バレンタインデイやクリスマスなどのイベントは、独身の間は気を遣っても、結婚してしまうとそこから徐々にフェードアウトという人が多いのではないかと思います。
コメントでは次のようなご質問がありました。
もし差し支えなかったら・・少しだけお聞きしたいです。
女性としてはどうしたら男性を立派な紳士に育て上げることができるか考えたいところです。
うーん、難しい問題ですね。
女性が影響を与えた結果として「立派に育つ」という例は少ないと思います。
そもそも結婚してから、相手を変えることには、期待しない方がいいでしょう。
それよりも自分のことで手一杯のはずで、なかなかそこまではできないというのが現実だと思います。
結婚というのは、人間関係でいえば最も小さなユニットですから、コミュニケーションを長期にわたって築き上げるための、試金石だという見方ができます。
私の場合、20代の後半で結婚しましたが、当時はお金がなかったので結婚式を挙げることができませんでした。
ですから、その罪滅ぼしとして、こういうイベントはできるだけ忘れないように努力をしているというわけですが。^^
盛大な結婚式を挙げて結婚したカミサンの友人の中には、結婚式も挙げられないような男と一緒になるなんて・・という基準で見る人が結構多かったそうです。
ですが結婚当時、私の親が離婚騒ぎでそれどころではなく、おまけに結婚に反対され、さらにカミサンの実家も大変で、お互いの実家からの援助は全くなかったのです。
そのため「白糸の滝」へドライブに行ったのが新婚旅行代わり、という状態でスタートしました。
ですが、 これはある意味でラッキーだったのだと思います。
つまりボトムラインからのスタートでしたから、ここより右下がりになることはないという意味でですけどね。
つきあいはじめて6年以上経ってからの結婚でしたから、まさに気のおけない友達のような関係ができあがっていました。
6年もつきあうと、お互いに自分をより以上よく見せようというような部分は消え失せ、自分の素の部分をお互いに知った状態のため、結婚後の毎日の生活をはお互いとてもラクでした。
親がかりでもってハワイなどで夢見心地の挙式とハネムーンを過ごせば、いわゆる頂点部分からのスタートとなります。
ですが現実の結婚生活が始まると、いろいろなことに直面するため、どうしても結婚当時がピークだったという印象をお互いに持ちやすくなります。
つまりあとはダウントレンドしかない、ということになりやすいのです。
結婚したときはハワイなどへ行かなくても、お互い一緒にいるだけで幸せなはず。
どうせハワイへゆくなら、二人が努力し、10年とか20年後の結婚記念に自分たちだけの力で家族でもって旅行をするという考えの方が、お互いの絆がより深まるはずです。
結婚をするということは、二人がオトナとして自立をするためのスタートラインです。
男は親から自由になって自立し、伴侶の女性をリードしながら、よい家庭を築くという自覚と責任を強く持ち続けなければなりません。
こうした点から考えると、その時点で親がかりで盛大な結婚式をあげるのに何も抵抗がない、というのは一人の自立した男として考えた場合、はたして幸せなことなのでしょうか?
こうした姿勢を今は持っていなくても。そうした心意気を将来持てる可能性がある男性かどうかを、きちんと見る目を持っている女性は、結婚後も幸せな生活を過ごすことができる可能性は高くなるはずです。
どちらにしても若いときは、お互いに欠点をたくさん持っているのが当然なわけですから、お互いに理想の相手などいるはずがありません。
相手が自分の理想像になることを期待するのではなく、自分が相手にとって理想の男あるいは女になるように努力をすれば、相手もそれにふさわしくなってくれるだろう、という期待を持つ方が、遙かに現実的な考え方だと思います。
前振りが長くなりましたが、こうしたイベントというのは、毎日の生活での、ひとつの道しるべとして考えれば、お互いにとってのチャンスとなるのではないでしょうか。
ですが、一つ気をつけておかなければ、ならない点があります。
こうしたイベントはマラソンのようなもので、半世紀以上継続させなければならない性質のものだということを考えておくべきです。
ですから、最初からあまり飛ばしすぎて、豪華でお金のかかるものをプレゼントするのは考えものです。
なぜなら翌年は前年より金額とレベルを、上げてゆかなければならないからです。
グレードを落とすと、すぐに分かります。
ですから、少しずつ右上がりになる印象を持ってもらえるような工夫をすることです。
もちろんこうしたプレゼントをするためには、費用がかかりますから、経済的にも右上がりの人生を歩まないと、途中でいきなり安物をプレゼントするとか、はしょりたくなってしまいます。
もちろん誠意があれば、十分に補うことはできますが、でもできればそうならないに越したことはないのです。
最初は最小単位であっても、あるレベル以上で二人の人間関係を24時間継続して保つのいうのは、よく考えると大変なことです。
そして子供ができれば、子供に対しても人間関係を築き、できるだけ立派なオトナとして育てるというのは、大変な努力と継続性が必要な大事業だといってもいいでしょう。
ですから、こうした家族の人間関係をきちんと継続して維持できる能力が備われば、会社や仕事での8時間くらいの人間関係というのは、それほど難しいことではないのです。
アメリカ大統領は絶対に妻帯者でなければならないのは、こうした考えが背景にあるからです。
そういう意味では、前小泉首相のように独身でトップに上り詰めるというのは、こうした点の世界の基準でいえば、かなり特異だといえるでしょう。
夫婦や恋人のお互いのありようは人それぞれ、どれが一番いいということは言えませんが、どちらにしてもこうして考えると、結婚というのは、人生で最大のギャンブルだといえるかもしれません。
ですが、結果は最後までわからないギャンブルなのです。
ですからネバーギブアップ、ネバーサレンダーなのですね。
あーしんど(大阪弁)^^
出典
2007年3月16日