新しいパラダイムの最大の特徴は、「科学」として、仮説を実験や観察によって検証可能なことです。
私の考えをかんたんにいうと、「金融資本は分散投資し、人的資本は(好きなことに)集中投資する」のが基本戦略です。
トレーディングでは、シミュレーションは、重要な役割を担っています。
これは、多くのトレーダーにとって、あたり前のことと言っていいでしょう。
トレードが楽しく面白いのは、シナリオが毎日違う、一種のロールプレイイングゲームだからです。
好きこそ、ものの上手なれと言いますが、こういう楽しさは、スキルを相対的に押し上げてくれるのです。
社会資本とは人間関係のことで、社会的動物としての私たちは家族や友人、仕事仲間などから多くの「富」を得ていますが、これは人的資本よりもさらに金銭への換算が困難です。社会資本における「富」とは、幸福のことだからです。
人的資本や社会資本の金銭に換算できない部分はこれまで、成功者の人生訓や宗教で説明されてきました。これをアカデミズムの領域で扱うのが心理学、社会学、哲学などの人文社会科学ですが、そこに統一的な理論があるわけではなく、それぞれのタコツボ的な学問分野のなかで恣意的に語られてきただけです。
ところが20世紀後半から、この分野に大きな知のパラダイム転換が起こりました。これが「現代の進化論」を基礎とする複雑系、ゲーム理論、脳科学、分子遺伝学、統計学(ビッグデータ)などの諸分野で、旧来の人文社会科学はこうした自然科学の侵食を受けてどんどん使いものにならなくなっています。
新しいパラダイムの最大の特徴は、「科学」として、仮説を実験や観察によって検証可能なことです。これによって、タコツボと化した「文系」の学問を統一的な理論によって議論することがはじめて可能になりました。これは知の世界におけるとてつもない衝撃で、日本ではまだ広く受け入れられているとはいえませんが、今後10年のうちに誰の目にも明らかになるはずです。
幸せは、お金と共に自分が好きなことに使える自由な時間が、どれだけあるかによって、大きく左右されます。
お金は生活するために不可欠なアイテムですが、それを手に入れるための時間は、少ないに越したことはないのです。
今までの、カイシャを基本としたビジネスモデルは、旧来の人文社会科学をベースに構築されてきた世界だと書かれています。
シミュレーションができるということは、自分の仮説を実際のマーケットで検証できるということに他なりません。
ですがこれが可能になる仕事というのは、トレーディング以外では、いまだに類を見ません。
自分の考えた可能性を突き詰める。
そしてその結果を目のあたりにしながら、さらに磨きを掛けることができる。
このような「強い趣味性」を満足させてくれる楽しさは、また、「心躍らせる」という体験には不可欠なものです。
そしてそれが、お金を手に入れる手段の、さらなる進化へと繋がってゆくのです。
さらに脳と指先を大いに刺激するトレーディングは、ボケ防止のための強力なアンチエイジング作用も併せ持っています。
老後の知的な楽しみが、高品質な趣味性の高さを併せ持つ、というのは、今や私にとって、大きな魅力です。
金融資本から得られる効用は、蓄積が少ないときは一気に逓増しますが、一定額を超えると急速に逓減してしまいます。--フェイスブックのCEOマーク・ザッカーバーグは、保有する資産の99%を慈善活動に寄附すると表明しました。
超高度化した知識社会において(知の)イノベーションを起こせるのはシリコンバレーだけで、グーグルやアップル、アマゾン、フェイスブック(あるいは次世代の新興企業)がビジネスインフラ(プラットフォーム)のデファクトスタンダードを競いあっています。それを利用することで、自営業者やマイクロ法人、家族経営の小企業が旧来の大企業と互角のビジネスができるようになる未来がもうすぐやってきます。大企業のメリットは分業の効果を最大化することですが、その反面、大きな管理コストが必要になるため、今後は徐々にそのアドバンテージを失っていくでしょう。
同時に、サイバー化した現代では、私たちを取り囲む世界は、家族や恋人などの最小単位の人間関係と、ネット上の世界大の仮想コミュニティへと二極化していくのではないでしょうか。「知のパラダイム転換」につづいて、こうした「社会のパラダイム転換」がやってくることを前提として人生設計を考える必要があります。
大会社は膨大な管理コストを払い、分業の効果を最大化してきました。
一方、トレーディングは個人ベースの取り組みが基本です。
個人が、ナスダックというネット上の巨大なコミュニティへ参加し、パソコンで直接執行できるビジネスです。
しかも自分が生活に必要なお金を、そのとき必要なだけ手に入れるという、個人のニーズをも満たすことができるのです。
お金を生み出すための投資という一面から見ると、資金やランニングコストは驚くべき低さです。
他のビジネスモデルでの起業は、「雇用」に対しての時間とエネルギーの投下が不可欠となります。
人生の残り時間が少なくなってからの起業では、こうした点は特に、考えなければならない点ではないでしょうか。
雇用すれば、優れた人材の育成のために時間を割き、エネルギーを投下しなければなりません。
そして、これは起業の成功率を、確実に低下させる要素でもあるのです。
こうしたリスクがゼロというビジネスモデルは、今までの価値観を根底から覆すものです。
なぜなら、第一の人生の始まりの20歳くらいでは、ほとんど何もわからないまま、仕事を選択して社会人になってゆきます。
そのうえ、社会人になる前には、その社会の「仕組み」も知らないで、スタートしたわけです。
いわば「成り行き」で参加せざるをえなかったのです。
仕事やいろいろな人間関係で抜き差しならなくなり、漠然と自分が希望していた人生との大きな違いに、愕然とした経験をお持ちの方は少なくないはずです。
起業は、いわば第二の人生を「黄金の人生」にするためのものです。
さらに第二の人生に対し積極的に取り組みたいと考える人は、次のようなアドバンテージを持っています。
社会のことについてよく知っている。
仕事での経験も豊富。
子供の教育もほぼ完了している。
資金やローンもラクになっている。
いかがでしょう?
会社という組織での第一の人生のスタートと比べてみましょう。
社会のことについてよく知らない。
仕事での経験はまだない。
結婚や子供の教育にたいしては経験がない。
資金やローンもこれから始まる。
このように何をするにしても、第一の人生より第二の人生の方が、遙かに有利な条件が整っています。
そのうえ、それまでの人生が失敗であれ成功であれ、すでにいろいろな経験の蓄積は、トレードでも強力な武器となります。
青春時代に考えていた「自分が本当にやりたいこと」や「自分の夢」を叶えるには何が大事なのか?
今こそ、夢を現実化するチャンスなのかも知れません。
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