ビタミンCと風邪の予防

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コクラン・レビューにおけるビタミンCの記述はインチキだらけ

コクラン・レビューにおけるビタミンCの記述

"ビタミンCは風邪の予防には効果がない"。

 

何故なら

  
1)ビタミンCの200mg~1g投与群、1~2g投与群、2~3g投与群で、どの群も風邪を予防出来なかった。

2)1日単回ビタミンC4g投与群、8g投与群で、どの群も風邪を予防出来なかった。

  

コクラン・レビューに対してスティーブ・ヒッキーは以下のように述べている。

  

1)クレナーは重症感染症の治療にビタミンCを10~100g使った。

投与量が全然足りていない。

高用量で効果があったとする報告は無視して、低用量で効果がなかったという報告のみで判断している。

  
2)キャスカートは、ビタミンCの腸耐性用量は3~20gであるが、感染症時には腸耐性用量が増加するので、12~15回に分割して60~100g投与する。

20分毎にビタミンCを服用して腸耐性用量に達したら投与量を減らす。

   
3)ウイスキーをグラス一杯飲むとほろ酔いになる、グラス2杯ではかなり酔っ払う。

ボトル1~2本飲むと死ぬ可能性がある。

しかし、グラス1/5杯、グラス2/5杯飲んでも酔わないので、"ウイスキーを飲んでも酔っ払わない"と結論づけるようなものでバカバカしい。

  

また、"RCTが最高のエビデンスだ"というコクラン・レビューに対してヒッキーは以下のように言う。

 

1)ビタミンCは末期がん患者の寿命を10倍延長することが明らかとなっているのに、コントロール群(ビタミンC非投与群)を設定してRCTを行うなんてとんでもない。

2)ビタミンCは重症感染症に効果があることが明らかとなっているのに、コントロール群(ビタミンC非投与群)を設定してRCTを行うなんてとんでもない。

3)心臓を銃撃すると死ぬことは明らかだ。心臓を銃撃する群と心臓を銃撃しない群におけるRCTを行うなどあり得ないはずだ。

   

医学界で最良のエビデンスデータベースとされているコクラン・レビューも所詮この程度。

コクラン・レビューをはじめとするエビデンスを有り難がる医者は本当にどうしようもない。

   

ビタミンCが効果を示すためには、1)高用量、2)分割投与が必要であることはわかりきっているのに、コクラン・レビューはこれを全く理解していない。

  

また、両群間の治療成績に圧倒的に差がある場合にはRCTを行うのは全く意味がないのは明らかだ。

それに対して"エビデンスがあるのか"などと寝ぼけたことを言うのはどうなの?

誰が見てもわかるじゃん。

  

それにしてもヒッキーはアグレッシブでぶった切り、自分以上だね。

  

 

三石巌先生の分子栄養学理論が基本となる「ビタミンC 健康法」のプロローグをご紹介。

 

本書は講談社から刊行された『ビタミンC健康法」に全面的な改訂を施したものである。

この本は、日本におけるビタミンCの最高権威である佐賀大学の村田晃教授の目に留まって評価の言葉をいただいた。

 

そしてまた、東京多摩病院の松家豊院長をはじめとする多くの医師諸君、さらに10万に近い一般市民諸君に、ビタミンCの価値を知っていただいた。

著者として十分に満足すべきものがあった。

 

特に松家院長は入院患者にビタミンCを与え、感冒患者の減少、夜間講妄や床ずれの著しい改善、死亡率の低下などを経験し、それが日本医事新報に発表されて、大きな反響を得た。

同院長はこれを整理して、『ボケはビタミンCで治る」(1985年)、『長寿革命のビタミンC』(1986年) の二著を書かれている。

 

「ビタミンC健康法』が出版されたのち、ビタミンCに関する研究は飛躍的に進んで、前記村田教授による『ビタミンC』(1982年)、メガビタミン主義運動の旗手ライナス・ポーリングによる『ポーリング博士の快適長寿学」(1986年)などにそれが紹介されている。

本書を書くにあたって、これらの書物は大いに参考になった。この2人の友人に感謝の意を表する次第である。

 

1985年秋、厚生省(現厚生労働省)筋は、ビタミンE ・Cの摂り過ぎに対する警告を発した。

そのような考えにどれほどの重みがあるかは、本書並びに『ビタミンEのすべて三石巌全業績7』(本シリーズ3 『ビタミンE健康法』)によって理解されるはずである。

 

情報化社会ともなれば情報は巷に温れている。

科学者の目による情報の厳正な選択なしには正しい判断はあり得ない。

 

権力も真理を曲げることはできないのである。

     

 

