剛性感。何を隠そうクルマ好きにとっては、褒め言葉の響きを持つ言葉ではないだろうか。
巷では「スポット溶接の箇所が多いクルマは剛性感が高い」などというように使う。
この剛性感について、意外に簡単に見分けることができるのが、ドア・ヒンジ。
ポルシェ911のドアヒンジは鋳鉄製。 見るから実に頑丈そうだ。
ドアを開け、室内へ乗り込む前に、ドアのヒンジ部分を見てみよう。
新車購入から年月が経過しても、ドアの閉まり具合が変わらず、重厚さを保ち続けることができるのは、この作りが頑丈だからだ。
たとえば、最近評判のいいマツダデミオを見ると・・
残念ながら鉄板をプレス加工した安っぽい金具が見える。
国産車と、欧州のプレミアムカーとが最も異なっているのが、この部分。
スカイラインや新型クラウンクラスでもこのデミオに毛が生えたくらいのものが使われている。
1983年製ポルシェ911のドアヒンジ。
国産車は、まずほとんどのクルマが、このドアヒンジがプレス金具でできている。
この部品は、見えにくいところにあるため、コストダウンのために安く上げるにはもってこいの部品なのだ。
プレス金具製のドアヒンジは弱く、だいたい5年程度で曲がり始める。
そしてその微妙なズレによって、ドアの閉まりが悪くなったり、音も安っぽくなってくる。
クルマの陳腐化が増強され、買い換えたくなってしまう原因の1つでもあるわけだ。
欧州車の場合、フォルクスワーゲンアップという、最も安い車種でも、鋳造製の部品が使われている。
実際に、ドア自体も重く、閉める時には、重厚感のある音がする。
新型クラウンのドアヒンジはプレス製。
高級車だから鋳鉄製というのはトヨタブランドでは該当しないようだ。
シトロエン C6 も、ガッチリしたドアヒンジを使っている。
新型C4ピカソは、残念ながらプレス金具だった・・
ドアの閉まる音は重厚で、8万キロを走っても、ミシリとも言わない。
さてあなたの車のドア・ヒンジは?
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