制作費は190億円(ドル円は100で計算)興行収入は202億円。
2015年6月に公開されたディズニーの作品。
「トゥモローランド」は、19世紀から20世紀に活躍した世界の名だたる天才たちが作った「すべてが可能になる世界」として登場する。
その天才たち、トーマス・エジソン(発明家・起業家)、ニコラ・テスラ(発明家)、ジュール・ヴェルヌ(SF作家)、ギュスターヴ・エッフェル(建築家)などが中心となって結成した「プルス・ウルトラ」という組織だ。
「プルス・ウルトラ」とは、ラテン語で「もっと先へ」という意味で、スペインの国のモットーとしても知られている。
主演はジョージ・クルーニー
主人公であるフランク・ウォーカー(ジョージ・クルーニー)は、11歳の時に別次元の世界に足を踏み入れた、という設定で登場する。
フランクは晴れてトゥモローランドの住人となったようだが、理由はよく分からないが、後に追放され、地球の郊外でひっそりと暮らしているという込み入った事情の持ち主のようだ。
ヒロイン?!はブリット・ロバートソン
トゥモローランドに不可欠な「夢を追う技術者」として採点基準に合格し、選び出されたのが、ケイシー・ニュートン(ブリット・ロバートソン)という設定。
長年NASAへ勤め上げたにもかかわらず、解体によって仕事を失う父への想いと、宇宙への旅を夢見ているため、NASAの解体工場の作業を一人で妨害にいそしんでいた。
それがきっかけでアテナに選ばれ、彼女が持っていた最後のバッジの所有者となるという寸法だ。
ロボット役のラフィー・キャシディー
アテナはAAという名のロボットで、「技術と夢」を持ちあわせた人間をトゥモローランドにスカウトする役割を演じている。そのアテナのお眼鏡に叶ったのが、ケイシー・ニュートン(ブリット・ロバートソン)というわけだ。
この作品が面白いのは、単なる娯楽作品という側面だけではなく、かなり踏み込んだ科学的な事象をもとにしたシーンが挿入されているという点だ。
「タキオン粒子」をご存じだろうか?
クライマックス目前でフランクがニックスに撃たれる近未来映像を目にしたアテナが、その身を挺してフランクを庇うシークエンスがあるのだが・・
タキオン粒子が存在することで、ニックスに撃たれて消滅するフランクの映像が映り、それが数秒後の未来だと悟ったアテナは、彼を庇うという行動に出るというシーンだ。
「タキオン粒子が見せる未来は確定したものではない」というメッセージのようだが、ということは、つまり未来は人の手によって介入し、変えることができるということになるわけだ。
以後の詳細を書くと、ネタバレになるので省略するが、こうしたシーンを挿入することで、ワクワクと高揚感に加え、突飛なアイデアやギミックに満ちた未来都市や発明品に、より説得力を持たせているのだろう。
それだけではなく、さらに様々な映画のパロディーも詰め込んだうえ、ディズニーのカラーで色付けされたメッセージと共に、SF大作映画の醍醐味として味わうことができる作りになっている。
幸せとは何か?
自分にとっての未来とは?
など、見終わった後に考えさせてくれる映画でもあるのだが・・
もちろんそんなことが分からない子供が見ても、ワクワクできるレベルの映画ならではの映像美が、随所にちりばめられている。
老若男女を問わず、幅広い年齢層の観客が楽しめる作りは、さすがディズニー、といっていいだろう。
前向きのエネルギーがギッシリ詰まった映画なので、ちょっと充電してみたいときには、最適の作品ではないだろうか。
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