1年間1千回以上口に入れるものを選ぼう
今は食べないのが習慣になっているが、時々ガス抜きのため、おいしいイギリスパンにバターを塗って食べることがある。
だがその時、自分の体の中でどういうことが起こっているのか?
知っておいて損はないはずだ。
おいしいパンの原因は小麦粉にあり、小麦粉には大量のグルテンが含まれている。
そして、普段からグルテンを摂取しているかどうかが、大きな違いとなって表れるのだ。
グルテンが体内に入ると、小腸。大腸を含む腸全体で吸収される。
その際にタイトジャンクション(密着結合)が開き、腸内細菌から分泌された毒素が脳に運ばれ、脳に炎症が発生する。
脳の炎症のために神経細胞は十分なニューロトランスミッター(神経伝達物質)が蓄積できず、それが思考の初動遅れとなって現れるのだ。
そしてグルテンが体内に吸収されると、最終的に脳のオピオイド受容体と結合する。
結合によりモルヒネ状の成分が発生し、軽度の感情的な高ぶりを発生させる。
つまり、小麦を食べていると「麻薬を打たれた状態」になるわけだ。
これが異常な食欲充進につながってゆく。
そしてパンを断つと不快な禁断症状のようなものが発生することになり、脳に「霧」がかかつたような状態になるわけだ。
テニス界で小麦粉から完全に距離を置いている選手として有名なのは、ジヨコビッチ選手だ。
かれの特徴は、長時間ラリーが続いてもバテない、そして後半になればなるほど本領を発揮して勝負強くなっていることがわかるだろう。
これがケトン体を燃料として使えるようになったスポーツ選手の特長なのだ。
日本の錦織圭選手が本当に上を目指そうとするなら、必要なのは技術や体力のトレーニングではない。
栄養と食事の正しい指導と実践だ。
優勝したければ、パンをはじめとした小麦製品を完全に断ち、食べ物を根本的に変えることだ。
スポンサーが日清食品で、なおかつ栄養士におんぶに抱っこでは、まず無理だろう。
コーヒーを飲むときにはミルクや砂糖など余計な物を入れないことだ。
ココナッツオイルやアーモンドミルクをたらすとよい。
すると3時間後にはケトン体の血中濃度が最大となり、認知機能が著しく向上する。
会社人間は悪い習慣の奴隷になりやすい
「ひどい私服・友達なし・趣味もなし」状態の「仕事にのめり込みすぎ」の会社人間も要注意だ。
小麦を含む炭水化物を常食として食べているとどうなるのか?
脳内は「霧」がかかった状態で、それが当たり前だと思い込んでいる。
「仕事のため」という大義面分は人生の面倒事から逃げることができる万能のフレーズだ。
家庭内のゴタゴタから逃げ出し、クラブで飲み、ゴルフに行く理由は「仕事のため」。
そう言えば罪悪感なしで、没頭することができるようになるからだ。
だが休日はぐったりと覇気がなく、会社と取引先以外の人間関係が皆無になるのは当然のことだろう。
「会社が忙しい」というラクな生き方を続けているとどうなるか?
会社から求められてもいない、ところまで深入りして、仕事をすれば、時間を浪費し、体力も浪費する。
だがそういう方法でしか会社に貢献できないと、コミュニケーション能力と称し、周囲の空気を読んで忖度することしか眼中になくなるわけだ。
同じような人間が周囲に大量にいると、心理的に安心してしまう。
だがすでにみんなと同じだということが問題なのだ。
だが、そこまでは考えていないし、そういう時間もない。
興味のあるジャンル、つまり趣味もつきつめてゆくと、そのジャンルの月刊誌がくだらなく見えてくるはず。
なぜなら、すでに知ってることばかりが載っているからだ。
その時点ですでに編集部の知識を上回っているためだ。
そのため本当の趣味になると、供給側の観点で考えるようになってゆく。
会社しか知らない人は、常に消費側からの視点だけで、供給側の世界は見ようともしない。
ビジネス書にビジネスの本質など書かれているわけがないのだ。
脳内が炭水化物の摂取が習慣化し「霧」がかかった状態になっているとどうなるか。
自分の頭で考えることができなくなってしまう。
普段行っている行動が、すべて当然のことで、当たり前のことだと思い込んでしまっているのだ。
食べる習慣を見直す
700万年の人類の歴史の中で、穀物(糖質)の摂取開始はわずか1万年前から。
つまり人類が農耕を始めてからの約1万年は、遺伝子の変異が発生するには短すぎる期間だ。
日本では農耕を始めたのは、わずか2500年前の弥生時代からに過ぎない。
それまで人類は少なくとも200万年から300万年以上の間、狩猟生活をしていたわけだ。
我々の体内には、その頃のシステムが今でも、そのまま残っている。
狩猟時代に最高のパフオーマンス・成果を発揮できた、当時の食生活に戻してみてはどうだろう。
そして炭水化物の奴隷から解き放たれ、ケトン体が常に作用するようになると、炭水化物に対する興味がなくなってしまう。
つまり、炭水化物の暴飲暴食の危険や、誘惑そのものがなくなってゆく。
脳内の霧が晴れるにつれ、いろいろなことがわかるようになってゆく。
日常的にパンを食べていると、体は典型的なグルテン反応を示すようになる。
体が重かったり、疲れたり、気弱になったりするのだ。
穀粒はコストが安く、多くの場合政府が助成金を出している。
おまけに、小麦は健康的な食品だと言い続けることは、食品業界の利益にかなっているのだ。
だが、小麦の消費量が増えれば増えるほど病的肥満、糖尿病、心臓病などの健康問題が増えてゆく。
「健康的」な全粒穀物により、薬品の消費がさらに増える。
こうして食品業者はさらに豊かになり、製薬会社も儲かる。
そして私たちは病気がひどくなるという仕組みだ。
特に先進国に住む人々は膨大な量の炭水化物を食べている。
さらに悪いことに、最近の小麦およびその他の穀物は、人体にさらにダメージを与えるような遺伝子組み換えが行なわれている。
農業遺伝子工学を研究する科学者たちの研究によると、遺伝子組み換え小麦に含まれるグルテンは、自然界に存在するものとは構造的に異なるという。
グルテンとは、小麦やライ麦、大麦など穀物に含まれているタンパク質だ。
これがパンに柔らかさを出す「糊」の働きをするわけだ。
世間で健康的だとされている全粒穀物製品も含め、あらゆる小麦製品にはグルテンが含まれている。
つまり、グルテンは私たちが口にする大多数の食物に含まれているのだ。
こうした状況に対処するためには、意図的に排除する習慣を身に着けることだ。
炭水化物を、全く食べるなということではない。
炭水化物の「奴隷になるな」ということだ。
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