい食感で、幸せな感覚に包まれます。
そのため、また次の日も食べたくなります。
「食べると幸せな気分になる」というのは、とてもいいことのようですが、実は、これは危険な現象なのです。
小麦のもたらす多幸感(非常に強い幸福感)は、すでに「中毒症状」を起こしている症状そのものなのです。
パンの基本的な材料である小麦、なかでも小麦に含まれるグルテンは、人体に害となる多くの作用があります。
中毒症状も、数多いパンの問題点のなかの1つなのです。
多くの人は、甘い菓子パンや油っぽいスナックパンが悪いのは何となくわかるが、食パンはご飯と同じシンプルな主食なのだから悪いはずはない」と感じているのではないでしょうか?
これは食バンを常食されている多くの人が持っている感覚でしょう。
どんな食バンにも入っているのが「小麦粉」と「砂糖(もしくは砂糖に準じる糖類)」です。
小麦粉には、含まれるグルテンの質と量によって、強力粉、中力粉、薄力粉があります。
その中でも、パンに使われるのは、最もグルテンが多い強力粉です(H.13%程度)。
そしてほぼすべての食バンには、なんらかの油脂が使われています。
バターを使っている場合もごく希にありますが、大部分はコスト面から、日本ではマーガリンやショートニングが使われています。
これらは、人の健康に悪影響を与えると問題になっている、トランス脂肪酸という物質を多く含んでいるのです。
バンやうどんを作るとき、小麦粉に水を加えて練つていくと、強い粘り気が出てきます。
この粘り気を作ちているのが、グルテンというたんぱく質です。
品種改良は生産者の都合だけで行われている
パンの問題点は、現代の小麦が、古代の西洋人が食べていたものとは大きく違っているという点です。
小麦の品種改良を重ね、肥料に対する反応がよく、すぐ収穫できるように成育期間の短いものに改良されてきたからです。
さらによリフワフワとした食感を引き出すため、昔の小麦より多くのグルテン(を構成するグリアジンとグルテニン)を含んでいます。
つまり現在の小麦は、本来の形のものでなくなってきているため、人が備えている消化酵素では、消化がしにくくなっているのです。
日本では、特にフワフワ感やもちもち感のあるパンがもてはやされます。
そのため、欧米に比べるとグルテンや添加物の多いパンが目立ちます。
そうした意味から、日本では欧米のパンよりも、健康被害を起こしやすいパンが販売されているのです。
消化されにくい現在の小麦で作ったバンを食べると、未消化のものが腸内に残り、体内に入りやすくなります。
すると体内で、この未消化物は異物と見なされ、それを攻撃する「抗体」ができてしまうのです。
抗体は本来、細菌やウイルスなどの異物から体を守るための「武器」です。
日標とする「敵」に合わせて、効果的に攻撃できる構造を持つものが体内で作られるのです。
グルテンが引き起こすトラブル
小麦のグルテンは消化されにくいために、体内で「異物」と見なされ、それを攻撃する抗体ができてしまいます。
このことが、小麦アレルギーを起こす原因になるのです。
小麦のグルテンと、人のいくつかの臓器や体内物質とは、その構造がよく似ているのです。
たんぱく質は、20種類のアミノ酸〈たんぱく質の構成成分)の組み合わせでできています。
その配列しだいで、無数の種類のたんぱく質になるのです。
私たちの体内で異物を排除するためにできる「抗体」は、アミノ酸配列で敵を見分けて攻撃します。
そのため、グルテンを攻撃目標として作られた抗体が、私たちの小脳の組織を、敵と見誤って攻撃してしまうのです。
ではどこを攻撃するのでしょうか?
