自分がやりたい仕事を希望してその企業に入ったとして、さてそれでは定年まで「やりたい仕事」が希望通り選べるかというと、そうは行かないのが現実だ。
希望の会社だからといって、理想的な仕事ができる、というわけにはゆかないだろう。
大事な点は、40歳、50歳になってもその仕事に情熱を持ち続けることができかどうかではないだろうか。
つまり「やりがいのある仕事」かどうかということなのだが、では「やりがい」というの具体的にどういうものなのだろう。
若い社会人は何を求めて働いているのか?というある調査によると、社会人1年目から5年目の若手の80%は「仕事を通じて達成したいこと」として「成長すること、自分自身の価値を高めること」と回答している。
仕事でのモチベーション向上のきっかけも同じく「成長」が重要なキーワードとなっている。
現在勤めている会社で働いていて良かったと思うのは、60%が「仕事をやり遂げたとき」「仕事していて成長を感じたとき」という。
つまり「成長・達成欲求が満たされたとき」にモチベーションが上がる傾向が見られるという。
次に来るのは「周りの人間から誉められ、認められたとき」や「上司からフィードバックを受け誉められたとき」「正当に仕事の成果が評価されたとき」などといった「 承認欲求が満たされたとき 」が続いている。
若手社会人のモチベーション向上は上司や周りなどの外からの評価よりも「自分の成長・達成欲求が満たされること」がポイントとなっているといってもいいだろう。
一方で「仕事に不満を持つ理由」の60%は「将来のキャリアプランを描くことができないから」というもので、50%は「上司に魅力・指導力がない」ことをあげている。
「仕事に満足している」「やや満足している」と答えた人は全体の半数で「満足していない」「やや満足していない」と答えた人は全体の30%ほど。
「現在勤めている会社でこの先何年くらい勤めたいか?」という質問に対しては、なんと約半数が「3年以内に辞めようと思っている」と回答している。
3年で3割とも5割とも言われている若手社会人の早期離職の傾向はこうした調査でも明らかだが、その原因はどこにあるのだろうか?
会社側に言わせると「若手の忍耐強さが足りない」ということになるらしいが、働く側は「会社側が若手に適切な成長機会を与えていない」という理由を挙げている。
つまり「成長が感じられず」その結果として「キャリアプランが描けない」ために不満を感じやすいということになる。
ということは、今の若手社会人の多くは、将来のキャリアということに非常に敏感だということがいえるだろう。
言い換えれば、誰かが取って代わることができる可能性の高い仕事より、代替性の低いポジションの仕事をしたいということになる。
つまりステップアップしてゆくことで、自分の経済的な基盤を強固なものにしたいという願望がかなり強いことがわかるが、これは欧米型というか、ある意味で正常な経済感覚だと思う。
上役には反面教師が多いという成果が、こういうところに現われているからなのだろうか?(笑)
出典
2006年6月21日