患者のiPS細胞から神経細胞を作りさまざまな既存薬を試す実験で、パーキンソン病治療に用いる薬で効果が得られたことを説明。
昨年12月に治験が始まり、「大きな副作用なく進んでいる」と報告した。
iPS細胞で見つけた薬の治験は、ALS関連で計3件行われていることも紹介した。
県疾病対策課によると、3月末時点の県内のALS患者は267人。
ALS治療薬(エダラボン)の欧州申請を取り下げ(2019年5月30日発表)
エダラボンについて
田辺三菱製薬が創製したフリーラジカル消去剤であり、脳梗塞急性期の治療薬として、2001年4月に厚生労働省から承認され、ラジカットRの製品名で販売しています。脳虚血に伴い発生するフリーラジカルを消去し、脂質過酸化反応を抑制し、虚血領域、あるいはその周囲の神経細胞を保護する作用を有することから、ALSの病態で上昇するフリーラジカルを消去して運動神経を酸化ストレスから保護し、筋力低下、筋萎縮の進行を遅らせる効果を有すると考えられています。
アルツハイマー病の血液検査、根治治療薬ない今はもろ刃の剣-田中氏
世界のアルツハイマー病患者は2050年までに約1億5200万人に達すると予想されている。
田中氏はインタビューで、治療薬がないため血液検査の利用については「気を付けないといけない」と話す。開発した血液検査がいつか日常的に利用されることを望んでいるが、それは現時点では製薬会社と研究施設に委ねられていると述べた。
アルツハイマー病の明確な兆候が発見されてから100年以上が経過し、スイスのロシュ・ホールディングや米イーライリリー、エーザイなどが多額の資金を研究に投じているが、依然として病気を根治する治療薬は開発されていない。
医学の飛躍的な進歩がなければ、世界の認知症に関連するコストは30年までに約2倍の2兆ドル(約221兆円)に膨らむと予想されている。
アルツハイマー病の原因については議論されているが、深刻な認知症機能障害を発症した患者に効く治療薬はないだろうというのが大半の科学者の見解だ。
昨年10月末に初めて注射を打った。皮下注射というタイプで、薬剤を注入している間もまあまあ痛い。採血のように注射針を刺すときだけの痛みというわけにはいかなかった。
効果はすぐに表れた。翌日ごろからいつものひどいかゆみが減った。最初は気のせいかと思ったが、夜、かゆみで目が覚めることもなくなった。朝起きると、おでこや目の回り、首筋などが無性にかゆく、タオルでごしごしこするのが日課だったが、気づくとそうした動作も減っていた。
2週に1回の注射と併用し顔や体には「プロトピック」という免疫抑制軟こうを毎日塗っている。洗顔や入浴の後、保湿剤による徹底したスキンケアも欠かせない。これからもアトピー性皮膚炎と上手につきあっていく人生は続きそうだ。
「デュピクセント」の治療を受けていてやはり驚くのが薬代だ。現在の薬価は1回の投与で8万1640円。単純計算すると年間で約210万円になる。もちろん公的医療保険でカバーされるため、自己負担はその一部だが、それでも経験したことのない金額を毎回、病院の会計で支払う。NTT東日本関東病院の五十嵐皮膚科部長によると「費用の面から治療をためらうケースもたくさんある」という。
アルツハイマー病のリスクが3分の1になる薬の研究が闇に葬られた理由とは?
