20歳の学生です。日記の書き方 みたいなことを書かれていらっしゃったので 読ませていただきました。 きっとはっちさんのことを崇拝(?)している読者がたくさんいると思うのですが、それも納得できました。
けれどひとつ疑問に思ったことがあったのです。 はっちさんは誰かが読みたいような文章をと書いていましたが、はっちさんの日記を読んでいるとあまりに一般論的すぎたり周知の事実であったりすることが多くてどこか言葉のもつ連結性といったものが失われているような気がしました。
みんなが見てるから書かなくちゃいけない、という気持ちにとらわれているんじゃないのかな?と思ってしまったのです。
言葉足らずですいません。別にけなしているわけでも文句を言っているわけでもありません。ただ疑問に思ったのです。もしよかったらこの疑問に答えてくれたら嬉しいです。
言葉足らずで・・と書かれていますが、何のために書くのか?という点について、尋ねられているのだと思います。
動機が何かという意味では「書かなくてはならない」というよりも「書きたいから」といえばいいでしょうか。
その理由は「自分は何者なのか?、何のために生まれ何をしたいのか?」という最も興味のある「謎解き」の手段として日記を書いているからです。
このように日記というのは私にとって「最もわかりにくいけれど、最も知りたいこと」でもある「謎」を解き明かすための、きっかけを探す行為なのだと言えるでしょう。
日記を書くというのは、自分に対して何か問題を提起し、それを日記という文章の中で解き明かすという作業なのです。
「チェス名人コンピュータに敗北」という日記を例に挙げると、これは「トレードの自動化」という私にとって面白いテーマと共通する部分が多かったため、自分への備忘録としての意味合いを持つ日記として書きました。
日記は基本的に自分のやっていることを、より客観的な視点で見ることができるのではないか、という意図で書いています。
このように私の日記はいわば自分のためのもの。
こうした思考が積み重なることで、カタチがないためにわかりにくい「自分とは何者なのか?、何のために生まれ何をしたいのか?」がおぼろげながらも、見えてくるのではないかというわけです。
このように説明すれば「みんなが見ているから書かなくてはいけない」という動機からは、かなり違った立ち位置で書いていることを、理解していただけると思います。
もちろん、こう書けばコメントがつきやすいとか、この内容だとコメントが書きにくいだろうなどということは、ある程度予測はできます。
ですがそうしたことを気にして、それが日記の内容に影響するとか、書くためのモチベーションに影響するということはありません。
他人の目を意識することで、詰めの甘さを律することができるとか、誰が読んでもわかりやすいように構成するという点において、日記を公開するというのは大きなメリットになると思います。
もちろん沢山の方に読んでもらえるというのは、書くうえでとても励みになりますしね。
このように文を書くときには、ある仮説を立てて、そうなのか?そうではないのか?という視点から書いています。
ですから過去の日記をご覧になると、今日何があってどこへ行って、どうだったという日記もたまに書きますが、ほとんどは、ひとつのテーマを設定して書いていることが、お分かりいただけると思います。
こうした書く作業で大事な点というのは、私的な手紙や、仕事の企画書、メールなどでも共通しています。
異性に対しての私的な手紙やメールで大事なことは何でしょうか?
相手がこう考えているだろうとか、こう書けばこう思われるだろうか、などといった仮説を立て、それに対してアプローチをして相手をその気にさせたいわけです。
企画書であれば「この案を採用すると、あなたの仕事には有利になります、儲かります、あなたのキャリアにもプラスになりますよ」ということを提言し、それが相手に受け入れられる必要があるはずです。
問題や仮説を自分に提示しながら根拠を並べることで、考えるための筋道を明確にして、直面した問題を解いてゆくというこの作業は、実はトレードで勝てる方法を確立するためにも、非常に有効だということは、すでに自分の中で実証されていることなのです。
ですからそれを、他の物事にも応用させることで、同じ結果が得られるのではないか?というのはとても理にかなった考え方だと思います。
今日たまたま蕎麦屋の出前のバイクを見て、どうして器の入れ物を横につけるのだろう?
後ろにつけたほうが、運転するときに左右のバランスがよくなるわけで、そのほうが安全なのにね・・
などとカミサンと話しながら、帰ってきました。^^
このように身の回りの些細なことでも、疑問に思ったことを考える習慣をつけておくというのは、ある仮説を立てて、それを解き明かすためのトレーニングとしてはとても有効です。
塵も積もれば山となる。ですね。ちょっと違うか・・(笑)
そのためには「観察するチカラ」を鍛えることです。
そのためのノウハウとかコツは、具体的に言えば、どういうものなのでしょうか。
と、読む人に前向きに考える余地を残し、今日の日記を締めることにします。
出典
2006年12月14日