多くの医者たちは抗がん剤治療を躊躇(ちゅうちょ)する患者さんに対して、「昔と違って今はよく効く抗がん剤がありますから」となだめたり、「治療を受けないとすぐに死んでしまいますよ」と脅したりした揚げ句、最終的に治療の手立てがなくなると、「もうウチでできることはありません。今後はホスピスで緩和ケアを受けてください」と宣告して、患者さんを放り出す。
患者さんが「頼りにしていた医師から捨てられた」と落胆、絶望するのは当然でしょう。
抗がん剤治療も含めて、標準がん治療はEBM(科学的証拠に基づく医療)とされています。
本来なら、標準がん治療で治癒や寛解を得られない患者さんがいたら、この患者さんは治癒や寛解を得られないのに、別の患者さんはなぜ治癒や寛解を得られたのかと考え、謙虚な姿勢でその理由を調べるべきなのです。
実は、基礎生物学に関する医学論文を渉猟すると、別の患者さんが治癒や寛解を得られた理由を数多く発見することができます。
再発・転移を見た4期がんの場合、事実上、手立ては抗がん剤治療しか残されていません。
実は、抗がん剤は第一次世界大戦で初めて使用された化学兵器のマスタードガスから発展してきたものです。
その起源はパスツールやコッホによる感染症治療にまで遡(さかのぼ)ります。
マスタードガスが開発されたのは約150年前。
さらにいえば、オーストリアの外科医、テオドール・ビルロートが世界で初めて胃がんの手術に成功したのが1881年のことですから、この100年以上、標準がん治療の主なやり方や考え方は基本的に何も変わっていない、ということになるのです。
―大腸がんの手術後、私も抗がん剤治療を勧められました。
しかし、再発予防に対する効果への疑問と抗がん剤の毒性に対する不安が払拭(ふっしょく)できず、結局、治療はお断りしました。
日本で標準治療に従事する多くの医師たちは、がん患者に標準治療のみを強要し、免疫療法を否定する。
その背景にあるのが、医療保険制度だ。
わが国の医療サービスは、誰もが平等に受けられる保険診療と、がんの先端治療など、よほどのことがなければ縁がない自由診療の2本立てになっている。
あらゆる治療法をすべて公的医療保険で賄うには、財源が足りないためだ。
そして、基本的に保険診療に従事している標準治療の医師は、免疫療法をはじめとする自由診療を実施する立場にない。
そのため、勉強不足で狭量の医師に別の病院で自由診療も受けたいと相談しても、「そんなものは効かない」「どうしても受けるならうちではもう診ない」と言われることも珍しくない。
また、セカンドオピニオンに保険治療の医師を選んでしまっても、自由診療は否定される確率が高い。
体の多様性を考慮しない20世紀医療は時代遅れ 白川太郎(医学博士)
抗がん剤の使用には、薬剤耐性の問題がつねに付いて回ります。
最初は効いていたのに、残ったがん細胞が抗がん剤に対する薬剤耐性を獲得し、次第に効かなくなってしまう。
抗がん剤でがん細胞の数を減らすことはできても、完治できない理由の1つです。
そして、じつは抗がん剤治療にはもう1つ、重大な問題があります。
それが「がん幹細胞」という新しいがん細胞を生み出せる親玉の存在です。
以前はすべてのがん細胞が無限に増殖を繰り返していくと考えられていたのですが、それは親玉のがん幹細胞だけであることがわかってきたのです。
例えるなら、「女王蜂(=がん幹細胞)」と「働き蜂(=一般のがん細胞)」のような関係です。
女王蜂が働き蜂を生産し、働き蜂は分裂を一定期間繰り返して、ある程度たったら分裂をやめる。
すると女王蜂は新しい働き蜂を生み、働き蜂が分裂を繰り返すのです。
これまでは、がん細胞の1つ1つが無限に増殖していくと考えられていたため、とにかく個々のがん細胞を叩いて全滅させることが抗がん剤治療の方針であり目的でした。
しかし、がん幹細胞が存在するからには、これを叩かないかぎりがんの完治も進行を止めることもできません。
抗がん剤を投与すると、がん細胞は次々と死んでいきます。
一見、がん細胞がなくなったように見えますが、女王蜂のがん幹細胞はしっかりと生き残っている。
なぜがん幹細胞が生き残れるのかというと、体内の臓器や組織でがん細胞が集まって塊をつくる固形がんの場合、一般のがん細胞たちががん幹細胞を取り囲むように防波堤をつくって守っているから。
死ぬのは働き蜂ばかりで、鎧の中にいる女王蜂までは攻撃が届かないのです。
半面、白血病や悪性リンパ腫といった血液のがんは、ばらばらのがん細胞がうようよと浮いている状態。
女王蜂だろうと働き蜂だろうと関係なく抗がん剤の攻撃を浴び、次々と死んでいく。
だから血液のがんには抗がん剤が効きやすいのです。
したがって、固形がんに有効な抗がん剤治療をしようとすれば、働き蜂の鎧をすべてどけるか、鎧の中にかいくぐって攻撃するかのどちらかしかありません。
しかし、働き蜂を全滅させるほど高濃度の抗がん剤を投与すれば、がんが全滅する前に患者さん自身が死んでしまいます。
働き蜂のブロックをかわしてがん幹細胞を叩く方法すら、まだ見つかっていないのです。
こうした現状では、たとえ水溶性と脂溶性の問題をクリアした抗がん剤が開発されても、本当にリンパ管の中のがん幹細胞に効くか疑問です。
世の中に3大治療以外の治療法は山ほどありますが、ありすぎてどれが効く/効かないの判断ができない。
ましてや一人ひとり違う患者に合う治療法を選ぶなどとてもできません。
とくに大学病院などの大きな病院ほど保身からマニュアル診療優先の傾向が強い。
ガイドラインに則った治療をしていれば、結果はどうあろうと医療者と病院側の責任を問われることがないからです。