ビタミンCは1932年、セント=ジエルジ・アルベルト氏によって発見され、ビタミンCの研究によってノーベル生理医学賞を受賞している。

ライナス・ポーリング氏は、化学結合論の研究によってノーベル化学賞を受け、ビタミンCのる知識の普及や、ビタミン大量摂取による健康の自主管理の重要性について大きな功績を残している。

 

ポーリングはただの科学者ではない。

市民運動家でもある。

 

反核のテーマの請演を、夫人と共に世界各国で100回以上もやっている。

たった一人で反核の座り込みをホフイトハウス前でやったこともある人物だ。

 

さらに彼は2回目のノーベル賞が彼の平和運動に対して授賞されている。

ノーベル賞を2回受けた人は、キュリー夫人とサンガーとをおいて、この人しかいないという希有の大人物がライナス・ポーリングなのだ。

 

そして、1970年に「さらば風邪薬」を書き、世界中にセンセーションを巻き起こした。

1970年、『さらば風邪薬』がアメリカで発表されると、賛否の嵐が巻き起こり、今もなおそれが続いている。

 

大勢として、初期に反対の側にが優勢だったが、のちに大多数は賛成の側に回った例は少なくない。

風邪薬は、 一般家庭向けの薬の中では、最も多く利用されている。

 

従ってこれは、製薬資本のドル箱になっているわけだ。

それを排除されてはたまらないという企業のあがきが、ビタミンC予防薬説を圧殺するのだと、ポーリングは反論している。

    

メガビタミン主義という言葉があるが、これはコッファーの造語だという。

だが、ポーリングや三石先生の行動を見ると、二人とももメガビタミン主義者ということになる。

 

ポーリングや三石先生がビタミンの大量摂取を始めたのは1960年台の始めで、この頃にはビタミン大量投与のメリットを認識されていたようだ。

 

ビタミンCに限らず、ビタミンの歴史は意外に新しい。

19世紀の最後まで人類は、栄養についてほとんど無知であったといっていいだろう。

  

風邪は万病の元だと言われているが、この病気は人類に付きまとう、疫病神のようなものだ。

大なり小なり風邪を問題にせずに過ごせる人は、ほとんどいないだろう。

 

この厄介な病気にビタミンCが有効であるとの最初の報告は、ドイツのオベルハウゼンのもので、1938年に発表されている。

 

アーウインーストーンは、ビタミンCと風邪との関係についての先駆者だ。

彼は20年間、毎日3.5グラムのビタミンCを摂っているという。

 

そして、その間、1回も風邪を引いたことがないのだ。

ストーンは、1・5グラムを標準服用量とし、これを、オレンジジュースかトマトジュース、あるいは水に溶かして飲んでいる。

  

   
不幸にして風邪を引きかけた時、どうすれば良いのか?

  

ストーンの処方は1.5-2グラムのビタミンCを、20分から30分間隔で服用する。

症状がなくなるまで、これを続ける。

 

ストーンによると、3回目の服用で、大抵の風邪は治るという。

重い症状に陥ることはない。

  

この方法のコツは、なるべく早く、この処方を実施することだ。

手遅れの場合、第1回の服用時に消炎剤アスピリンを併用するとより効果が高まるという。

  

逆に言えば、ビタミンCの摂取量が不足すれば、ウイルスの攻撃に対して弱くなり、風邪を引くということになるわけだ。

そのため、その不足分を補給することができれば、風邪は遠ざかるはずだ。

  
ポーリングによれば、風邪を引くと、自血球のビタミンC含有量は半分に減り、それが2.3日続くのだという。

そうなると、ウイルスや細菌に対する攻撃力が低下することになる。

  

では、ビタミンCさえ摂っていれば、絶対に風邪を引かずに済むのだろうか?

風邪という病気の引き金を引くのはウイルスだ。

 

上気道感染のうち数パーセント以下はマイコプラズマによる。

これは19世紀にすでにパスツールによって発見された微生物で、細菌とウイルスの中間に位する、

 

細胞膜を持たない風変わりな半生物として、1963年に再発見された、風邪の病原体の一つである。

ビタミンCはウイルスには対抗できるが、 マイコプラズマにはそれほど強力なパンチは食わせられない。

  

   

ビタミンCで風邪が100パーセント抑えられるわけではない

  

風邪の徴候が現れ、頑固な咳があり、発熱するような時、ストーンの処方が効果を上げない場合には、 マイコプラズマを疑うことだ。

  

