人の体は健康維持に重要なさまざまな種類の細胞で構成されています。
これらの細胞によって、心臓が動き、脳が働き、腎臓で血液が濾過され、新しい皮膚の細胞が作られます。
幹細胞というのは、これらの細胞を作る働きをするものです。
つまり、幹細胞はこれらの種々の細胞の供給源となるものなのです。
幹細胞が細胞分裂するときには、同じ幹細胞に分裂したり、他の細胞へ変化することもあります。
たとえば皮膚の幹細胞は皮膚幹細胞や、メラニンという皮膚色素をつくる皮膚細胞をつくることもできるのです。
わたしたちが怪我をしたり病気になると、細胞も怪我をしたり死んだりするわけです。
こうしたときに、 幹細胞が活躍します。
幹細胞は怪我した組織を治癒させ、死んでしまった細胞を補います。
こうすることで、 幹細胞は私たちを健康に保ち、老化を防ぐことができるのです。
iPS 細胞と幹細胞
iPS 細胞とは人工的に誘導した多能性幹細胞のことで、この新しいタイプの幹細胞が科学者や医師の間で注目をあびています。
なぜなら、iPS 細胞は 胚性幹細胞とほとんどおなじ性質を持っているからです。
そして胚子からつくられるわけではないので、倫理上の問題がありません。
さらに、iPS 細胞は患者さん自身の幹細胞ではない細胞を使ってつくられるため、つくった iPS 細胞は拒絶反応の心配をすることなしに戻すことができると考えられています。
これは、幹細胞移植をするときに大事なポイントとなります。
ES細胞(胚性幹細胞)とiPS細胞(人工多能性幹細胞)はどちらも「多能性幹細胞(Pluripotent Stem Cells)」の一種です。
無限の増殖能を持ち、生殖細胞を含む体を構成する全ての細胞に分化することができる培養細胞株なのです。
この分化能力のため、報道や講演などでは「万能細胞」と呼ばれる場合があります。
ただ万能細胞といっても、あくまでも分化能を形容した言葉であり、どのような疾患にも用いることができるという意味での万能ではないということです。
医療には必ずリスクが伴います。
万能細胞を用いた治療は、現時点ではそれなりのリスクを伴うと言わざるを得ません。
そのためこれらのリスクを踏まえた上で、それでもなおリスクを上回る利益がある疾患にのみ適応されています。
幹細胞(ES細胞)とiPS細胞の違いは、その由来(受精卵由来か体細胞由来か)と、倫理的問題、拒絶反応の有無にわけることができます。
iPS細胞は患者自身の細胞から作製できるので、多量に作ることができます。
そのため薬の毒性検査や、その人に合う薬を探したり、病気が発症するメカニズムを調べることができるため、今までにない、全く新しい医学分野が切り拓かれています。
iPS細胞は発表された当初は能力的に幹細胞よりも劣る点があったのですが、研究により幹細胞とiPS細胞は非常に類似していることが分かってきました。
つまり、幹細胞とiPS細胞は能力的には同じ細胞であると言えるようになりました。
では倫理的問題がある幹細胞は使わなくていいと言えるのかというと、そういうわけでもないのです。
ES細胞にはES細胞のメリットがあります。
iPS細胞はまだ発展途上の細胞のため、今後もES細胞との比較検証が必須となります。
再生医療においては、iPS細胞よりもES細胞を用いた方が良い場合があります。
iPS細胞はあくまでも人工物であり、体内で起こっている反応を100%再現できるとは限らないのです。
そして作製法によってはiPS細胞は幹細胞よりもガン化する可能性が高くなるのです。
幹細胞は病変したり古くなった細胞を、新しい細胞に置き換えるという性質があります。
そのため、幹細胞そのもの、あるいは幹細胞からできた新しい細胞を投与して患者を治すことができます。
たとえば、心臓発作の患者に、幹細胞を移植してダメージのおこった心臓を修復することができます。
わたしたちの体内にも、幹細胞はあるのですが、その量はほんの少しです。
ですので、傷を治すことはできません。
心臓にも幹細胞がありますが、それだけでは傷ついた心臓を治すことはできません。
しかし、何百万もの幹細胞なら治すことが可能になります。
多くの幹細胞を移植することで、体内にある自分の幹細胞の役割を助けることができます。
幹細胞培養液
肌の老化を災害に例えてみると、災害が起こった場合、自衛隊・ボランティアなどさまざま人たちが復興のために力を尽くします。
この復興作戦ににボランティアだけしか働かなければどうなるでしょう?
時間がかかります。
ですがプロフェッショナルな自衛隊が駆けつけると、復興のスピードが速まります。
不具合のある場所を即座に見つけ、専門の技術をもって修復にあたります。
幹細胞培養液=自衛隊
プラセンタ=ボランティア
町全体を素早く復興できるのが幹細胞培養液。
1軒1軒修復し、時間をかけて修復するのがプラセンタ。
そのため最近は幹細胞培養液がアンチエイジングの面で脚光を浴びています。
プラセンタとは、ヒトや牛等動物から取られる胎盤のエキスのことです。
そもそもエイジング対策として昔から知られているものです。
美容やアンチエイジングに詳しい方なら、一度はサプリメントで取り入れたり、化粧品で使われたこともあるはずです。
プラセンタにも幹細胞と同じようにさまざまな成長因子 コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸が含まれています。
このようにプラセンタは、細胞の新陳代謝を促し、血行促進、抗炎作用や美白、保湿などいろいろな美容の効果を期待することができます。
細胞を元気にする働きをします。
プラセンタも肌を元気にしてくれる成分ですが、幹細胞はプラセンタの150倍以上のの効果があると言われています。
本当の意味での究極のアンチエイジングとして、注目度と期待度が高いものとなっています。
幹細胞培養液とは、ヒトの細胞を抽出しその細胞を増やすときに使う液から分泌したタンパク質のことです。
これまでの細胞の研究で捨てられていたタンパク質を利用したのが幹細胞培養液です。
タンパ質なので、安全性が高いと言われています。
幹細胞培養液はプラセンタと違い、さらに細胞を呼び起こし肌を再生してくれるチカラが強いのです。
幹細胞培養液を使い続けることで、老化のスピードが緩やかになることが期待されています。
20歳くらいの健康な若者の幹細胞を使い、美容クリームとして使えば、皮膚を若返らせることができます。
また経口摂取することで、細胞が昔の状態へ戻ったかのような効果を、期待できるのです。
ただもとになる幹細胞に、ウィルスなど病気を引き起こすものが混ざっているとまずいので、培養施設では、数百種類の病気を濾過し、健康な幹細胞を作成する作業を行っています。
筆者はこのようにして作られた最新の美容クリームと、経口摂取するサプリメントを、約3ヶ月間テストしてきました。
その結果を見て、今回98歳になる父にも、使って貰うことにしました。