今回のような大規模事故について本来は、フローの濃度だけではなく、総量の規制を導入するべきなのだ。
だが、それは封印されている。
なぜなら、どんなに薄めても総量規制の上限を超えれば、海に流せなくなるからだ。
現在の規制なら、雨水や地下水で薄めて海に流せば良い。
海水で薄めれば、何の問題もないように見えるという発想だ。
これらの暗黙の方針をさらに強化したのが、安倍総理が国際オリンピック委員会(IOC)で東京五輪招致のために行った「汚染水の影響は港湾内0・3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」という発言だ。
当初、「嘘かどうかなどを議論するよりも、汚染水の処理が国際公約になったのだから、これで本格的な対策につながると前向きにとらえれば良い」という政権に擦り寄るコメンテーターの発言が多かった。
だが「嘘は嘘の連鎖を呼び込むのだ。
汚染水が港湾外にダダ漏れしていたという事実は、安倍総理のIOCでの発言が大嘘だったことを、証明したわけだ。
平気で嘘をつく、首相は日本を、どうしようというのだろうか?
ひとりメルケル訪日の意味を正しく書いた週刊フライデー 下記は全文引用の内容
メルケル独首相の訪日は安倍首相にとって痛烈な衝撃だったに違いない。
なにしろ脱原発と歴史認識の二つについて正面から異議を唱えたからだ。
ところが、日本の大手メディアはまったくそのことを書かない。
書いても、過小評価するか、遠回しに言及するかだ。
そんな中で、きのう発売された写真週刊誌フライデーは、「メルケルが安倍に突き付けた『脱原発』と『歴史認識』」という見出しの大きな記事をトップに掲げた。
その記事は、首相公邸で行われた歓迎晩餐会を終え、メルケル首相一行を見送った安倍首相は、疲れた表情を浮かべ、早々と自室に戻っていった、晩餐会の直前に行われた首脳会談がよほどこたえたのだろう、という官邸関係者の証言から始まる。
そして次のように警告を発している。
メルケル首相は思いつきで発言しているわけではない。
世界の首脳の日本への危惧を代表して発言しているのだ。
しかし日本の反応はあまりにも鈍かった。
岸田外相と菅官房長官は、それぞれ記者会見でメルケル発言に反論している・・・
このフライデーの記事で注目すべきは6月にドイツでG7(主要国首脳会議)が開かれることを我々に想起させているところである。
つまり今度のメルケル独首相の訪日は、単に日独二国間関係のために訪日したのではなく、G7の議長国として訪日したのである。
安倍官邸はそのことに気づかねばいけない。
安倍首相の不機嫌さは、自らの政策を批判されたことから来ているのではなく、主要国から見放される危惧に気づき始めたからではないのか。
そうであればまだ正気があるということだ。
正気のあるうちに政策を変えたほうがいい(了)