2015年に入り、ファイザーの炎症・免疫学部門の研究者らは、医療保険の請求に関するデータベースから、エンブレルがアルツハイマー病のリスクを大きく減少させる可能性があることを発見しました。
具体的には、関節炎などの治療のためにエンブレルを服用していた患者は、そうでない患者に比べてアルツハイマー病の診断を受ける割合が64%も少なかったとのこと。
ただし、これはあくまで統計的な結果にすぎないため、実際にエンブレルがアルツハイマー病のリスクを低減させるかどうか確かめるためには、さらなる研究が必要でした。
ファイザーが調査を打ち切った理由について、同社の広報担当者は「統計結果は『厳格な科学的基準』を満たしていないため信用に足りなかった」と回答しています。
また、エンブレルの分子は血中成分が脳に届くために通らなくてはならない血液脳関門を通るには大きすぎるため、脳に作用する見込みは薄いという判断もあったとのこと。
世界有数の製薬会社といえど、公共団体ではなく利益追求団体である以上、公益よりも利益を優先させるのはある意味で当然ともいえます。
また、医薬品の効果を検証するために必要な臨床試験には莫大な費用がかかるため、経営難に直面し、世界規模でリストラを進めているファイザーが追加投資をしぶったことについてはやむを得ない側面もあります。
その一方で、「薬の値段が高いのは製薬会社が研究開発ではなく、マーケティングに費用をつぎ込んでいるため」と指摘がされるなど、製薬会社が薬価のつり上げにより法外な利益を得てきたのも事実です。
「薬の値段が高いのは製薬会社の研究開発費を回収するためではない」という主張
高すぎる薬価には2つの悪影響があります。まず薬の価格が高すぎると当然治療費も高騰し、多くの患者が薬の恩恵に預かることができなくなります。
去勢抵抗性前立腺がんの治療に用いられるアビラテロンは、アメリカ食品医薬品局(FDA)によって2011年に承認されました。
アビラテロンは第III相試験で去勢抵抗性前立腺がん患者の生存期間の中央値をおよそ4カ月延長することに成功しましたが、アメリカで投与されるためには最低でも月およそ1万ドル(約110万円)の費用がかかるとのこと。
アメリカでは、多くの抗がん剤が12万ドル(約1300万円)から15万ドル(約1700万円)で販売されていて、600種類以上の抗がん剤がテスト段階にあるといわれています。
もはや月1回の注射で、ウイルスをゼロに抑え込める時代が来る。
ーーHIVに感染した場合、現在はどのような治療があるのでしょうか。
(岡センター長)現在のお薬は、最少で1日1回1錠飲むだけで完結します。基本は3成分の薬が必要で、この1錠に3成分が入っています。例えば、朝起きて1錠飲めばそれでおしまい。
24時間おきに、だいたい同じ時間に飲みます。薬は小ぶりなもので1センチ程度。飲みやすいです。少し前まで2センチほどで、飲みにくいという人もいた。その場合は、薬の成分を分けて2錠で飲んでいました。
2008年ごろ、もう10年前くらいから1日1回で済むようになりました。
どんな薬でも副作用は起きます。かつてのレベルを考えると、ほぼ無いに等しい。副作用レベルでは90年代を100とすると、現在は5~6程度。
基本的には、保険適用で3割負担の場合、月に6~7万円の支払いが必要になります。日本では、1998年度から、身体障害者手帳の認定を受ければカバーされるようになったので、収入によりますが月々0~2万円程度です。
多くの人は月5000円くらいだと思います。
ただ、日本の身体障害者手帳の制度は、1カ月おいて2回検査し、そのデータを申請書に書かないといけない。その後、申請の審査に1~2週間かかり、その期間待たされてしまう。
つまり、少なくとも手帳をもらうまでに2カ月ほど時間が経ってしまうんですね。申請して認められてから治療を開始するので、その2カ月間は6~7万円という高額な治療費を負担するか、治療できないままの状態で待つかというふうになってしまう。
ミトコンドリアの働きの低下による筋細胞の崩壊メカニズムを解明
加齢や疾患に伴うミトコンドリアの障害により、筋の萎縮や崩壊が生じることは良く知られていましたが、その詳細なメカニズムについては解明されていませんでした。
