最近の森慶太FMOで、なかなか面白い記事がありました。
マツダ・デミオディーゼル試乗記で書いたように、最近のマツダ車は、クルマとしてのレベルが自動車好きの間でも「いいクルマ」を連発で送り出しているという評価を受けているようです。
じゃあマツダはこれからも、立て続けに本物を送り出せるメーカーになれたのか?
という素朴な疑問が頭をよぎったりするわけです。
とは言っても、普通新車が出るたびに、片っ端から試乗している人は、まずいないはず。
そのため、いざというときに比較のしようがないわけです。
毎月モーター・ジャーナルを購読しているのは、こうした情報を知るためでもあります。
クルマ好きの一人として、どのクルマがどれくらいのものなのか?
という、いわゆる「位置決め」の一つの指標として使っています。
で最近の、このマツダに関して、森慶太氏がメルマガで、秀逸な記事を書かれています。
感動の余り一部を、ほぼそのまま引用させていただくことをお許しください。
読みやすくするため、改行などは勝手に変更しています。
悪しからず。
いまのマツダはホンモノか? というと、「この調子でいけ!」ですね。
俺がもしナンかいうとしたら。
ナンかクルマを買うなら、どれでもいいからご予算と用途とお好みにハマるところでマツダ車をどうぞ・・
と安心して即答できるレベルにはまだ、というのもありますが。
ただし現状でも、国産の同クラス横並び比較でいったらたいがいマツダでオッケーだと思いますが。
なかの事情に詳しいわけではないですが、俺がみたところではいまのマツダ、まだ工事中です。
クルマの走りや乗り心地に関して、「ウチのはこうです!!」っていうのを(それも、普遍的な説得力があるのを)彼らはいま、作り上げようとしている途中だということです。
昔からの流れでなんとなく、はやめて、ちゃんと考えてイチから。
で、いいものができあがりそうな手応えはしっかりあるし、結果もある程度かもっと出せてはいるけれど、でもまだ完成じゃない。
だからヘンな話、アレですよ。
「どうも最近のマツダ車はレベルが落ちちゃったねえ~」なんていわれるようになるかどうか。
もちろんならなくてずーっとイイのが理想ですけど、少なくともいっぺんは「そうそうこれこれ。 」
どれに乗ってもマツダはおんなじようにいいねえ~」
って誰もがいうようなところへ到達しないと、「どうも最近のマツダは……」へは落ちれないわけです。
せいぜい、ヨカッタときもあったね程度で。
もうちょっと下世話なところだと、マツダ地獄。
これ、マツダ車やマツダの話になるとかなりの頻度で出てくる言葉です。
昔っからずーっといわれてき・・ました。
最近ようやく出てこなくなってきたような気もしますが、逆にいうと、まだせいぜいその程度。
マツダ地獄とはつまり、大幅値引きでマツダの新車を買ったはいいけど下取りのときにほかのどこでもマトモな値段がつかなくて次もマツダ車を買うしかなくなる連鎖・・ですよね。
なにをいいたいかというと、クルマのデキがいいだけじゃなくそっちの方面でも「マツダなら安心」というところまでいかんとイカンと。
いってほしいなと。
いうなればマツダ天国(笑)。
こういう記事は、好きなノリの記事です。
全体の中で、マツダがどいういうポジションにあるのか?
