人間の5感といえば視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚。
この中で趣味として楽むことができるものとしては、視覚・聴覚が1、2を争う項目ではないでしょうか。
食べ道楽は「味覚」が関係するわけですが、味だけを追求すると、健康に影響を及ぼすため注意が必要です。
視覚は、映画鑑賞・写真、カメラなどの趣味に通じています。
そして聴覚はというと、音楽・オーディオとなるわけです。
誰でもある程度の好きな音楽のジャンルがあるはずです。
そうした音楽を聴くとき、音は鳴ればいいので、悪くても構わないという人も、いらっしゃるかもしれません。
ですが一般的には、楽しむ音というのはできるだけ「よい音」で聴きたいものです。
これが昂じると音楽を聴くより、音そのものを追求する、という方向へ進み、それはオーディオ道楽へと繋がってゆきます。
ではいい音で音楽を聴くためには、何が必要か?
そして現状からステップアップするには何をすればいいのか?
というわけで、今日はこの点についての考察であります。
普段聴く音量に適したスピーカーか?
まず始めに考えなくてはならないのは、どれくらいの音量で楽しむのか?という点です。
特にマンションだと、両隣や上下の階の住人の方とトラブルにならない音量、というのが必然的に決まってくるはずです。
私の場合、自宅やオフィスは、夜中にチャイムが聞こえないほどの音量で鳴らしても全く問題ない、という環境です。
ですが、こうした例はまれなはずで、ほとんどの場合、何らかの制約があるものです。
スピーカーには、最も良い音で鳴る「最適音量」というものがあります。
そのために、さまざまな大きさの、スピーカーがあるわけです。
小さな音量しか出せないのに、大きなスピーカーで聴こうとすると、いわば宝の持ち腐れ状態になります。
最も「おいしい音が鳴る」音量まで、上げることができなければ、そこそこの音でしか鳴らないのです。
小さなサイズのスピーカーでも、ある程度まで音量を上げ、そのスピーカーが最も良い音になるゾーンで鳴らせば、驚くばかりのサウンドが響き渡ることになります。
私も音楽が好きなので、今まで多くのオーディオマニアのお宅へ、お邪魔したことがあります。
面白いことに、「自称熱心なマニア」になればなるほど、大きく高いスピーカーを買う傾向にあるようです。
オーディオマニアに人気のあるスピーカーで、JBLのスタジオモニターというシリーズのスピーカーがあります。
ハイエンドは、JBL4350ダブルウーファースタジオモニター。
ウーファーは38cm口径ウーファーが2本パラレルという布陣。
お値段は左右セットで200万円くらい。
重さは一本118キロもあるので、セッティングのため場所を少し動かしたい、と思っても一人では無理。
さらにこういうスピーカーを良い音で鳴らすには、録音スタジオ並みに防音が施された部屋が必要になります。
では大きな音量で鳴らすことができない場合は、どうすればいいのでしょうか?
それは普段聴く場所と、スピーカーの距離を、より近づけることです。
音源が近くなれば、当然のことながら相対的に、大きな音量で聴こえるわけです。
そしてスピーカーの能力を80%以上引き出せる音量でも、近隣に迷惑が掛からないサイズのスピーカーへ換えることです。
スピーカーのサイズが小さくなれば、値段も相対的に安くなります。
たとえば、ADAM S4X-V だとだと2本で97万円強。
ADAM S3X-V だと2本で57万円強。
アダムオーディオ・モニターのスタジオ導入例を見ると、S3クラスも使われていますから、一般家庭では、私の場合のスピーカー選びで書いたように、これらの下のS2クラスでも、十分な音圧のサウンドで鳴らすことができます。
5万円程度の予算でのスピーカーであれば、オーディオ・システムという記事が参考になるかもしれません。
自分が普段楽しめる最大の音量というのはどれくらいなのか?
そして、そこがピーク寸前になる音量が出せるサイズのスピーカーを使う。
大きく高いスピーカーは、プロによるセッティングのうえ、大音量で鳴らしてこそ、はじめて真価を発揮するのです。
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