死亡リスクというインパクトの強い言葉を冒頭に使った、女性セブン2019年9月12日号の記事です。
記事全体が短くスカスカなので、わかりやすい例として、取り上げました。
なので全文を引用させていただきます。
青字が記事の内容です。
根強く今も流行り続けているのが「糖質制限ダイエット」。
手っ取り早くやせられるので実践する人が多いが、リバウンドもしやすいため、"万年ダイエッター"を増加させる要因にもなっている。
長期間、糖質を制限することのデメリットはあまりに大きい。
女性週刊誌だけあって、「糖質制限ダイエット」というキャッチーなフレーズを使っていますが、デメリットはあまりに大きいそうです。
じゃあ、デメリットがあまりにも大きくなるのは、どういう理屈なのか?
国立国際医療研究センターによると、心疾患や腎臓病を含む総死亡率は、高糖質の人と比べて低糖質の人の方が31%高かった。
米ハーバード大学が25年間にわたり行った調査でも、最も死亡率が高いのは、食事に占める炭水化物の割合が3割以下の人だったという。
都合のいい調査結果を持ち出して、否定しておくという、よくあるパターンです。(笑)
工藤内科ダイエット外来の医師・工藤孝文さんが話す。
通常、成人は1日に必要なカロリーの6割を炭水化物から得ます。
そのため、主食を絶ったりするとカロリーが減りすぎてエネルギー不足に陥ります。
ふらつきやめまいなど日常生活に影響が出るだけなく、筋肉が落ちて、気がつけば見た目はスレンダーでも筋肉はスカスカ、代謝も落ちて悪循環、という状況に陥る。
これは"隠れメタボ"の状態で、中性脂肪が体内にたまり、心臓病や脳卒中を招いてしまうのです。
この記事の大きな間違いは、炭水化物の摂取を減らした代わりに、タンパク質でカロリーを補給すると言う基本的な方法をやらずに、ただ炭水化物だけを減らしたことにあります。
摂取カロリーを減らせば痩せるのはあたりまえです。
炭水化物の摂取を減らした分のタンパク質を補給しなければダメなのは当たり前田のクラッカー。
カロリー不足に持ち込み痩せるのは、不健康極まりない方法です。
肥満指数のBMI値で見た研究でも、BMIが高い人より低い人の方が死亡リスクが高いという研究結果がある。
女性の場合、BMI19以下になると死亡リスクが61%も上昇するという。
BMIという糖質制限とは全く関係の無い数値を持ち出し、低いと死亡リスクが高くなるという理屈を捏ねています。
ほんまかいな。(笑)
BMIというのはボディマス指数(ボティマスしすう)のことで、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数で、身長と体重の比率を数値化したものです。
低いと死亡リスクが高くなるというのは本当でしょうか?
国立がん研究研究センターの男性16万人・女性19万人を11年から13年間追跡調査した日本人のBMIと死亡リスクという統計結果があります。
男性の「全死因」を見ると、「心臓病」と「脳血管疾患」による死亡リスクは、BMIの高低による上昇が拮抗しているか、またはBMI高値の場合により顕著な上昇が見られ、そのグラフは「U型」または「J型」の曲線を描いています。
女性の「全死因」による死亡リスクのグラフも、男性と同様、「逆J型」の曲線を描きますが、「がん」による死亡リスクについては男性の場合と異なり「逆J型」が見られず、統計的に有意なリスク上昇がみられるのはBMI30-40カテゴリー(肥満)においてのみでした。
病気や喫煙による体重の増減の影響を避けるために、5年以内の早期死亡例を除外したり、男性では非喫煙者に限ったりして分析を行いましたが、結果は同様でした。
BMI低値による死亡率の上昇が際立つ点は、南アジアや東アジアのデータを対象とした国際共同研究の結果と一致しますが、欧米における研究ではBMI高値による死亡率上昇の方が際立つ結果が得られています。
何がこうした違いをもたらしているかについては、分析の手法そのものも含め、今後さらに研究が必要でしょう。
結論
「炭水化物摂取が3割以下」の糖質制限は危険で、死亡リスク高めるという根拠は、記事のどこにも全く書かれていません。
関係の無いBMIを持ち出し、しかもその研究結果は真逆だったという、とんでもないオチの記事だということがよくわかります。
健康寿命を延ばそうと糖質制限をしているのに、かえって寿命を縮めてしまうのでは本末転倒だ。
父が入所している老人ホームでも、長生きしている人は痩せている人ばかり(低BMI)で、90歳以上で太っている人(高BMI)は一人もいません。
BMIは高い方が寿命が短くなるということは、ちょっと考えればわかることではないでしょうか?
このようにネットでは、根拠なく適当にデッチ上げた、間違った記事が氾濫しています。
あなたの糖質制限に対する正しい理解がどの程度のものなのか?
それを知るためには、こうしたアンチ糖質制限の記事を探し、突っ込みどころを探すという作業で、よくわかるはずです。
お試しあれ。
下記は、お試し用記事です。
糖質制限ブーム! ~あなたの"自己流"が危険を招く~ NHK
しかしみんな、都合のいい部分だけをうまく繋ぎあわせてるよねえ・・
仕事だから仕方ない?(笑)
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