インチキな通知文を信じ込み、当っていない賞金を手に入れるために父子がモンタナ州からネブラスカ州リンカーンを目指すというストーリー。
制作関連情報はウィキペディアをご覧あれ。
いまどき、ちょっと珍しい白黒映画。
だが白黒での撮影はパラマウントの要望とは反するものだったという。
パラマウント映画側はジーン・ハックマン、ロバート・デ・ニーロ、ロバート・デュヴァル、ジャック・ニコルソン、ロバート・フォスターといった大物スターを望んでいたというが、あまり有名でない役者を起用したのはアタリだったようだ。
見終わっての感想は、新作の白黒映画もなかなかいいなと。
何を隠そう、94歳になる父、この手の詐欺に引っかかったことがある。
当たるかも知れないので、その権利を確保するため5千円ほどを送れ、というもので、細かい点はこの映画とは違うが、まあ似たようなもの。
なので、妙に親近感を抱きながら見始めたわけだが・・
まず作りがシンプルなのがいい。
中盤までは、父も息子もどうしたいのかがハッキリしないまま推移。
周りを取り巻く純粋で気のいい人間関係や、欲が織りなす心情の変化など、人間の根源的な部分がベースになっているため結構楽しめる。
そのため派手さはないけれど、「その気持ちわかるよなあ・・」という共感する部分が、映画の進行と共に蓄積してゆく。
というわけで、気がつくとすっかり映画に填まってしまっているという作りが心地よい。(笑)
後半になると「息子に残してやれるものがないから」という父親の息子への想いが、ほろりとさせてくれる。
最後は謎解きに加え、息子の心温まる行動で、身も心もほぐれる、という作品。