ハイレゾWalkman NW-ZX1を300時間以上エージング。
だが、エージングでサウンドは、かなりよくなったものの、音の性格そのものは、NW-ZX1 VS iPod 比較試聴 で書いた傾向そのままで、変わらず。
iPod へ肉薄するレベルまでは、鳴るようにはなったが、 iPod を抜き去ることはできず、といったところか。
後発なのだから、iPod よりもうんと良い音にできるはずなのではないだろうか?
だって値段だってiPod よりうんと高いわけだし。
イヤホンジャック周りの、いかにも音が良さそうな見栄えとは裏腹に、サウンドは iPod の後塵を拝している。
ネットで時々見かける 「NW-ZX1 は iPod より音がいい」などと言う記述は、試聴しているヘッドフォンに問題があるのではないだろうか。
あるいは、書き手に何らかのバイアスが掛かっていたかの、どちらかだろう。
前回も書いたが、これは WAV形式の音楽ファイルを比較してのハナシだ。
どう贔屓目に見ても、SONY には勝ち目のないレベルのサウンドで、正直言ってガッカリだ。
バイオ・マットを使うときには、NW-ZX1 を SHURE SE535LTD-J と組み合わせて使っているが、OSであるアンドロイドの反応の悪さも使用感を大いにスポイルしている。
iPod をはじめとした、iPhone を含めた、iOS の持つメニュー移動の際のキビキビ感と比べると、まさに雲泥の差だ。
アンドロイドの携帯は使ったことはないが、みんなこの程度のものを使っているのだろうか?
たとえば、側面一番上にある、画面表示の電源オンボタンを押すと、ロックされたマークが表示される。
このマークを右にスワイプすると、メニューが表示されるのだが、これは iPhone でもお馴染みの操作だ。
だが、NW-ZX1 の場合、一回のスワイプで、メニュー表示画面へ移動できたことは一度もない。
こうした肝心の、繰り返し使ういわゆるログインの際の反応の悪さは、毎回使うたびに、このプレイヤーの使い勝手の悪さとして、印象づけられてゆくわけだ。
これは、SONY ブランドにとっては、非常に大きな問題ではないだろうか?
ちょっとしたことだが、毎回必ず行う操作だけに、このキビキビ感のない、トロい反応には、ほんとウンザリしてしまう。
こういう所をこのレベルのままで何故 SONY は商品化してしまったのだろう?
これじゃあ、iPod に勝ち目がないのは、火を見るよりも明らかだ。
昔からの SONY のブランドイメージは、この NW-ZX1 を使っているうちに、非常に悪くなってしまった。
日本人として、非常に残念なことだ。
背面のデザインも、皮?と、金属部分とのエッジの合わせ目の精度がよくないのは上の写真を見ても一目瞭然。
iPod の丸みを帯びたエッジが織りなす全面金属製のモダンなデザインと比べると、どうしても「もっさり」とした印象を受けてしまう。
それはともかく、この値段を出して、肝心のサウンドがこのレベルでは、SONY ブランドが泣こうというもの。
世界的なヒットにならないのは、当たり前だ。
今回は高い買い物となってしまった。
とにかく残念な製品だった。
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