東北大学大学院生命科学研究科の東谷篤志教授らの研究グループは、英国ノッティンガム大学ならびにエクセター大学との共同研究により、モデル生物の1つである線虫を用いて、ミトコンドリア障害時に筋細胞内のカルシウム濃度が上昇し、その結果、筋細胞の外側で細胞間の接着や維持に重要な細胞外マトリックスのコラーゲン成分が分解され、最終的に筋の崩壊に至る経路を解明しました。
さらに、カルシウムの過剰流入を抑えること、フーリン*2活性を抑えること、マトリックスメタロプロテアーゼ*3を抑えることなど、いずれかのステップを抑えることで、筋萎縮を抑制できることを証明しました。
また、線虫の筋ジストロフィー疾患モデルにおいても、これらのいずれかのステップを抑えることで、筋疾患の進行を遅らせることができることも明らかになりました。
『キムリア』と同様に高額治療薬としても知られる『オプジーボ』を例にとってみよう。これまで『オプジーボ』は、各患者の体重によって投与量が算出されてきた。だが、昨年の薬価改定によって身体の大きさに関係なく一律240mgになったのだ。
このように、薬価改定に合わせて、患者への投与量が変更されるケースもある。
現在、『オプジーボ』で保険適用となっているがんは悪性黒色腫や非小細胞肺がん、腎細胞がんなど7種類に及ぶ。さらに食道がん、肝細胞がん、小細胞肺がんの3つが申請中で、認可されれば10種類まで増えることになる。
『オプジーボ』の治療は2週間に1回の点滴投与が基本で、1ヵ月当たりの薬価は約82万円。医療保険によって患者は3割負担となるので、月ごとにかかる費用は約25万円となる。世帯収入が約370万円~770万円の患者なら、実際は高額療養費制度で月8万円程度の負担額になる計算だ。『オプジーボ』を用いた治療は3ヵ月に1度の検査で腫瘍の縮小効果が出ている限り継続される。
それだけではない。1年間で3ヵ月以上高額療養費の支給を受けると、なんと4ヵ月目からは自己負担上限額が減額されることになっているのだ。そうなると、患者の負担は月4万4400円ほどになる。さらに『オプジーボ』は、当初よりも価格がどんどん下がってきている。今後、患者の負担がより軽減されていく可能性もあるだろう。
大腸がんや非小細胞肺がん、乳がん、卵巣がん、悪性脳腫瘍などに使われている分子標的薬の『アバスチン』で見てみよう。がん細胞は新しい血管を作り、そこから栄養を取ることで増殖していく。『アバスチン』はその新たに血管を作る作用をブロックすることでがんの増殖や転移を防ぐ作用を持つ薬だ。谷川医師はこう続ける。
「たとえば大腸がんでは、手術ができない進行がんの治療に抗がん剤と『アバスチン』が使われています。『アバスチン』を使ったある男性の患者さんのケースでは、1ヵ月の薬代は約19万円。保険料3割負担でおよそ5万7000円がかかった。この治療を2ヵ月行ったところがんが縮小したので、腹腔鏡手術を受けられるようになった。結果として、この患者さんは『アバスチン』の薬代の他に入院費や術前の検査費、手術代、鎮痛薬費などの薬代がかかったことになります」
同じ分子標的薬には内服薬もある。たとえば『タルセバ』は、遺伝子検査によって『EGFR』という遺伝子に異常が見つかった非小細胞肺がんやすい臓がんの中で、再発や手術ができないケースに使用されている錠剤だ。
「『タルセバ』の一錠の価格は1万643円。飲み薬としてはかなり高額な部類に入ります。この薬は1日1回、毎日内服するものなので、1ヵ月で約32万円になる。その3割負担なら約9万5000円。これも効果がなくなるか、副作用で継続できなくなるまで使用するタイプの薬です。患者さんの中には1年以上にわたって飲み続けている方もいます。分子標的治療薬や抗がん剤は、『キムリア』より単価が安くても、3ヵ月、半年、1年......とずっと治療を続けなければならないことが多い。毎月その治療費を捻出していくとなると、患者さんにとっては結構な負担となるものなんですよ」(前出・谷川医師)
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