英国でビーガンが急増、しかし関係者からも衝撃的な発言が相次いでいる
英国では今、ビーガン(完全菜食主義者)になる人が急増しているが、関係者からも「健康のためには勧めない」などの発言が相次いでいる。
最近、ビーガンにとって衝撃的な発言が重なった。
まず、ビーガンの強い味方であるはずの「ホールフーズ」のトップが、大豆などで作った「ベジタリアン・ミート」(ベジミート)は「環境にはいいけど体には悪い」と発言したのだ。
ホールフーズは、自然食品やベジタリアン食品などを扱う大手スーパーで、全米で展開する他、カナダや英国にも進出している。
最高経営責任者(CEO)のジョン・マッキー氏は、20年にわたりビーガンを貫いている。
さらに8月末、「ビーガン食では脳が必要とする栄養素を十分補えない」という主旨の論文が発表された。
英ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル系列の医学誌「栄養、予防&健康」(電子版)に掲載されたもので、英国で栄養や健康に関するコンサルタント業を営むエマ・ダービーシャー博士が書いたものだ。
ダービーシャー博士によると、コリンは神経伝達物質合成や細胞構造などに必須の栄養素で、肝臓で作られてはいるものの十分ではなく、食物として摂取して補う必要がある。
不足すると、肝臓病や神経系の病気になる可能性がある他、妊婦がコリン不足になった場合、胎児の認知機能に障害が出る可能性もあるとしている。
英国では食事ガイドラインなどにコリンを含めておらず、なぜコリンの重要性がこれほどまでに見過ごされてきたのか、と同博士は英国政府の対応に疑問を投げかけている。
論文では、一般的に牛肉や卵、魚、鶏肉、ナッツ、牛乳、そしてブロッコリーなどのアブラナ系の野菜にコリンが含まれているとしている。
しかし含有量を表したグラフを見ると、牛のレバー、卵、牛のステーキ、鮭などに多く含まれ、全体的に植物性食物よりも動物性食物に多く含まれているのが分かる。
しかしビーガン協会は、ダービーシャー博士のこの論文を受けて声明を発表し、同博士の主張を完全否定した。
同協会は、英国栄養士協会が発表した「ビーガンや植物由来の食生活で十分(コリンの)必要要件を満たすことができる」という言葉を引用し、妊婦や子どもを含む誰にとっても、ビーガン食は健康的な生活を支援するものだと書いた。
ビーガン協会はまた、「コリンは大豆やキヌア、ブロッコリーなど植物由来の食物に広く含まれている」というビーガン協会の栄養士ヘザー・ラッセル氏の見解を紹介している。
ラッセル氏は、「完全菜食主義に切り替えた場合でも、あまり加工されていない食物をバランス良く食べれば、コリンのサプリメントを飲む必要などない」と同協会に話したという。
ビーガンという言葉よりもベジタリアンの方が日本では知名度があるのですが、この二つは違うモノです。
ビーガン=ベジタリアンではありません。
どちらも菜食主義者という言葉ですが、実はビーガンはベジタリアンの一種。ベジタリアンにも色んなパターンがあります。
乳製品と菜食の「ラクト・ベジタリアン」
乳製品と卵・菜食の「ラクト・オボ・ベジタリアン」
乳製品と卵に加え、魚は食べてもよいとする「ペスコ・ベジタリアン」など、菜食主義にもバリエーションがあります。
ビーガンは、一切の動物性食品を口にしないという、「完全菜食主義者」です。
ビーガンの主なたんぱく質源は豆類です。
大豆や豆腐、味噌などの他、大豆ミートやグルテンミートなどでたんぱく質を摂取しています。
大豆ミートやグルテンミートは元来大豆アレルギーの人向けに、肉の代用品として作られた食品です。
今ではアレルギーがなくともベジタリアンや肉の摂取を控えたい人にも食べられています。
牛乳の代わりに豆乳やアーモンドミルクを飲むことが多く、乳製品の代表格であるチーズ、ヨーグルトは植物性の原料で作られたビーガン仕様のチーズや、豆乳ヨーグルトが売られています。
ですが植物性の食べ物でプロテインを摂取しようとすると、動物性の食品よりも、かなり大量に摂取しなければなりません。
プロテインスコアが80以上の植物性食品は「そば」だけです。
大豆・納豆・豆腐などのプロテインスコアは、50台前半なので、かなり大量に食べないと十分なタンパク質を摂取できないのです。
たとえば、1日に必要なタンパク質を豆腐で摂るとしたら、1食2丁×3回の量が必要になります。
このように、十分なタンパク質を摂取する前に、お腹がいっぱいになって食べられなくなってしまうのです。
体重50キロの人が健康維持のために必要なタンパク質は1日50gです。
筋肉トレーニングをしている人や美肌・アンチエイジングを目指す人、難病の治療であれば、1日に最低100gくらいは必要です。
ほとんどの人は、タンパク質不足が原因で、カラダのあちこちが痛くなったり、骨盤がゆがんだり、骨がもろくなり、軟骨がなくなり、筋肉が弱くなってしまうのです。
ビーガンを実践するとほぼ例外なく栄養失調になります。
その結果、老化が早まるのです。
まず筋肉が減るので、体重を支える力が弱くなります。
また、ビーガンの人の多くは貧血か貧血気味になるため、活力の無い毎日を過ごすことになりやすいのです。
そして、腰が痛い、膝が痛い、首が痛いなどといった整形外科系の体のトラブルが頻繁に発症します。
また、筋肉が減れば当然体温も低くなるため、抵抗力が低下してゆきます。
体の水分が減ってしわが増え、見た目も老化してしまうのです。
このように、ビーガンやマクロビオティックを実践して、いいことは、ひとつもないのです。