後席のヘッドレストは視界を遮らない形状。
室内は地味な印象を受けるが、色や素材が吟味されているからだろうか、高級感を感じるしつらえだ。
シートは皮とファブリック。
座面はファブリックなので滑らずホールド感が高い。
一言で言えば、包み込まれるような座り心地。
235とはテイストの方向性が違う味付けがなされている。
iPad のための車載ホルダーをセット。
シートを取り付けてあるボルトのサイズは235より一回り大きなものが使われていた。
そのため非常にガッチリと取り付けることができた。
235と違って、エアコン関係の操作パネルが点灯する。
わかりやすく見やすい。
最近のメルセデスはエアコンの吹き出し口が真円形。
何故かアウディもそうなっている。
真円形は一切の無駄を配した冷たい幾何形状のため、情緒や味わいは失われてしまう。
おまけにSクラスまでもが流行のカラフルなインテリア照明で安物のキャバレーのようになってしまっている。
メルセデスは一体どうしてしまったのだろう?
ドアの取っ手は、手に触れる部分に、滑らない素材が貼り付けてある。
使い手のことを考えた配慮で、ドアを開けるたびに、手に触れる感触に訴えかけるわけだ。
ガラスサンルーフ付き。後端はチルトして持ち上げることができる。
もちろんガラスをスライドさせて全開にすることも可能だ。
この状態は室内が明るくナイス。
高速道路での走り
日曜日は所用のため、湾岸線で神戸大阪を往復した。
フロントはSEVダッシュONをこの位置へセット。
前席からはほとんど見えない。
SEV センターオン・クルージングの設置位置は、かなりシビア。
位置によって、挙動はかなり変わるのだ。
そのため、位置決めを兼ねての走行が必要になる。
センターコンソールの中、後席ヘッドレストの後ろ側と試してみたのだが・・
いまのところ、後席中央のセンタートンネルとの境目がベストの位置のようだ。
上の写真は上から撮影。
ドライブモードはいわゆるノーマルのCOMFORTがベスト。
スポーツにすると、足回りが、かえってヒョコヒョコする動きになってしまう。
ドライブモードスイッチに触れる必要は一切無いのだった。
大トルクの恩恵
アルピナD3は街中で周りと同じように走る場合、右足の親指に少しチカラを加える程度で事足りてしまう。
だが高速道路で、エンジンを2千回転以上回すと、そこは別世界。
2千回転だと120キロにも達するのだが、そこからがこのエンジンの美味しいところ。
80キロの法定速度の3倍の領域まで、自由自在に加速できるのは大きなトルクの恩恵だろう。
まさに吸い込まれるように加速する。
なので、強力に加速している最中でも、不安な感じがしないのだ。
しかもステアリング、ブレーキなどすべての操作系は、235より軽い。
だが、軽すぎて不安になるようなことは一切ない。
ブレーキのフィールだが、制動時のコントロールは、235より繊細なタッチ。
しかも「じんわり」とよく効く。
さらに驚くべきは、乗り心地の良さだ。
235は2ドアクーペーのため、ボディー剛性が高い。
冷徹に性能本位を前提とした乗り味が魅力でもあるわけだ。
一方アルピナは、4ドアでサンルーフもついているため、ボディー剛性の面では不利になる。
だがその「緩さ」を使いチューニングされているかのような「適度な緩さ」が心地よい。
路面からの入力を逃がし「いなす」作りのようなのだ。
タイアとホイルの見た目とは裏腹に、235より「靴底が厚い」乗り味となっている。
柔らかい足回りなのに、高速道路での「書くことをはばかられる速度域」でも安定した挙動で、不安はない。
実に不思議だ。
鋭い突起を乗り越えるときだけは、タイアとホイールのサイズを意識させられるが、ボディーの柔らかさとサスのチューニングによる相乗効果は、まさにアルピナマジック。
この段階では、テスラプレートと、USO800シールは未設置状態。
これから徐々に詰めて行く予定。
どこまで良くなるのかが楽しみ。
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