だがすぐに原因らしきものが頭に浮かんだ。
それはSEV。
ミニとSEV で書いたように、センターオン・クルージングを設置してから約1年半。
そしてDash ON も追加設置。
最近はC6でもそうなのだが、SEVは設置してから経過する年月に比例し、全体のバランスがアジャストされてゆくようだ。
乗り味の「異常とも思える心地よさ」の原因は、そうとしか考えられないのだ。
ミニ乗ると、いつもサンルーフを開けることにしている。
冬なら少しヒーターを効かせておけば、頭上からの冷気とあいまって、車内には理想的な頭寒足熱状態が生まれるからだ。
ミニはオープンにする以外に、スライディングルーフとして使える仕組みが、非常に優れている。
上の写真のように無段階に開けることができるのだ。
コンバーチブルは屋根を開けると、当然のことながらボディーの剛性感は低下する。
だが、意外にもオープンにした方が、全体の乗り心地はよくなるのだ。
なぜなら適度なボディーの緩みによって、路面からの振動や突き上げ感が逃げるからだろう。
この車はダンパーをコニに交換し、ストラットバーや、アンダーパネルの補強で剛性を高くするモディファイをしてある。
そのためコンバーチブルにしては、ボディー剛性は高いのだが、それでも普通のセダンタイプより、剛性は落ちるわけだ。
だが、固めて剛性感を上げるより、コンバーチブルのように適度に逃がしたほうが、乗り味というか心地よさは上回ると思う。
Aピラーが寝ている車が多い中で、これだけ角度が立ったAピラーを持つ車は、ミニくらいしかないだろう。
昔のサーブもそうだったが、Aピラーが立っていると、頭上への圧迫感は激減する。
室内は決して広くはない。
だが、運転席に座ると、後ろを見ない限り、遙かに大きな車に乗っているように感じるのだ。
Aピラーの立ったクルマに乗ったことのない人が、初めてこの車に乗ると、その独特の感覚に驚くはず。
ズッシリと思いステアリングと、非常に重い車に乗っているという重量感は、国産車からは感じられない類のもの。
とにかく、見た目とは裏腹に、乗り味がこれだけ「男っぽい」車は、今となっては希有な存在だといっていいだろう。
クーパーSなので、踏めばあたかも「ビタミン剤を飲み過ぎた」かのごとく、加速する。
そのためこの重くガッチリした走行感覚とあいまって、高速域になると、えも言われぬ安心感を、ドライバーに伝えてくれる。
とにかくSEVによって雑味のなくなった乗り味には、ちょっと驚いた。
恐るべし SEV。
関連記事