多くのアメリカ人にとって、レイバー・デイは、夏の終わりを象徴している。
2009年にジョイス・メイナードがアメリカで発表した教養小説。
レイバー・デイは、「労働者の日」で、アメリカでは9月の第一月曜日と定められ、祝日となっている。
物語はこの前後5日間の出来事を描いていいる。
監督はジェイソン・ライトマン。
まだ37歳という若さ。
デビュー作「サンキュー・スモーキング」(2006
「JUNO/ジュノ」(2007)
「マイレージ、マイライフ」(2009)
「ヤング≒アダルト」(2011)
と目下のところ何と傑作率?!は10割。
凄い監督だ。
『とらわれて夏』予告編
9月初めのレイバー・デイを週末にひかえたある日のこと・・
心に傷を負ったシングルマザーのアデル(ケイト・ウィンスレット)と、その息子13歳のヘンリー(ガトリン・グリフィス)は、スーパーへ。
そこで脱獄犯のフランクと出くわしてしまうところから、映画は始まる。
父性の欠落していた母子家庭と、家族愛を失っていた脱獄犯との出会いが、運命的な出会いを・・
監督はこの普通あり得ない補完関係を利用し、観客に心地よい共感を与え続けるのだ・
さらに非の打ち所のない結末まで、この上ない高揚感を与え続けてくれる佳作だからたまらない。
見事なのは、13歳の少年を大人の男女二人の間に配置したという点だ。
大人の色恋含めた関係に、思春期の少年がかかわると、ほとんどのケースで厄介な展開になるわけだが・・
だが、オープニングからの、監督の躊躇のない筆の進め方は実に見事。
持って回らず、これだけストレートな脚本で、撮り進めることができる制作スタッフの力量はどうだろう。
脱獄犯のフランクを演じたジョシュ・ブローリン(47歳)はノーカントリーでも好演。
2007年に「プラネット・テラー in グラインドハウス」
「アメリカン・ギャングスター」
「ノーカントリー」と話題作に立て続けに出演し注目を集めた個性派俳優。
主演は「愛を読むひと」でアカデミー主演女優賞に輝いたケイト・ウィンスレット。
少し精神を病んだ女性を演じさせたら右に出る物なし。
悲しみや喪失から立ち上がろうとする男女の愛、大人の未知の世界を垣間見た少年の成長する姿・・
すべてが緑の萌える夏という美しい情景のもとに、繊細なタッチで展開されるこの作品は、まさにオトナのラブストーリー。
最後はちゃんとハッピーエンドになるのがいい。
見なきゃ損ですぞ、ダンナ!