何種類かの神経細胞
肝臓・脳・副腎皮質でできる酵素
甲状腺・卵巣・精巣・膵臓・胃・心臓
このように、小麦のグルテンに対する抗体ができることで、全身の重要な臓器が攻撃されてしまうことがわかるはずです。
グルテンの抗体との関係が最も明らかなのが、「セリアック病」という病気です。
疲労感をはじめ、下痢、関節炎、発達障害、精神症状、てんかんなどを引き起こす病気で、欧米には日本より多く見られます。
特にアメリカでの発生率は人口の1.4%で、この50年で5倍にもなっています。
パンを食べると引き起こされる病気
腸のトラブル(過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎など
神経系の異常(自律神経失調症、神経症、頭痛、パーキンソン病、多発性硬化症など)
精神疾患(うつ、躁うつ病、統合失調症、不安障害、自閉症、多動症、認知症など)
自己免疫疾患(慢性関節リウマチ、橋本病、バセドウ病、全身性エリテマトーデス、サルコイドーシスなど)
皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、乾癬など)
慢性疾患(自律神経失調症、線維筋痛症、慢性疲労症候群など)
生活習慣病(糖尿病、肥満など)
グルテンとこうした病気との関係について、日本ではほとんどの方がご存じないのです。
ですが海外ではすでに多くの論文が出ています。
論文を引くサイトで検索すると、1000以上の論文が見つかります。
グルテンが引き起こすアレルギー
テニスプレーヤーのジョコビッチ選手は、幼いころから鼻詰まりやアレルギーに悩まされてきました。
選手の実家はピザ屋さんなので、彼はおいしいピザを食べて育ったのです。
その結果、体内にグルテンの抗体ができていたのです。
グルテンの抗体ができる、試合の途中で突然の嘔吐やエネルギーの欠如、試合後の筋肉痛の持続、呼吸困難などに悩まされるようになります。
ジョコビッチ選手の場合、強い症状が出たことから、検査をして原因が小麦だとわかりました。
小麦の除去食をとり始めたところ、別人のように症状から解放されたのです。
著書での彼自身の言葉でいえば「そこそこいい選手から、世界最高の選手に」生まれ変わり、テニス界の頂点に立ったのです。
現在、バンに使われている小麦のほとんどは、完全に精白されています。
精白された小麦粉は、血糖値を上げやすい食品です。
なぜなら小麦には、ほかの穀物に比べて、「アミロペクチン」という、血糖値を急激に上げるデンプン(糖質)が含まれているからです。
その小麦粉でできたバンを食べると、急激に血糖値が上がり、それに伴ってインスリンが急激に分泌されます。
多くのバンには、砂糖が含まれていますが、砂糖も急激に血糖値を上げる代表的な食品です。
インスリンが急激に増えたあとは、その作用で血糖値は急激に下がります。
このとき、ちょうどよく下がればいいのですが、インスリンが過剰に出てしまい、血糖値が下がりすぎて低血糖になることが少なくありません。
食事による低血糖は、「反応性の低血糖」と呼ばれます。
その症状は、以下のようなものです。
手足が冷たい、ふるえ、冷や汗、日のかすみ
砂糖の渇望(甘いものが欲しくてたまらなくなる)
空腹、慢性的な消化不良や吐き気、消化器障害
神経過敏、キレやすい、疲れやすい
フラフラする、めまい、よろめき、ため息とあくび
抑うつ、眠気、不眠、頭痛、決断できない、集中力の欠如
忘れつぽい、絶えず悩む、わけのわからない不安、不機嫌、精神的混乱、自殺志向
夜の恐怖、夜驚(夜中に突然、日覚めて泣き叫ぶ)
動悸、頻脈(脈が速くなる)、息が切れる、息が詰まる
筋肉痛、感覚麻痺、筋肉のつり、動きがギクシャクする、不随意運動(動かそうと意識しないのに起こる動き)
痙攣・皮膚がかゆい、皮膚に何かが這うような感覚、皮膚がチクチク、あるいはヒリヒリする感覚
パンによつて血糖値とインスリン分泌量の乱高下をくり返していると、ほかの害も出てきます。
例えば、血糖値のアップダウンにかかわつている自律神経の異常や、ホルモンバランスの異常を引き起こすことがあります。
また、インスリンは細胞に糖をとり込ませるだけでなく、余った糖は脂肪に変えて脂肪細胞にためる役目もします。
ですから、バンを常食してインスリンが多く出るほど太りやすくなります。
特にバンで太る場合、内臓脂肪が多くつくので、おなかまわりが太くなります。
パンを常食して高血糖が続くと、「糖化」(酵素の働きなしにたんぱく質や脂質に糖鎖が結合すること)といわれる反応が起こり、身体に有害な糖化物質がつくられるという弊害も出てきます。
体や細胞の「コゲ」のようなものです。
糖化物質を体にため込むと、細胞の「サビ」でもある酸化や炎症が起こりやすくなり、肌のシミ・シワをはじめ、動脈硬化、腎障害、神経障害など、体のさまざまな場所のダメージが進みます。
さらに、血糖値とインスリン分泌量が乱高下するほど、インスリンを分泌する膵臓に負担がかかります。
これが続くと、糖尿病になるリスクが高まります。
反応性の低血糖は、もともと体質的にインスリンの分泌機能が弱い人が起こしやすいという背景もあるので、そういう人がパンを食べ続けると、糖尿病を発症するリスクはさらに高まります。
