福島県内の自動車整備工場にある洗車用の汚水浄化槽に汚泥がたまり、一部で国の指定廃棄物基準(1キログラム当たり8千ベクレル超)を7倍上回る最大5万7400ベクレルの放射性物質を検出していたことが5日、業界3団体への取材で分かった。
共同通信が入手した第三者機関によるサンプル検査結果(2014年11月)によると、浄化槽36基の汚泥から、4万3200ベクレルの放射性セシウム137(半減期30年)を含む最大5万7400ベクレルを検出。国の指定基準を超えたのは19基で半数超を占めた。
3団体はすでに12年10月から国や東電に陳情を繰り返したが、現在まで4年間進展はなかった。洗車を行うほかの施設でも汚泥問題を抱えている恐れがあるが、実態把握は進んでいない。
本来、日本全国の整備工場で、測定すべきなのだ。
事故直後から、福島県を出入りする車は、放射能を洗い流すため、車体や足回りを洗浄する装置を通さないと出入りできないようにすべきだったのだが、時すでに遅し。
こうした経路で、放射能は日本全国にばらまかれているはず。
今も洗車の汚水は日常的に分離槽へ流れ込み、底には汚泥がたまるばかり。人目を忍ぶ除去作業を強いられる。
「深夜にふたを開け、ひしゃくで汚泥をくみ上げている。飛散しないかと心配で。社員にはさせられない」と工場主の一人。分離槽の汚泥を移し替えたドラム缶に次々と保管場所をとられ、車検に来た客の車が止められない工場まで出てきた。福島労働局に放射線対策を相談すると「1万ベクレルを超える汚泥だと厳重な防護対策が必要」と手作業を問題視された。八方ふさがりの状況だ。
<話し合い平行線>
「被害は顕在化していませんよね」。昨年7月。東電福島復興本社(福島市)での話し合いで飛び出した担当者の発言に、業界側はがくぜんとした。社会問題化しなければ取り合わない-そう言っているように受け止めた業界側は、担当者に食ってかかった。「工場に濃度の高い放射性物質があると知れたら客が来なくなるじゃないか」。以後、東電とは平行線のままだ。
環境省は約2年前、業界側から「原発周辺にある閉鎖中の整備工場を汚泥の処理用地に充ててはどうか」と提案され、容認する構えを見せた。しかし、同じエリアで並行していた、福島県内の除染で出た汚染土などを保管する国の中間貯蔵施設を巡る交渉を優先したい担当部署からストップがかかり、頓挫。「省内事情で二転三転し、対策が後手に回ったと言われたらその通りかもしれない」と幹部は悔やむ。
また、中古車販売店では、福島の車が汚染されているため売れず、他県から引き取った車のように書類を偽装するようになっていることは、よく知られている事実だ。
ロシアの税関では、日本から運ばれた「放射線汚染車」が発見されている。
「ロシア・カムチャツカ地方のペトロパブロフスク・カムチャツキー港で、日本車から基準値以上の放射性物質が検出。
「放射能汚染車」は、日本から運ばれた自動車を検査した際に発見されたという。
税関職員によると、基準値以上の放射性物質が検出されたのはホンダ CR-V。
通常の基準値を4倍上回る放射線量が検出されたという。
カムチャツカの税関とロシア消費者権利保護・福祉監督庁カムチャツカ地方支部は、自動車の輸入を認めなかったという。
当然のことだろう。
千葉県柏市根戸の市有地の土壌からは、高濃度の放射性セシウムが検出されている。
環境省は、事故が起きた2011年の12月28日、福島第一原発由来の放射性セシウムを含んだ雨水が濃縮して蓄積したとする最終調査結果を発表している。
最も濃度が高かった場所の土壌の放射性セシウム濃度は何と1キロあたり約65万ベクレル!
問題は、放射線は消素事が出来ないという点だ。
物質は原子という粒でできている。
放射線を出す原子は、ほとんどが不安定な状態で、アルファ線、ベータ線、ガンマ線といった強いエネルギーの放射線を放出しながら崩壊を繰り返し、安定するまで他の物質へと変わってゆくからだ。
熱や薬品を加えたときに起こる物質の変化は、この小さな原子同士の組み合わせを変えているだけ。
原子そのものや、その放射能を変えることはできないのだ。
放射能は、毒のように中和することができず、その量が減るのを待つしかないのが現実。
放射能が半分になる「半減期」はヨウ素なら8日。
セシウム137だと約30年、プルトニウム239なら2万4千年。
嗚呼!
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