日本人のがん死亡者数は年間約36万人(2013年、国立がん研究センター調べ)で、いまや男性の2人に1人、女性の3人に1人が生涯のうちに何らかのがんにかかると推察されています。
健康な人でも、体内では毎日3000~5000個の「がん細胞の元」が生まれています。
人の体内では約60兆個の細胞が日々、細胞分裂を繰り返しているのですが、その際に紫外線や放射線、食品などに含まれる化学物質、ウイルス、ストレス、活性酸素などの「発がん因子」によって細胞の遺伝子が傷つけられ、コピーミスが生じるためです。
あるとき、たった1つのがん細胞が「違法改造車」と見破られない外見をもち、免疫細胞をだますことに成功するのです。
1度、取り締まりを擦り抜けると、体の中で大幅な「法改正」が行なわれないかぎり、基本的には2度と免疫細胞に退治されることがないので、5~20年の時間をかけて1㎝のがんへと成長していきます。
この1㎝のがんが、倍の2㎝、さらに倍の4㎝に成長するまでの期間はおよそ数カ月です。
増殖して大きくなったがんは原発巣を離れ、リンパ管などを通じて体内の別の臓器や組織へ転移していく。
最近の疫学調査で、食事が発がんの最大素因であることがわかってきました。
食品・水や食品添加物のなかに発がん因子があり、調理の過程で発がん物質が発生し、摂取後の体内で発がん物質が産生されることがあります。
また、発がんを抑制する栄養が欠如した食事、体を冷やし免疫力を低下させる食事を続けていたり、発がん因子の化学物質を含む農薬、肥料、飼料を使った食品を日常的に口にしている。
日本人の大半が、そうした食事と無縁ではないはずです。
日本の医学に栄養学はないので、知識のない医師には指導できません。
がん治療や予防で求められるのは「分子栄養学」で、食品やサプリメントを受け入れる人の治療・予防に必要な栄養や働きを分子レベルで考える学問のこと。
サプリメントや機能性食品が抗がん剤に取って代わるであろう、これからの健康常識に不可欠な知見なんです。
知識をもっているのは農学系統の学者ですが、彼らは患者に直接接して指導できない。
病院の栄養士は、医者の処方に従って食事をつくっている。
患者は結局、医師に聞くしかありませんが、その医師には知識がない。
長年、放置されている構造的な問題です。
米国がん協会では毎年、がんの死亡者数を公表しています。
同協会の報告書によると、がんの死亡率は1990年代に低下に転じ、2003年にはがんの死亡者数が1930年以来初めて減少したと報告しています。
その後も、アメリカのがん死亡者数は右肩下がりに減少しつづけているのです。
国内ではそ女性のほうは敏感に察知して、毎朝、野菜スムージーや酵素ジュースを飲んだりしています。
栄養学の知識が医師より詳しい人がゴマンといます。
ところが、中年男性は白いパンにマーガリンを塗りたくった朝食に、昼食は牛丼、夜はストレス発散と称して居酒屋で1杯やっている。
健康になるはずがありません。
がん大国のアメリカや欧米諸国では、「抗がん剤は増がん剤である」と見限られつつあります。
がんの死亡者数が年々減少している米国では、抗がん剤はがんを治す上で無意味であることが早くから公表されています。
日本は先進国で唯一、がん死が増えている国。
アメリカに比べると1.6倍もの割合で人々ががんで亡くなっています
アメリカ国立がん研究所のNCIでは、1988年に数千ページにも及ぶ「がんの病因学」という報告書で「抗がん剤は増がん剤である」と言って世界を驚かせています。
また、違う実験では抗がん剤を3種類使うとがんは小さくなるが、寿命は7~10倍短くなるという報告もあります。
完治に向けた抗がん剤の使用は否定しませんが、延命に向けた抗がん剤の治療は返って寿命が縮まることが多いということは覚えておいた方がよいと思います。
抗癌剤治療は確率の悪い、命を懸けたギャンブルで、ある調査では有効率は160人中、たったの6名。
アメリカでは死亡者数が過去20年間で22%以上も減少しています。
逆に、3大標準治療に頼りきりの日本では年々がんの死亡者数が増えてきているがん大国になってしまっています。
国内では画期的な治療法に対しても国がなかなか認可せずに、保険診療が広がりを見せないのも原因の一つかも知れません。
世の中には、保険診療外ではありますが、副作用がなく、高い効果の見込める治療がいくつも存在しています。
今おこなっている治療に疑問を感じたら、患者様を苦しめる結果になる前に一度他の治療を選択肢に入れることをお勧めします。
こうしてネットや本で情報を集めると、一般人の知識でも、簡単に専門医を凌駕することができる時代になっています。
医者に治して欲しいと「依存する」こと自体が、まず間違っていることに気付くべきです。
ガンになると肉を食べるな、玄米菜食がいいなどと、とんでもないことを言い出す人がいます。
タンパク質が不足すると、ミトコンドリアの機能が低下し、ガンは悪化し、結果的に寿命は短くなります。
現実を見るとバランスよく食べている人は、全員がタンパク質不足です。
ガンがこれだけ増えていることには、理由があるのです。
肉が十分に食べられない人は、プロテインでタンパク質を補えばいいのです。
分子栄養学的に何を食べるべきかが大事。
好気性解糖(クエン酸回路+電子伝達系)はミトコンドリア内で行われます。
そして、ミトコンドリアの内容物はタンパク質です。
クエン酸回路はミトコンドリアの中にあり、電子伝達系はミトコンドリア内膜です。
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