ただし、これを確定するためには血液検査が必要になるから、簡単ではない。

テトラサイクリン・エリスロマイシン・カナマイシンなどの抗生物質を用いて肺炎を防ぐのが賢明、ということらしい。

 
風邪のウイルスとしては、インフルエンザウイルス・コクサッキーウイルス・アデノウイルス・レオウイルス・コロナウイルス・ライノウイルスなどがあり、その種類によって症状が違う。

ところがこれらのウイルスは、無差別にビタミンCの対象となるのだ。

 

普通の風邪は、まずウイルス感染に始まり、これに溶連菌などの細菌が追い打ちをかけ、結局は混合感染の形となってゆく。

ビタミンCには殺菌力があるとはいえ、ウイルス段階でこれを頓挫させることができたら、これに越したことはないのだ。

  

ポーリングは、風邪の予防のために必要とするビタミンCの量には個体差があり、最低250ミリグラム、最高10グラムとしている。

ただし彼は、風邪を引くと40グラムも摂っているのだ。

  
このアイルランドの実験例は、ビタミンCに対する期待は、治療効果であって予防効果ではない。

そしてまた、 一日投与量は200ミリグラムにすぎず、ポーリングが風邪の予防のために最低必要と考えた250ミリグラムに達していない。

 
ここでの結論として言えることは、風邪の予防のために必要とされる量より少ないビタミンCの摂取でも、有意の治療効果が認められるということになるわけだ。

この実験は、不十分な量のビタミンC投与であっても、風邪に対抗する手段としての有効性が否定できないことを示している。

 

 

個人差がある

  

一日1グラムのビタミンCを摂取しても、風邪を引く人がいる。

これは、風邪の予防に1グラム以上のビタミンCを必要とする人の場合、と解釈することができるだろう。

 
また、特にビタミンCに手を出さないでも風邪を引くことのない人が、5.6パーセントはいるのだ。

 

自分が風邪を引かないために、どれだけのビタミンCを摂ったら良いかを知ることは、不可能に近い。

だが風邪を引きたくなかったら、一日10グラムを限度とする大量のビタミンCを日常的に摂取することだ。

 

「さらば風邪薬』には、200ミリグラムという少量であっても、また1グラムであっても、ビタミンCを常時規則的に服用していれば、風邪に対する抵抗力を付ける上で、何らかの効果を期待することができる、と書かれている。

 

歴史的に見ると、ビタミンCの発見は壊血病に絡んでいる。

そして今、これが、風邪のようなウイルス感染症に関係していることがわかったわけだ。

 

風邪の予防には、250.1000ミリグラムのビタミンCが必要だといわれるが、壊血病の予防には、やはりこれだけのビタミンCが必要なのだろうか。

このような疑間に対して、我々は日常の経験から答えることができる。

 

風邪引きはやたらに見られるが、歯茎からの出血はそれほど多くは見られない。

この事実は、壊血病の予防はたやすく、風邪の予防はそれほどたやすくはないことを示している。

 
ビタミンCを除去した食事をしても、約半年後でなければ壊血病は発病しない。

この事実は、ビタミンCが全部体内から出て行くのには半年かかることを意味すると同時に、ほんのわずかな量のビタミンCで壊血病が防げることを意味している。

 
常識的な数値として、ビタミンCの一日推奨量は100ミリグラムとされている。

しかしこれは日本の話で、各国ではまちまちだ。

 

それは、数値の根拠が確固たるものでないことを示している。

とにかくこれは、壊血病を予防するのに十分な量とされている。

 

古典的には、ビタミンCは抗壊血病因子であり、それ以外のものではなかったから、この数字に重みがあったわけだ。

 

そこに風邪が出てきて、予想外に大量のビタミンCを要求する、という事実が明るみに出たわけだ。

その根拠には、壊血病がビタミンC欠乏症であり、風邪もビタミンC欠乏症である、という認識がある。

 

実は、壊血病と風邪は氷山の一角だったのだ。

慢性関節リューマチ、その他の自己免疫病から、 ヘルペス・アレルギー・ガン、そしてまた、心臓発作・脳卒中・血栓症・痔疾・静脈炎・静脈瘤・喘息・床ずれ・ヘルニア・軟骨損耗・椎骨変形・倦怠感・疲労感・心身症・うつ病・統合失調症・糖尿病・自内障から男性不妊まで、数えあげたら切りのないほど多種多様の病気にビタミンCの絡んでいることが知られてきている。

  

そこで、すべてのビタミンC欠乏症を免れるためには、どれだけのビタミンCが必要か、という問題が出てきたのだ。

これこそがビタミンCの今日的課題であり、また、そこにメガビタミン主義の根拠があるというわけだ。

  

続く・・

  

  

参考文献

著者:三石巌  ビタミンC健康法 から一部引用しています。

   

 

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