そのため日本人は、糖尿病になりやすいのです。
小麦を食べると、体内でモルヒネによく似た物質ができます。
それは、小麦のたんぱく質であるグルテンが分解される途中でできる「エキソルフィン」という物質です。
パンを食べると、体内でカゼインが分解される際、1つひとつのアミノ酸まで完全に分解されずに、少数のアミノ酸がつながった「ペプチド」という状態になることがよくあります。
そのペプチドの一種としてできるのが、モルヒネ様物質のエキソルフインです。
この物質が脳内に作用して「幸せ感」をもたらします。
そのため、くり返し食べたくなる中毒症状が引き起こされ、食欲も先進させるので、さらにバンを食べ続けてしまうのです。
不要なものがカラダにどんどん取り込まれる
私たちの腸は、食物を消化・吸収する際、必要なものだけを通し、不要なものは通さない機能を持っています。
小麦は、腸のこの機能がうまく働かないようにしてしまうのです。
このことを、医学的には「腸の透過性が上がる」といいます。
透過性、つまり「通り抜けやすさ」が高まるということです。
自然界で消化できない物質(加工品や添加物、トランス脂肪酸、電子レンジによって変性したものなど)が大量に腸に入り、未消化物が多くなると、悪玉菌が棲みやすい環境になります。
すると、炎症が起こりやすくなるのです。
腸に炎症が起こると、上皮細胞の物理的な結合が緩んだり、粘液などの防御機能が低下したりします。
そこに異物の攻撃を受けると、腸粘膜の「ふるい」の穴が大きくなってしまいます。
こうして、体内に通すべきではない異物を通してしまい、そこに免疫細胞が集まって、異物に対する抗体をつくります。
全身を攻撃する抗体(IgG抗体など)ができ、さまざまな組織が攻撃されてしまうのです。
これを「リーキーガット症候群」と呼びます。
リーキーは「漏れる」、ガットは「腸」を意味し、物質を通しやすくなることを「漏れる腸」と表現したものです。
パンの常食はリッキーガット症候群への近道
リーキーガット症候群を起こす原因としては、抗生剤の乱用やカビの繁殖、慢性的なウイルスヘの感染、異常な抗体の産生などもありますが、最も日常的な原因が、パンをはじめとした小麦製品の常食です。
うどんやラーメンパスタなども小麦製品です。
腸の炎症とそれによるリーキーガット症候群によつて、アレルギー疾患、自己免疫疾患、精神症状、感染症などが起こりやすくなります。
アレルギーを持つ人は、アレルゲンをとつてすぐ症状が現れる即時型でも、数時間.数日後に症状が出る遅延型でも、同様に腸の透過性が上がつているという報告があります。
研究では、主に4つの食べ物で反応が強く出るのです。
牛乳、小麦、イースト、大豆です。
グルテン自体も神経障害を引き起こすうえ、代謝に欠かせない酵素の働きを阻害するのです。
小麦アレルギーがあるとはかの食品にも反応し、小麦にアレルギー反応がある人は、牛乳、チヨコレート、コーヒー、キヌア(雑穀の一種)、大豆、卵、コーン、米、ジャガイモなどにも反応を起こすことがあります。
このように、1つの食品へのアレルギーが、ほかの食品にも波及することを「交差反応」といいます。
小麦を筆頭に、多数の食品に反応が出ていた場合、そのすべてを除去すれば栄養失調になりかねません。
そういう場合は、まず、小麦を除去することです。
パン・麺類の常食を止めればいいのです。
小麦は、通常のアレルギー反応を起こすだけでなく、腸のあ透過性を上げ、ほかの食品も含めてアレルギーを起こしやすくします。
バンなどの小麦製品をやめただけで、ほかの食品へのアレルギー反応が出なくなることも多いのです。
ベーキングパウダーにはアルミが入っている
バンに含まれるその他の危険な物質として砂糖・人工甘味料があります。
多くのパンには、ふつくらさせるために、ベーキングパウダー(ふくらし粉)が使われています。
ベーキングパウダーにはアルミニウムが入っています。
アルミニウムは脳に有害で、記憶喪失やアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)の原因の1つといわれています。
アルミニウムは、アルツハイマー病以外にも、パーキンソン病や慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患、神経障害、ADHD (注意欠陥。多動性障害)や自閉症などの発達障害、糖尿病、ぜんそく、不安障害やパニック発作、筋萎縮性側索硬化症(全身の筋肉が萎縮する難病)、骨粗穆症、皮膚ガンや乳ガン、アレルギー、慢性疲労など、多くの疾患との関連が指摘されています。
日本でも、遺伝子組み換え(CMO)作物は承認されています。
2017年8月現在で、176品目もあります。
パンは遺伝子組み換え(CMO)作物の王者
豆腐などには、原材料の欄に「大豆〈遺伝子組み換えでない)」と表示されていますが、こういったGMOに関する表示は、大豆など決められた8品日以外は、法律で表示してはいけないことになっています。
「表示しなくてよい」ではなく、「表示してはいけない」のです。
オーマイガッ!
