AUTOCAR によるレクサスRC F vs BMW M4 vs アウテ?ィRS5では、なかなか興味のあるキャッチコピーが添えられている。
冒頭に、売れば売るほど赤字になっていくLFAという名のマスターピースの生産が終わり、次にレクサスが何を投入してくるのかを待ちわびていた今日このごろ、RC Fなるモデルがデビューした。
では文中から、レクサスに関する記述を抜粋してみよう。
エンジンそのものは、いまある中で最強のV8ユニットだとレクサスは誇らしげにいう。とあるように、数値だけ見ると、RC Fが獰猛な予感がする。
RC Fはややガンダム的。ギラギラと光るネオンや、これでもかと吹き出す蒸気が似合いそうであり、少なくともロケ地となった英国はピークディストリクト国立公園の山々にはそぐわないと感じた。
内装も残念ながらあまり良く響かない。きっとレクサスのデザイナーは、アップルのデザイン部門のボス、ジョナサン・アイヴ氏が成し得たプラスティック革命よりも、70年台のゼロックスのコピー機を参考にしたのだろう。
四角形のボタンを羅列したRC Fと比べると、他2台の方がスタイリッシュであるうえ、使い勝手にも優れているように感じられる。
というように、レクサスのエクステリアやインテリアの評判はイマイチ。
上記2台の強烈な印象に比べるとRC Fはどこか薄味。
RS5と同じV8といえども、獰猛な様子は希薄であり、4000rpmから下では低く静かにエグゾースト・ノートが響いているのみにとどまる。
アップ・シフトもごく一般的なATよろしく穏やかな類。
ペダル・レスポンスは、ほんのわずかな足元の操作には無頓着なようだ。
ただし最後まで、RC Fは大型のGTを目指しているのか、あるいはスリリングなスポーツカーを目指しているのかがはっきりしなかったのは残念。
後世に語り継がれるクルマというよりも、トヨタにしてはまぁまぁナイスなクルマ止まりの印象は拭えない。
というわけだが、本当に車の運転が好きな場合、この3車が属する1千万円オーバークラスでは、ケイマンや911をはじめとするポルシェという強敵が控えている。
車も500万円から上のクラスに属するカテゴリーになると、車好きを魅了することができるだけの、強烈な魅力が不可欠となってくる。
特にボクスターという、完璧なバランスのスポーツカーが、新車で700万円を切る値段で購入できる現在、今のレクサスでは太刀打ちできないのは火を見るより明らかではないだろうか?
こちらにレクサスの全シリーズの価格表があるが、結構な値付けだ。
レクサスは、トータルの味付けに問題ありだな。