プライオリティー

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日本語で書くと「より重要なこと・優先事項」ということになります。

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社会人として仕事をしていると当然のことですが「やるべきこと」の期限というものがあります。

それぞれのやるべきことに対して、処理時間の予測をしながら、スケジュールを立ててゆかないと、やるべきことに追いかけられるということになります。

 

会うたびに「忙しい、忙しい」を連発する人は少なくありません。

その原因は、処理時間の予測が外れている、あるいはその順序を間違っているという点に集約されるでしょう。

    

ある一定時間に処理できないのにもかかわらず仕事を増やすと、仕事に追いかけられることになります。

当然のことですが、仕事の質は確実に低下します。

 

10年以上前、このことに気がついてから「忙しいから」とか「忙しい忙しい」などという言葉を封印することにしたのです。

  

その効果はジワジワと、確実に効いてきます。

社会人である程度のレベルの仕事をしていれば、忙しくなるのは当たり前のことなのですが、だからこそ「忙しいから」という言い訳は一切しないことを決めたのです。

口癖にしても「いやあ忙しくって」のかわりに「いやあ暇ですから」ということにしました。

    

やってみると、実行するのは、それほどタイヘンなことではありません。

忙しさによって追いかけられないように、自分がこなせる一定量以上の仕事は、きっぱりと引き受けないようにすればいいだけです。

 

つまり安請け合いをしないということです。

本当にそれが必要かどうかを考えることで「貧乏暇なし」状態から抜け出せるのです。

  

忙しさにさえ追いかけられなければ、ほんの少しのことに気づくこともできるため、ふとしたきっかけをもとにして、自分を大きく変えることができるのです。

今の時代になっても、忙しいことがステータスだとか、その方がカッコイイという感性を持ち続けている人は、意外と多いのです。

自分は周りからどう見られているのかを意識しすぎると、こうしたワナに嵌りやすくなります。

  

プライオリティーという自分のやりたいことなどの「好み」と、それを実際に実行できるかどうかは別問題です。

そのためには、これなら「現実問題としてできるだろう」という「読み」の能力が問われるのです。

 

こうした物事に取り組む自分の能力に対する「目利き」になるためには、目先のものに目を奪われることなく、客観的に自分を見つめる能力が要求されます。

こうした自分自身の「ズレ具合」は、毎日繰り返されるすべての物事の処理に影響します。

つまり「それをやりたい」という欲望と、現実に実行できる能力とが、できるだけズレないように努力を続けることで、自分の生活を比較的簡単に変えてゆくことができるのです。

 

にもかかわらず、自分のプライオリティーに対するズレ具合が自覚できない人は、情報過多が原因なのでしょうか、ますます増加しているように見受けられます。

自分の行動を振り返ったり、こうしたことを考える暇が無いほど忙しい人は「貧乏暇なしサイクル」から永遠に抜け出すことのできない周回軌道を、永遠に回り続けることでしょう。

日本人の過労死の多さや、エンタテイメントの質の低下は、こういうところにも原因があるのではないかと、睨んでいます。

  

 

出典

2006年12月4日

 

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