損失のサイクルへ填まるな

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株価が上がろうが下がろうが、常にハッピーな気分で毎日を過ごせる。

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これこそがまさに究極のトレーダーではないだろうか?

いいかえれば、ポジションを持たないトレーダーである。

 

  

1997年からトレードを始め、今年で足掛け18年になろうとしている。

その間に多くのトレーダーを見てきた。

そのトレーダーが成功しているか、そうでないのかは、経験則がある程度働くため、その言動やパターンでわかることがある。

 

その理由だが、トレードには次のような「損失のサイクル」と呼ばれる心理状態の葛藤によるパターンが存在するからだ。

下記がその典型的なパターン。

  

 

①勉強を始める

 

絶え難い損失あるいは敗北を経験したトレーダーは勉強を始める。

このまま続けても、損失を出すだけですから、何かを変えなければならないと考え始めるわけだ。

これは正しい判断だ。

感情面、分析面において未熟なトレーダーは、現実から受けたるショックのために、意外と冷静になることができる。

熟練したトレードを目指して、セミナーを受講したり、これは行けると考えた自己流でアプローチするなど、色々な手段で、一生懸命に勉強を始める。

  

 

  

 
②トレーダーは一定の成果を上げ始める

 

トレーダーは、自分の信じるトレーディングシステムを通じ、トレードを分析しながら日毎にその方法に熟達してゆく。

実際のトレードでも利益を上げ始める。

基本に忠実にトレードを行うため、手ごたえは十分にあるのがこの段階だ。

希望に燃えている段階といえるだろう。

  

 

  

  

③トレーダーは欲を出し始める。

 

学習を進めるにつれて利益を上げ始める、それに伴い欲も出始める。

人間だから当然の心理だ。

この欲によって、さらにパフォーマンスの向上を目指し、利益率の高い方法をとろうと考え始めることになる。

 

これは悪いことではない。こうした欲によって進歩があるわけだから。

しかし、同時にセットアップの条件を緩くしたトレードへと、知らず知らずのうちに移行を始めていることが多くなる。

当然この段階で、リスクが高くなっているが、利益を出し始めたということで、強気になってしまう。

 

小さな幅の利益を大きなロスで帳消しにしてしまうのも、この段階での特長だ。

ここで、何かがおかしいことに気づかなければならない。

そうして、もう一度自分のトレードを見直さなければならない段階なのだ。

 

チャートにマークをして分析するなり、ポートフォリオの組み方に問題がないのかなをチェックしたりと、もう一度、第三者の目で見つめなおさないとならない段階だ。

トレード方法が変化しているのに気づかずに、辛抱強いトレードができなくなっている。

  

 

  

 

④分析力の向上と心理面での葛藤

 

経験を積むに従い、今までの学習をもとに良いセットアップを認識できるようになっている。

しかしトレードでの失敗によって、利益より大きな幅の損失を出すようになり、トレーダーはだんだんと臆病になる。

よいトレードにも関わらず躊躇することになり、せっかくのチャンスを逃したりするケースも見受けられる。

 

また、少ない利益にも関わらず、目先の利益によるこの段階での「独自のトレード方法」になってしまっている方法を、正しいトレード方法だと思い込み始める。

この段階では、メールで相談をされにこられる方もいらっしゃる。

利益を出せるけれども、時々発生する大きなロスによって、フラストレーションが始まっている。

 

 

 

 

 

⑤トレードが、感情的に決定されるようになる。

 

分析面からのプロセスが、だんだん省略されてきているのに気が付かないようになる。

ロスによるフラストレーションが溜まり、失敗したトレードに腹を立てているトレーダーは事前に次のトレードをすることを決めてしまう。

すでに、セットアップの条件を辛抱強く待つことができなくなっているのも、この段階の特徴だ。

 

テクニカルな分析より、感情的な葛藤の方が大きな比重を持つようになっている。

これでは勝てない。

すでに冷静さを失い、マーケットや他人のせいにし始めるのも、この段階の特徴だ。

  

  

 

  

  

 

⑥悪いトレードが執行されるようになる。

 

感情的に事前に決定したトレードのために重要な分析が省略され、トレードが「なあなあ」なものとなっていることに気が付かない。

高い信頼性をもつセットアップを伴わないトレードへ突入する。

当然トータルでは、利益の幅より損失の幅が大きくなる。

 