したがって、GMOに関する表記がないからと、CMOでないとは考えるのは大きな間違いです。
逆に、原材料にただ「小麦」と書かれている場合は、ほぼ輸入物であり、GMO小麦と考えていいでしょう。
国産小麦を使うと、コストが高くなりますが、消費者にアピールできる要素でもあります。
ですから必ず「国産小麦」と書かれているはずです。
「国産」と書いてなければ、通常は輸入物です。
中でもアメリカをはじめ、世界で多くのシェアを占めているのがCMO小麦です。
油断ならないのは、パツケージに「国産小麦使用」と書いてあるケースです。
実際は原材料の50%に国産を使用していれば「国産」という言葉を使うことができるのです。
残りの半分はどこ産かはわからないのです。
「国産100%」と書かれていなければ信用できないのです。
また、パンに使われる牛乳・乳製品を出している牛は、GMOのホルモン注射が打たれている可能性が高く、その牛のエサは、GMOの大豆や穀物が多いのです。
ミルクを飲むとダメなのは、こうした点にも問題があるからです。
さらに,菓子パンなどに使われるコーンシロツプのトウモロコシは、ほとんどがGMOです。
GMO作物は、動物や昆虫、ウイルス、細菌からの遺伝子を組み込むことにより、その作物の持つたんぱく構造を変え、害虫や農薬などに強くなっています。
そのため、体はその作物を食物と認めず、異物とみなして免疫システムで攻撃することがあります。
その影響で、自分の細胞まで攻撃するようになり、アレルギーや自己免疫疾患、ガンなどを引き起こすのです。とても怖い食品なのです。
おまけに農薬入り
GMO作物は、「グリフォセート」という農薬への耐性を持たせることも大きな目的となっています。
グリフォセートは除草剤として販売されている農薬です。
わざわざ農薬に強くした作物ですから、当然、GMO作物にはかなりの量の農薬を使用してあります。
ですから、GMO食品を食べれば、その残留分を摂取することになります。
グリフォセートは腸内の善玉菌を殺し、病原菌の成長を促します。
それによって腸の炎症を引き起こし、前述のリーキーガットを悪化させてしまうのです。
また、グリフォセートは、腸内細菌の成長に必要な酵素や、エネルギーを産生するときに必要な酵素、解毒に大切な酵素などを阻害します。
そして、脳の発育、学習、感情、集中、睡眠にかかわる神経伝達物質や、メラニンや甲状腺ホルモンの原材料になるアミノ酸の反応を阻害します。
そのため、自閉症、認知症、甲状腺機能障害、白髪、肌のトラブル、下痢などが引き起こされます。
ひいては、神経障害による発達障害の増加、アレルギー疾患、ガンなどの増加にもつながるのです。
学校給食で病気になる下地が形成されるという現実
日本では、戦後生まれの人はほぼ全員、6年間、もしくは9年間、学校給食でバンと牛乳をとっています。
給食のパンは、とりわけ質に問題があるうえ、牛乳と一緒にとることで、体には強い悪影響を与えます。
これを成長期の長期間に渡り摂取するため、あとで良質な小麦をとっても、小麦の害を受けてしまう人が多いのです。
いかがでしょう?
パンを食べるメリットは「幸せな気分になる」という点だけです。
ですがあまりにもデメリットが多すぎる食べ物なのです。
カラダに悪影響を与える成分が「てんこ盛り」で含まれていることが、よくおわかりになるはずです。
にもかかわらず、ほとんどの小学校では、給食でパンと牛乳が出ます。
学校給食の献立で検索すると、沢山でてきますので、ぜひご覧ください。
神戸だと使用食品一覧表(2019年10月)を見ると小麦粉を使ったものがどれだけ多いのかがよくわかります。
学校給食予定献立表(令和元年度)で10月の献立を見ると、21日間で牛乳は21回飲む、つまり毎日飲むことになります。
パンは10回・ご飯は11回登場します。
小麦・牛乳・糖質まみれの献立だということがよくわかります。
余談ですが、神戸屋のレストランではパン食べ放題のサービスがあります。
筆者は時々カミサンと行きますが、パンは一切食べません。
ですが店内を見回すと、筆者とカミサンさん以外の客は、ほぼ100%といっていいでしょう、美味しそうにパンを食べています。
これが現実です。
知らぬが仏。
ちなみに「知らぬが仏」とは、「知れば腹が立ったり悩んだりするようなことでも、知らなければ平静な心でいられるということのたとえ」です。