たまに街中で見かける車ですが、もちろんドライブするのははじめてです。
さてドアを開けて運転席に座ると・・
リアビューは、タクシー専用車のCOMFORTに似ている。
高級車を謳うのなら、もうちょっと何とかすればよかったのにねえ。
ステアリングのチルトや上下への動きは、全て電動。
シートのアジャストも当然電動で、シート座面の右サイドにある、スイッチでで調節するタイプ。
ランバーサポートも付いているのですが、皮のシートがツルツルして滑りやすいのでした。
さらにシートの形状がカラダをホールドしてくれないため、イロイロ調節はしてみたのですが結局ダメ。
とにかく座り心地の悪い、落ち着かないシートがまず残念な点でした。
こうしてみると、まるで黒塗りのタクシー。(笑)
サスは典型的な金属バネの動きですが、乗り始めの印象は決して悪くありませんでした。
ただ、ハイドロのC6に慣れているカラダには、特にヒョコヒョコと落ち着かない乗り心地に感じるわけです。
C6と比べなければ、まあこんなものかなと思います。
今まで借りたプジョーやC5等の代車は、こうしてみると、やはり乗り心地は、群を抜いていることがわかります。
足回りはもちろんのこと、フランス車に共通するのは、何と言ってもシートの座り心地のよさです。
さて走り出すと、足回りから発生する上下動と、シートクッションの反発の周期とが噛み合っていない動きをするのです。
この「ちぐはぐ」な組み合わせのため、いまいちクルマが安定せず、落ち着かない乗り心地になってしまっています。
特にブレーキをかけると、さらに前後の加減速Gが加わるわけです。
そのため、いわゆるブレーキング時の「止まり心地」がすこぶる悪いクルマです。
ブレーキ自体の踏み心地や、効き具合はそれほど悪くないのですけどね。
こうして乗り換えてみると、特にC6の乗り心地のよさが際立った次元だということが、よくわかります。
C6はブレーキングのたびに、そのフィールのよさで感動しますからね。
ブレーキの「減速質感」の高さに、今更ながら感心する次第。
ブレーキパッドを変えてある、C6と比べると、全くお話にならない違いといっていいでしょう。
音は割と静かです。
ですが、もちろんC6にはかないません。
それとウィンカーの音が全くしませんでした。
でもたぶん、これは故障でしょう。
走行距離は7万4千キロ強。
トランスミッションは変速ショックをほとんど感じないうえ、加減速とも、とてもスムース。
ここはこのクルマの優秀な点です。
加速は、まあまあです。
回りに遅れることなく加速しますし、急ぐときは踏めばいいわけですから。
ただ踏んだときの加速中のエンジンの回る感触が、どうも安っぽいのが残念な点です。
それとC6に比べるとボディー剛性が低いのでしょうか。
シャーシーのガッチリ感がないため、この部分でも高級感が損なわれる要因となっています。
それと60キロ以上の領域になると、ステアリングで修正をしないと、真っ直ぐ走らないという傾向があらわれます。
C6のような、矢のように直進する、という感覚に慣れているため、余計にそう思うのかもしれませんが。
乗り心地は固めで、フワフワし過ぎないのは良い点です。
ただ、路面のデコボコのいなし方が下手で、路面状態に左右されチョロチョロと動きたがるのが難点でしょうか。
そのため、自然に修正舵を当てながら走ることになり、こういう点も高級感を損なっている点といっていいでしょう。
それと、天気が良いとフロントウィンドウへのダッシュボードの反射が、意外なほど強く映り込みます。
ウィンドウはそれほど寝ていないのですが、日が当たると明るい灰色は、ほとんど白に近い色になりますからね。
C6はダッシュボードへの反射対策をしてあるため、余計に見にくく感じるのかも知れません。
オーディオはカセットテープのプレイヤーまでついているのが時代を感じさせてくれます。
CDプレイヤーは動作せず。(笑)
これは好みの問題ですが、木目の色と灰色とのマッチングがねえ・・(笑)
ただエアコンは、もの凄く効きます。
今頃の季節になってくると、駐車後に乗り込むと、車内はかなり暑くなっていることが多いのですが・・
そういうときでも、爽快なほどグングン冷えてゆきますからね。
この素晴らしい冷え具合は、まさに快感といっていいでしょう。
ナビのリモコンは、置き場所へスッポリと嵌まり込むようになっています。
こういう秒に細かい所への配慮は、さすがトヨタ。(笑)
ナビには結構面白いギミックが仕掛けられています。
左のボタンを上へ押すと・・
このようにディスプレイが起き上がるのです。
最初だけですが、オオっと思いました。(笑)
そしてシーソースイッチになっている下側のボタンを押すと、手前へ傾きます。
さらに下側のボタンを押すと、さらに手前へ。
実はもう一段手前へ傾くのですが、ここまで手前へ傾くと、かえって見にくいですな。
ということで、トータルで角度は4段階が選択できるのですが・・
でもそこまで調節できなくてもいいと思いますけどね。(笑)
意外にも、iPad 車載ホルダーがうまい具合に使えました。
ラッキー。
それと車から降りる時、エンジンを停止させると、ハンドルがゆっくりと上へ跳ね上がります。
ハラの出ている人のための装備なのでしょうか。
C6は運転席のドアを開けると、全てのドアロックは自動的に解除されます。
ですがプログレの場合、運転席のドアを開けても、助手席側や後ろのドアは、ロックされたまま、という仕様。
C6に慣れていると、この仕様はとても不便。
ですがこのクルマの場合、キーについているアンロックのボタンを押すとロックは解除されます。
ですが車のエンジンを掛けたまま、助手席側のドアを開けようとすると・・
ストレスは最大限に高まるので要注意です。(笑)
あと、トリップメータが2種類ついていたり、リセットボタンの位置が操作しやすい場所にあるのは便利です。
C6は、探し回らなければ分からない位置にあるうえ、しかもボタンが押しにくいのですよこれが。
ですが、慣れれば全く問題なし。
それに乗り心地のよさと、一貫して漂う高級感が、そうした細かい不満を一瞬のうちに、消し去ってくれますからね。
一日だけの試乗でしたが、結論としてスピードを60キロ以上出さない運転をする人には、お薦めです。
プログレの中古車は、オーナーが丁寧に乗っているケースが多いため、全体的な傾向としてヤレも少なく、値段を考えると良い選択だと思います。
ただ、それ以上の速度域になると、一気に馬脚を表すクルマではありますけどね。(笑)
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