なんていうところが、自動車メーカー全体を眺めてどうなのか、なんてことが相対的にとてもよくわかります。
いろんな車に乗っているからこそ書ける記事ですね。
普通のいわゆるよくある月刊誌や雑誌などの紙媒体を含め、WEBの試乗記でも、こういう目線での記事、というのはまずお目に掛かることはないですからね。
たとえば「マツダ地獄」なんて言葉は間違っても出てきませんから。
そういう意味で、ちょっと目からウロコの記事でした。
はたまたこんなことも。
たとえばの話、最近話題のマツダ車を買うとします。
イイと思いながら乗る。
で次、他メーカー製の人気車に買いかえて、でも乗ってみるとナンか違う。
違うなーと思いつづけながら乗って、その次はマツダ車。
そしたら「おーこれだよ!!」。
なにをいいたいかといいますと、一人のクルマ購入者がそのぐらいの経験をする間はずっとクルマがイイままじゃないと・・と。
そのへんまでいったらホンモノでしょう。
SKYACTIVとかクリーンディーゼルとかの言葉というかネーミングというかキャンペーンは成功したと思います。
やってよかった。
ただし、日本では。マツダが海外でそっち方面どういうふうにやってるかは俺知りませんが、日本じゃないところでSKYACTIVだのクリーンディーゼルだのいったところで簡単な話ナンノコッチャでございますよ。
その昔のト○タのBEAMSなんてのよりかはマシかもですが。
以前、カミサンのミニの点検時の代車で、前のモデルのデミオに乗ったことがあります。
でもなんだか大味で、ブワブワした、何というか揺れ方などが大味でアバウトな乗り味に、やっぱり日本車だよなあ・・
っていう印象を受けたことがあります。
でも今度のデミオは、そういったネガというか、バランスが崩れてしまっている部分というのは見当たりませんでした。
クルマ全体から、いわゆるマツダが目指すところがどこなのかが、ちゃんと漂ってきていました。
逆に言えば、妙なところのない、まともな日本製のクルマが、いかに少ないか、ということにもなるわけですが・・
だってアレですよ。
SKYACTIVってのは、俺流に日本語に翻訳すると、「クルマがちゃんとしてます」って意味ですからね(笑)。
それがウソじゃないのはまあエラいといっていいでしょうし、あとエンジン、もっというとガソリンのほうに関しては、「ダウンサイジングなにするものぞ」っていう気概(だけじゃなくリクツのバックグラウンドも)が見えててイイですけど。
でもアレですよ。
たとえばフォードのフォーカスやフィエスタやシボレーのソニックがフツーに売られてるなかにいまのマツダのアレやコレやが入ってきたところでそれ、別にビックリでもなんでもないですから。
あくまで、日本車一般の平均的なレベルと較べたらアタマいっこ抜けてるかな程度ですから。
フツーの日本車でちゃんとしたやつがあってくれることを強く望んだりまたは喜んだりするココロをさっぴいてフラットな態度でいったら、そんなもんです。
ミニなんかは確信犯的に、あえてある部分をちゃんと魅力として仕立て上げられ、売られています。
いわゆるゴーカートフィーリングと呼ばれる、その乗り味は広く知られている部分です。
何かの記事で自動車メーカーの人が言ってましたが、「ウチの会社じゃあ、ああいうステアリング特性だとボツになります。」
ってね。
そうやって最大公約数的にネガな部分をどんどんツブしてゆくと、無難な70点主義の、楽しさなど微塵もないクルマができあがるわけです。
あそこで填まってしまったから、そこ以外の多少のこういった所は、目をつぶっても欲しい。
と一途にさせてくれる魅力があるかどうか。
クルマは実用に使う道具ですが、同時に趣味性も兼ね備えた希有なハードウエアです。
だからこそ、独自の味付けというかメッセージが、そのクルマのメーカー側から、しっかり伝わってくるクルマかどうかを、クルマ好きは問題にするわけです。
あとはそれが気に入るかどうかだけの問題ですからね。
そういった「個性・味付け・クセ」が、商品としてお金を取れるものになっているかどうか。
魅力のあるクルマって、そうしたところは、ちゃんと考えて作られてますからね。
C6なんかは、まさにその典型です。
全員に気に入って貰わなくてもいい。
気に入ってくれた人が熱烈に好きになってくれればいい。
そういう想いが、作り手から伝わってくるかどうか。
日本のメーカーのなかでは国内市場へのディーゼルの導入にすごく熱心。
いまのマツダの追い風ムードに関しては、このこともまた少なからず貢献してるはずです。
「ディーゼルやってるからマツダはエラい」って。
仮に俺がデミオの広報車を借りてどっかへ乗ってったとして、そこではきっといわれます。
「それ、ディーゼルですか?」って。
ガソリンだっつったらガッカリされますね。きっと。
はっはっは。
えーすいません。無駄に長くなっちゃった気がします。
ま、そんな感じです。
「ホンモノに・・なるんだよ!!」 っていうことで。
あと残る課題は、デザイン。
いわゆる、エクステリアデザイン。
日本車はここが決定的に弱い。
サラリーマン的発想でもって、会議でネガを片っ端からツブしたからって、魅力あるカタチにはなりませんからね。
特に大金を払うプレミアムブランドでは、ここの記号(カタチ)が決定的な決定要素となります。
だからこそ、決定的な権限を持ち、魅力あるデザイン力のあるカリスマ的人物が必要なのです。
日本の自動車メーカーに務めている人間で、そういう人物がいるでしょうか?
というか、いると思います?
じゃあ仮にそういう人がいるとして、その人が作った車って、なんていうクルマですか?
ってことになるわけです。
ポルシェを買ってバラして調べ、車を作ろうというアプローチは可能でしょう。
ですが、カタチだけはどうすることもできないわけです。
なので一部分だけをパクったりするわけですけどね。
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