コンピュータやシステム、回線のせいでうまくゆかないのではないかと考え、マシンを新しいシステムにしたり、2モニターシステムにしたりと、違うアプローチを始める。

問題は別のところにあるにもかかわらず、違うところをすでに見始めているというわけだ。

  

 

  

  

⑦消極的なトレーディングへと移行を始める。

 

トレーディングの苦痛にえぐられるようになると、今までのトレード方法に疑いを持ち始める。

ロスによる不安がトレーダーを新しくより良いシステムを探したり、指標を見つけようとする考えへと走らせる。

自信を失っているから、異なったトレーディングシステムを採用しようと考え始める。

違ったトレード方法の実験を始める。

 
  

  

 
⑧混乱のために不確実性が台頭

 

トレーダーは自ら「修正されたよいトレード」と信じるトレーディングシステムを導入しようとする。

この違ったトレード方法が正しいかどうかの客観的な裏づけはないにもかかわらずだ。

同時に、この不安から以前のシステムの方が良かったかな?などと、新しいシステムにも疑いを持ち始める。

 

ここで以前のシステムを見つめなおすという冷静さを持つことは、至難のワザとなる。

この段階で、メールで相談をされる方は誰もいない。

そういう余裕は既になくなっているからだろう。

 

また新しいシステムでの経験が浅いため、この「新しい」トレード方法でもロスを出し続ける。

この段階では、チャートによってトレードを見つめなおすという作業を淡々と繰り返し、原因を見つけるしか方法はないのだが、それを実行するトレーダーはまずいないといってもいいだろう。

さらに、気持ちにあせりがあるため、シミュレーションによって充分な訓練をするプロセスを、省略してしまう。

 

これではうまく行くはずがない。

  

  

 

  

  

①再び勉強を始める

 

絶え難い損失あるいは敗北を経験したトレーダーは、再び勉強を始める。

つまり最初に戻るわけだ。

しかしロスによって資金がなくなると、この段階間へやってきても、やり直すことができなくなる。

怒りの矛先を、他人やトレードそのものに向け、憎む感情を抱き、人によってはトレードの世界から離れてしまうこともある。

 

 
長いトレードの期間には誰でもロスを出したり、うまく行かない時期がある。

この最も難しい時期を、どうやって乗り切るかが勝負なのだ。

こうしたときに、信頼できるトレーダーや、講師からアドバイスを受けることは非常に大きな助けになる。

 

この段階になると自分で第三者の目として分析することは、まず無理な状態になっている。

何がどうなっているのかの冷静な判断が、最も必要な時期にもかかわらずだ。

トレードを続けていると、サポートが必要な時期が必ずある。

 

うつ病の患者は、自分が鬱状態のためにカウンセリングを受けようということには全く気づかず、ますますひどくなるというサイクルに陥ることが多いのだ。

だから、家族や周りのヘルプが必要になるのだが。

トレーダーもうまく行かない時には、全く同じ心理状態になる。

 

こうした経験を経て、それを克服した経験を持つトレーダーは、これを解決する方法を知っているうえ、それを実行することもできる。

しかし、そうでないトレーダーにとっては、これを乗り切るには、大きな考えの変革が必要となるのだ。

損失のサイクルから抜け出すには、まず自分を客観的に見つめることだ。

  

 

あなたは自分のレードを毎日客観的にチャートで見つめ直しているだろうか?

この基本を忘れてしまっているトーダーは意外に多いのだ。  

  

 

トレードは、孤独な作業になりがちだ。

これを精神的に支えることができるのは、家族や配偶者、ときには恋人であったりする。

悩みを相談し、問題と向き合って解決するという、素直な心がこうした難しい問題を解決してくれることがある。

 

そして何よりも大事なことは、トレードの基本を忠実に守るということだ。

トレンドに従う。

複数条件でエントリーする。

 

カットロスト。

トレードを、客観的かつ冷静に分析し原因を突き止める。

 


「頑固さと勝手な思い込み」は成功するトレードに対しての最大の障害なのだ。

トレードがうまく行かないという問題は、自分の心の中に原因があるということを忘れてはならない。

 

想像力

 

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